「エルド朝だよ!目を覚ませー!」
可愛い声が耳元で聞こえて
「おはよう!」
ボクの目は完全に覚めた。
「早く着替えて朝ごはんにしよっ!」
可愛い声の正体は
「エルドの裸はいつ見てもつい見惚れちゃうなー!」
水色の髪に青い水着みたいな服
「スレンダーなのに程よい筋肉がついているし」
耳は尖って、頭には2つの小さな角
「肌もすごくきれいでつい触りたくなっちゃ…ぶわぁっ!」
きれいな肌に薄く透ける羽を背中につけた
「も〜!急に服をアタシごとかぶせないでよ〜!」
青い瞳で手のひらサイズの
「まあいいわ。早く着替えてって言ったのアタシだし」
とってもかわいい顔をした
「さて、さっそくアタシの特等席に入りますか」
いつも、ボクのポケットの中にいる
「さあ、一緒に朝ごはんを食べるわよ〜!」
ボクの一番大切な友達の
「今日の朝ごはんはベーコンエッグとトーストだからね!」
クリンという名のピクシーの女の子。
====================
「ごちそうさま!!」
おいしかった朝ごはん。
「さあちゃっちゃと片づけして遊ぼう!」
今日はクリンが作ってくれた朝ごはん。
「今日は何して遊ぶ?」
とってもおいしくて満足した。
「えっ?今日は一緒にお出かけがしたいの?」
そして二人で一緒に片づけをして
「う〜ん……ちょっと準備してくるね」
少し遠くまで二人してお出掛け。
「おまたせ〜。全部片付いたようね」
今日はボク達二人にとって
「じゃあ早速でかけよう!」
とてもとても大切な日。
「やっぱりエルドのポケットの中ってサイコーね!」
今年までは忘れていたけれども…
「なんたって自分で飛んだり歩かなくて済むから疲れないしね」
今年はあることを実行するために、しっかりと覚えていた。
「それにね…」
ポケットの中でクリンが何か言っている。
「エルドのぬくもりと鼓動を感じられるからいいんだ!!」
えっっ!!!!
「な〜んてね!どきっとしたね!?もちろんジョーダンだよ!…ニシシッ!」
かわいい悪戯をくらってしまった。
「…本当は冗談じゃないけどね…」
何かつぶやいているようだけど…
「な、なんでもないわ。それより早く出発しよ!」
聞き返しても教えてくれなかった。
====================
「どこに行くのかと思えば…また懐かしい所に来たわね〜」
ボク達が来たのは家からちょっと離れた深い森。
「もう出会ってから15年もたったのね」
ここはボク達が出会った森。
「エルドもずいぶんと大きくなったよね」
それはボクがまだまだ5歳だった時のこと。
「ねえキミ、こんな所でなんで泣いているの?」
これはクリンと出会った時のこと。
「もしかして……キミ…迷子?」
ボクは両親とはぐれて森の中を一人でずっと彷徨っていた。
「あ〜キミ、アタシが森の外まで送ってあげよう!だから泣きやんで、ね!」
急に目の前に現れて、ボクを助けてくれた女の子。
「アタシ?アタシはピクシーのクリン!キミは?」
ボクの顔と同じ位の大きさの、人間じゃない女の子。
「エルドって言うんだね。じゃあいこっか……ってなんでついてこないの?」
たしかピクシーって悪戯が好きな魔物だったよね…と思っていたら
「あのねぇ…いくらアタシがピクシーだからって、泣きながら困っている自分よりも幼い子に悪戯はしないわよ…だからちゃんとついてきてね」
呆れながら、そう言ってくれた。…ん?自分よりも幼い?
「そうよ。アタシのほうがお姉さん。っていっても1つ上の6歳だけどね!」
同じ位の歳だと思ったのもあながち間違いではなかったみたい…
「………でね、その時にそのフェアリーの子がさ〜…ってあら?もうすぐ森の出口よ!」
クリンと楽しいお喋りをしながら歩いていたら、あっという間に森を抜けた。
「あっ!あそこにいる二人がエルドのお父さんとお母さんじゃない!?」
森を抜けて、ボクは両親と再開でき、泣きながら喜んだ。
「も〜嬉しいからってすぐ泣くんだから〜。やっぱりエルドは泣き虫だね!」
…はっきり泣き虫と言われてしまい、顔が真っ赤になってしまった。
「それじゃあね!もう森の中で迷子にならないようにね!!」
そう言って帰りそうになった彼女をボクは慌てて引き留めて、ありがとうという言葉と…
「えっ?なーに?…ふふっ、どういたしまして」
そして、ボクの友達になって、とクリンに言った。
「…うん!もちろん!!アタシでよければ!これからもよろしくねっ!」
こうしてボク達は友達になって、あの日まではほぼ毎日会って遊んだ…
=================
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想