「ん……んん…………」
「あ、起きた〜? 良いよそのまま寝てても」
下腹部に走る気持ちの良い痺れを感じながら、オレは目を覚ました。
寝惚け眼を擦り、目の前に映るのは……産まれた時からいつも見ている我が家の自室と、愛しい女性の、ちょっと顔が赤らんだ可愛らしい笑顔だった。
いくつものつぶらな瞳が物欲しそうに俺を見つめている……そんな彼女の顔見ていたら、彼女の右手で寝起きの頭を抱きよせられ、潤んだ唇が寝起きで乾燥している俺の唇に触れた。
触れるだけの可愛らしい目覚めのキスだが……たしかに心地良いものだ。
「んん……んっ!」
「あんっ♪ もう出しそうなのね。このままいっぱい出していいよ♪」
そんな彼女の顔をジッと見ていたら、強い刺激が腰から頭に掛け抜けた。
下半身から感じる刺激は何かと思い視線を下に移動させたところ、そこには、硬く聳え勃つ自分のペニスが、愛しい彼女の硬い足……と言っても傷付く事などなく、普通の指と同じように柔らかな黒足に擦られていた。
じんわりとした痺れも、意識したからか大きなものとなり、射精感が込み上げてきた。
「んんっ! んぁ……」
「あんっ♪ 身体がアナタのでべたべた……♪」
そのまま我慢する事無く、彼女の黒く艶のある下半身に精液を噴き掛ける。
沢山ある足一つ一つに降り注ぎ、彼女を穢していく……
「おはようセーラ……今日も働いているね」
「おはようシモン。アナタの性欲処理が私の仕事だもん、朝から楽しく働かせてもらうわ♪」
そう、愛しの彼女セーラは人間ではない。
身体の上半身は人間女性のように見えるが、よく見ると耳は尖っているし、頭からは触角が生えている。それどころか下半身はまるで蟻のように黒光りな昆虫のものが生えている。
そう、つまりセーラは魔物である。
とはいえ、ここは親魔物領なので、愛しの妻が魔物というのは何も珍しくはないのだ。
「君はきっと種族一の働き者だ。誇りに思うよ」
「そうかな。きっとベッドの上なら皆旦那の性欲処理の仕事ぐらいしているよ。むしろそれしかしてないんじゃないかな?」
ちなみに、蟻のような下半身と言ったが、セーラはジャイアントアントではない。
ジャイアントアントにそっくりだが、よく見れば足は8本あるし、目も複数ある……そう、彼女はジャイアントアントに紛れて怠惰を貪る種族(とは言い過ぎな気がしなくもない)、アントアラクネだ。
「さてと、もっとお仕事しないと。まだガチガチだもんね……
#10084;」
「ああ、よろしく頼むよ」
そんな彼女が何故ジャイアントアントの巣穴では無く我が家に居るのかというと……出会いの頃まで話は遡る……
……………………
…………
……
…
「ふぅ……今日もいい天気だ」
彼女との出会いのきっかけは、とある日の午後の事だった。
「こういった日はゆったりと紅茶を飲むに限る……っておわっ!?」
「あーどもども。お元気ですかー?」
「……何しに来たお前……」
大きな窓から射し込む気持ちの良い午後の陽ざしを自室で紅茶を飲みながら浴びていたら、突然その窓から現れた小柄な人間と大きな蟻を足して2で割ったような黒い影。
「よいしょっと。別にいいでしょ? 幼馴染みが遊びに来るぐらいさー」
「遊びに来るのはいいが窓から侵入するのは幼馴染みはもちろんの事たとえ親戚でも良くないぞ」
「細かい事は気にしないの。いつもの事じゃん。気にし過ぎるとしーちゃん禿げるぞ」
「禿げないし気にし過ぎでもないししーちゃん呼ぶな」
「えーいいじゃんかしーちゃんはしーちゃんなんだからさ。私の事も昔どおりにあーちゃんって呼んでくれてもいいんだぞ!」
「断る。というかアイビー、お前は何しに来たんだ? 一人で来るなんて珍しいじゃないか」
その影の正体は……幼馴染みであるジャイアントアントのアイビーだ。この街の外れにあるジャイアントアント達の巣穴に大勢の家族と住んでいる。
街外れに住むジャイアントアント達はこの街や隣の街を中心に建設業を営んでいるので、街中でもよく見掛けるのだ。
その中でも彼女は、小さい頃から時々姉達の仕事についてきては抜けだし俺を含む街の子供と遊んでいたのでとても仲が良かった。その事もあり、こうして成長した今でもたまに彼女は家に遊びに来ては近況などの話をして去っていくのだ。
とはいえ、既に彼女は同じグループで遊んでいた別の友人と結婚しており、また真面目に仕事をしている事もあって最近はこうして乗り込んでくることも少なくなっていたので、彼女と会うのは久しぶりであった。
「いやあ、この家から50メートル先にある土地で今家を建ててるんだよ。丁度休憩時間だしこうして顔を出したんだよ」
「なるほどね。そういえば前の家主が王魔界に引っ越したとか何とかで
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