終話 お話の終わりと新たな始まり

これは、まだ魔物と人間が互いに殺し合う程敵対していた時代の出来事。
小さな村に住む魔物狩りの青年と、人間が嫌いなバフォメットの少年のお話です。

好き勝手に人を殺し食べ回るバフォメットを、偶然居合わせた青年が妹と一緒に止めたところから始まった二人の因縁。
この日もまた、二人は名もない山道で闘っていました。
火の玉が降り注ぎ、剣で魔術を斬り裂いたり、水でできた龍が飛び交ったりと、それはそれは激しい闘いでした。

しかし、どんなに激しい闘いになろうと、二人の闘いの結果はいつも一緒。
魔術が飛び交おうが、地面が裂けようが、最後はいつもパンチやキックで闘って、互いの攻撃が互いにヒット。二人は仲良く気を失って倒れてしまいます。

今日も互いのパンチが見事に決まって、二人して倒れてしまいました。
青年の妹とバフォメットの部下の魔女が互いに連れ帰り、その日もまた決着がつかないまま別れました。

それが、長い長いお別れになるなんて、この時は誰も思いませんでした……



====================



「ん……くぁ……」

天窓から差し込む日差しに、俺は眠りから目が覚めた。
ここは親魔物領の村『ティムフィト』の村長の家の一室。そして現在は俺も住む家の寝室でもある。
その寝室にドンっと置かれた大きくふかふかなベッドの上で、俺はゆっくりと身体を伸ばす。

「ふぅ……あれ? ティマは……」

寝ぼけ眼を擦りながら、隣に眠る妻――いや、サバト的に言えば妹か――妹のティマのほうを向いたが……そこにティマの姿はなかった。

「もう起きたのか……んむっ!?」

今日は二人揃ってお休みだしもう少し寝ていると思っていたが、どうやらすでに起きているようだ。
昨日の段階で今日の準備はそこそこ済ませてあるし、動くのは昼からで問題ないが、起きたなら何かしらしているのだろう……なんて思った瞬間、下腹部にねとっとした感覚が走り、思わず変な声がでた。

「ちょ……おい!」
「んあ? あ、おはよう兄様」

まさかと思い布団を投げ飛ばしたら、やはり俺の股の間に寝間着姿のティマが居た。

「おはよう。まったく……寝込みを襲うなよ」
「仕方ねえじゃん。こんなにいきり勃たせたおちんちんが目の前にあるんだぜ? 弄るなって言う方が酷じゃねえか♪」

ティマは寝ていた俺の寝間着のズボンを下ろし、朝勃ちしていたペニスをそのモフモフの手で握っていた。ぷにぷにの肉球が根本を緩急付けてマッサージし、毛皮が鈴口をくすぐる感覚に、男根がビクンビクンと震える。先程のねとっとした感覚は、全体的に濡れているところからしておそらくその可愛らしい小さな舌で舐めていたのだろう。

「いや……本当にお前は寝込みを襲うの好きだなって。互いに休みの時は3回に2回ぐらいのペースで朝起きたらフェラされてるしさ……」
「まあ……兄様はそういうの嫌か?」
「う……嫌ではないが、不意打ち喰らった気分になるなと……なんか、勿体ないというか……」
「はは、何だよそれ!」

愛する伴侶に可愛らしくキョトンとした顔で嫌かと聞かれ、嫌だといえる人は果たしてどれほどいるのだろうか。少なくとも俺には言えなかった。
ただ、ティマはこっちが寝ている時に性的に襲ってくる事が本当に多い。以前指摘した時には「何百年もお預けされてたからか寝起きとかで頭がぼーっとしている時に朝勃ちで精の匂いを感じると歯止めが利かなくなっちまう」と言っていた。そう言われるともう何も言えなくなる。
ちなみに後から知った事だが、俺の初キスも初セックス前の気絶中に奪っていたとの事だ。そういった二人で共有したい物を、自分が知らないうちに済まされているのはちょっと空しくもなるのでできれば控えて欲しいが……現状からして難しいだろう。

「で、続きしていいか兄様?」
「はぁ……いいぞ。でも黒ミサの時以外に兄様は止めてくれ。ムズムズする」
「わかってるよタイト、からかっただけだ♪」
「まったく……」

にっこり顔で続きをしていいかと聞いてきたティマ。それに対し、俺は兄様呼ばわりされている部分に溜息を吐きながらも許可を下ろした。
駄目だと言ってもどうせ無理矢理されるし、そもそもインキュバス化して久しい俺が途中で止められて我慢などできない。だから中断させる理由がなかった。

「それじゃあ改めて……はむっ」

許しを得られたティマは、ウキウキとして俺のペニスをその小さな口で咥えた。

「んる、れろ、じゅる……んっ」

陰茎を肉球で扱きつつ、柔らかな舌で口内に含んだ鈴口を舐めるティマ。雁首を小さな牙で引っ掛けながら、尿道口を舌でなぞり攻める。
小さな女の子が赤黒く血管が浮き出るペニスを、まるで甘いキャンディでも舐めているかのように夢中でしゃぶっている様に、背徳感と興奮を覚え高ぶる。
[3]次へ
ページ移動[1 2 3 4 5 6..10]
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33