「きゃは♪おまたせ……ってなんか人数が減ってるわね」
「天使の夫婦、居ない……」
「あの二人は先にパンデモニウム……だったかな?なんかそう言うところに行きました」
「お姉ちゃんたちに助けていただきありがとうございましたって伝えといてって言われたよ!」
「えっと……そういう事でしたら……あの……大丈夫です……」
現在19時。
空が暗くなってきた頃、ようやく3人のリリム達が小屋に来た。
全員が全員同じような姿をしているが……よく見ると3人ともそれぞれ角の形状や翼の大きさなんかが結構違う。もちろんアメリちゃんとも差がある。
「えっと……それでお姉ちゃんたちは……」
「わ、私はトリーです!えっと……こう見えてもこの中では一番のお姉ちゃんだよ」
「きゃはっ♪アタシはロレン!好きな物は人間女性の魔物化!嫌いな物は性に無頓着な頭カッチン!よろしくねアメリ♪」
「キュリー。よろしく」
「うん!よろしくねトリーお姉ちゃん!ロレンお姉ちゃん!キュリーお姉ちゃん!アメリはアメリだよ!今8さいで、お姉ちゃんたちに会うために旅をしてるんだ!!」
それでも、トリーさんもロレンさんもキュリーさんもやはり顔はどこかアメリちゃんと似ている。
まあ姉妹なので当たり前ではあるが……もちろん性格のほうは今までがそうだったようにバラバラのようだ。
「それであなた達がサマリとユウロであってるわよね?」
「はい。私がワーシープのサマリです」
「そうですね。俺はユウロです。よろしくおねがいします」
「よろしく……」
私達も自己紹介が済み、全員がソファーに座った。
「そういえばサマリは人間から魔物になったのよね?」
「え?あ、はい。そうですよ。ユーリムさんに聞いたのですか?」
「そうよ」
時間が時間なので夕飯どうしようかな、アメリちゃんのお姉さん達も食べるのかな……なんて考えていたら、いきなりロレンさんに話を振られた私。
「やっぱり魔物の身体っていいでしょ?でしょ?」
「あ、まあ……丈夫ですし、旅をする中では魔物になって良かったと思う事も多いですね」
「だよね〜!やっぱり人間は皆魔物になるべきなのよ♪」
「み、皆はどうなんでしょう……」
魔物になって良かったと言ったら、やたら嬉しそうなロレンさん。
それどころか人間は皆魔物になるべきとか……
「ロレン姉は過激派……」
「何よ。別にいいじゃない。最終的にはオスは皆インキュバス、メスは皆魔物になるんだからいいでしょ?」
「えっと……強制は良くないよ?」
「トリーお姉様もキュリーもその考えが甘いのよ。お母様の理想に手っ取り早く近付くためには積極的に行かないと!デルエラお姉様みたいに大きな国の一つや二つ堕とす勢いで行かないとね♪」
どうやら過激な思想を持った人らしい。
前にアメリちゃんから、人間女性は全て魔物になるべきだとして女性を見たら積極的に魔物に変える過激派な魔物もいると聞いた事はあったが……ロレンさんもまさにその過激派なのだろう。
たしかアメリちゃんが私と会う前に会ったデルエラってお姉さんも過激派だったはずだ……リリムの中には、他にも過激派な人がいるらしい。
「それに強制って言うけど、アタシはどうしてもなりたくない理由がある人は変えてないわよ?100人中99人変えてるだけよ」
「それ、ほとんどじゃないですか……」
ロレンさんの場合は一応融通が利くみたいだけど……見つかった人間女性は魔物として強く生きてくれる事を願うしかないだろう。
「大体サマリだって魔物になってよかったって言うし、魔物化したら皆ハッピーじゃない!トリーお姉様だって夫の前の奥さんをグールとして蘇らせて喜ばれたんでしょ?」
「え、うん……そうだけど……」
「ん?前のおくさん?トリーお姉ちゃんにだんなさんがいるのは精のにおいがするからわかってたけど、お姉ちゃん以外にもだんなさんにおくさんいるの?」
「あ……うん」
たしかに魔物化してよかったとは思うけど……今となっては困った事もある。
おそらく魔物になったからここまでわかるのだと思うけど……先程から隣に座るユウロの匂いを嗅ぐと頭がくらくらしてきて、下半身が疼いてきてしまう。
ただ……だからといって勢い任せにユウロを襲う事は出来ないし、たとえ良くても私自身なんか嫌なので、なるべく会話に集中して意識しないようにしているのであった。
で、そんな会話の中で気になる話題が出てきた……トリーさんは既に夫がいるみたいだけど、どうやら妻はトリーさん一人じゃないらしい。
「あーまあ、確かに今までも複数の妻を持った人はいましたね」
「好きになった人が奥さんに先立たれた男性だったんだよねたしか。トリーお姉様も大変ねぇ……」
「私は2番目でもいいからと……そう、夫に……イリジさんに言い寄ったのです……」
「へ
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