マイフレンド イン マイポケット

「エルド朝だよ!目を覚ませー!」

可愛い声が耳元で聞こえて

「おはよう!」

ボクの目は完全に覚めた。

「早く着替えて朝ごはんにしよっ!」

可愛い声の正体は

「エルドの裸はいつ見てもつい見惚れちゃうなー!」

水色の髪に青い水着みたいな服

「スレンダーなのに程よい筋肉がついているし」

耳は尖って、頭には2つの小さな角

「肌もすごくきれいでつい触りたくなっちゃ…ぶわぁっ!」

きれいな肌に薄く透ける羽を背中につけた

「も〜!急に服をアタシごとかぶせないでよ〜!」

青い瞳で手のひらサイズの

「まあいいわ。早く着替えてって言ったのアタシだし」

とってもかわいい顔をした

「さて、さっそくアタシの特等席に入りますか」

いつも、ボクのポケットの中にいる

「さあ、一緒に朝ごはんを食べるわよ〜!」

ボクの一番大切な友達の

「今日の朝ごはんはベーコンエッグとトーストだからね!」

クリンという名のピクシーの女の子。


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「ごちそうさま!!」

おいしかった朝ごはん。

「さあちゃっちゃと片づけして遊ぼう!」

今日はクリンが作ってくれた朝ごはん。

「今日は何して遊ぶ?」

とってもおいしくて満足した。

「えっ?今日は一緒にお出かけがしたいの?」

そして二人で一緒に片づけをして

「う〜ん……ちょっと準備してくるね」

少し遠くまで二人してお出掛け。

「おまたせ〜。全部片付いたようね」

今日はボク達二人にとって

「じゃあ早速でかけよう!」

とてもとても大切な日。

「やっぱりエルドのポケットの中ってサイコーね!」

今年までは忘れていたけれども…

「なんたって自分で飛んだり歩かなくて済むから疲れないしね」

今年はあることを実行するために、しっかりと覚えていた。

「それにね…」

ポケットの中でクリンが何か言っている。

「エルドのぬくもりと鼓動を感じられるからいいんだ!!」

えっっ!!!!

「な〜んてね!どきっとしたね!?もちろんジョーダンだよ!…ニシシッ!」

かわいい悪戯をくらってしまった。

「…本当は冗談じゃないけどね…」

何かつぶやいているようだけど…

「な、なんでもないわ。それより早く出発しよ!」

聞き返しても教えてくれなかった。


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「どこに行くのかと思えば…また懐かしい所に来たわね〜」

ボク達が来たのは家からちょっと離れた深い森。

「もう出会ってから15年もたったのね」

ここはボク達が出会った森。

「エルドもずいぶんと大きくなったよね」

それはボクがまだまだ5歳だった時のこと。





「ねえキミ、こんな所でなんで泣いているの?」

これはクリンと出会った時のこと。

「もしかして……キミ…迷子?」

ボクは両親とはぐれて森の中を一人でずっと彷徨っていた。

「あ〜キミ、アタシが森の外まで送ってあげよう!だから泣きやんで、ね!」

急に目の前に現れて、ボクを助けてくれた女の子。

「アタシ?アタシはピクシーのクリン!キミは?」

ボクの顔と同じ位の大きさの、人間じゃない女の子。

「エルドって言うんだね。じゃあいこっか……ってなんでついてこないの?」

たしかピクシーって悪戯が好きな魔物だったよね…と思っていたら

「あのねぇ…いくらアタシがピクシーだからって、泣きながら困っている自分よりも幼い子に悪戯はしないわよ…だからちゃんとついてきてね」

呆れながら、そう言ってくれた。…ん?自分よりも幼い?

「そうよ。アタシのほうがお姉さん。っていっても1つ上の6歳だけどね!」

同じ位の歳だと思ったのもあながち間違いではなかったみたい…



「………でね、その時にそのフェアリーの子がさ〜…ってあら?もうすぐ森の出口よ!」

クリンと楽しいお喋りをしながら歩いていたら、あっという間に森を抜けた。

「あっ!あそこにいる二人がエルドのお父さんとお母さんじゃない!?」

森を抜けて、ボクは両親と再開でき、泣きながら喜んだ。

「も〜嬉しいからってすぐ泣くんだから〜。やっぱりエルドは泣き虫だね!」

…はっきり泣き虫と言われてしまい、顔が真っ赤になってしまった。

「それじゃあね!もう森の中で迷子にならないようにね!!」

そう言って帰りそうになった彼女をボクは慌てて引き留めて、ありがとうという言葉と…

「えっ?なーに?…ふふっ、どういたしまして」

そして、ボクの友達になって、とクリンに言った。

「…うん!もちろん!!アタシでよければ!これからもよろしくねっ!」

こうしてボク達は友達になって、あの日まではほぼ毎日会って遊んだ…


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