「「ごちそうさまー!!」」
現在13時、ちょうどお昼ご飯を食べ終えたところだ。
なだらかに続く土で出来た道…その道の両脇にある生い茂った草木…心地よく吹く風……
別に特別何かがある訳じゃないけど、なんとなくこの道の景色を見ながら食べたかったのでお昼は朝作って置いたサンドイッチを木陰に腰を下ろしながら食べた。
「よっこらしょっと…じゃあ出発しよっか!」
「うん…」
今日の朝ジーナを出て、私達は親魔物領のテトラストに向かう事にした。
どうやらそこにはリリム、つまりアメリちゃんのお姉さんが居るらしいのだ。
私の旅の目的はただいろんな所を見てまわるものだし、特に困ってはいないのだけど……
「でもサマリお姉ちゃん、ホントにいいの?アメリがお姉ちゃんたちに会いたいって言ってるだけでサマリお姉ちゃんにはかんけいない事なのに…」
「一緒に旅しているアメリちゃんのお姉さんに会いに行くんだから関係ないとは言いきれないし、私もアメリちゃんのお姉さん達に会ってみたいから全然良いって言ってるでしょ?」
「うん…」
どうやら自分の都合に私を合わさせてると考えているらしく、アメリちゃんは朝からずっとこんな調子だ。
そんなに気にすることではないのに…アメリちゃんは優しいなあ……
「それに私はアメリちゃんと一緒に旅がしたいから一緒にいるんだよ。そんな関係無いとか寂しい事言ってほしくないなあ…」
「うん…そうだね。ごめんなさい」
「いいよ、謝らなくても。そのかわりアメリちゃんは元気でいてほしいな!!」
「うん…うん!!じゃあ行こう!!」
一応元気になってくれたので一安心。というわけで早速テトラストに向けて出発!
……………
…………
………
……
…
カァー、カァー……
「……全然たどり着かないね…」
「……そうだね…」
現在18時。
昼から一回も休まずにずっと歩き続けたのに一向にテトラストどころかチェックポイントも見当たらない。
ジーナからテトラストまでは基本1本道だが、ベリリさんいわく『ちょっと』距離があるらしい。
出発前にベリリさんに聞いたところ、ジーナからずっと南に歩いていくと途中から道路が土から砂利に変わるところがあるらしく、更にそのままずっと真っ直ぐ進めば流れの激しい川が見えてくるとのこと。その川の上流方向へ川沿いに進めばテトラストに到着するらしい。
なので私達はまずその砂利に変わるところと川をチェックポイントとして目指していた。
だが、まだ私達の足元には土の地面が存在している。
まさかこんなに距離があるとは……
「どうする?今日はここまでにする?」
「うん……もうへとへと……」
ぐうぅぅぅぅ……
「……」
「…///」
ぐうぅぅぅぅ……
「今日はここまでにしよう。アメリちゃん、テント出してね」
「うん///」
歩きっぱなしで疲れたし、アメリちゃんのお腹が壮大に鳴っているので今日はこの道を少し外れた雑木林の中でキャンプする事にした。
明日までにはテトラストにたどり着くといいなぁ…
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「お腹いっぱいになった?」
「うん!ごちそうさま!!」
夕飯を食べ終え、満足になったのかアメリちゃんはもの凄く可愛い笑顔を浮かべている。
昼ごろの思い詰めている顔とは大違いだ。やっぱりアメリちゃんには笑顔でいてもらわなければ。
「ねえサマリお姉ちゃん、なんでこんなにお料理上手なの?」
「なんでって…うーん、昔からお料理していたから…かな?」
アメリちゃんにどうして料理が上手いのか聞かれたけど…あんまり自分が料理上手だって意識はないからはっきりとは答えられない。確かに両親含めいろんな人達が上手って言ってくれるけど、普通に料理しているだけなんだよな…
「ふーん……じゃあアメリも明日からお料理いっぱい手伝う!!」
「えっ!?」
とりあえず納得してくれたアメリちゃんが私の料理を手伝うと言い始めた。
一応今は食器を出してもらったりテーブルを拭いてもらったりと食事の手伝いはしてもらっているが、料理そのものは私が一人で作っている。
だって8歳の子に包丁持たせるとか危ないんだもん。私が料理を始めたのは7歳だけど、何回指を切りそうになった事か。
だからあまり手伝わせたくはないのだが…
「だってアメリもお料理出来るようになりたいもん!!ダメ?」
必死に頼んでくるアメリちゃんの目は本気だ。そこまで料理が出来るようになりたいのだろう。
ここまで本気なら逆に手伝ってもらった方がアメリちゃんのタメにもなるかな。
「うーん…いいよ!ただし、お料理中はちゃんと私の言う事を聞いてね!」
「はーい!!」
なので私は手伝っても
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