ビュン!
風切り音と、
パシィッ!
肉を打つ生々しい音と、くぐもった男の呻き声。
「どうしたのアザン。こんなんで気持ち良いのかしら?」
何度も鞭打たれ、至る所にミミズ腫れができているのに、男は興奮していた。
全裸なのだ。股間を見れば解る。ヘソまで反り返る、グロテスクな陰茎が、雄弁に物語る。
それに、ここまで漂う“精”の臭い。
ユウリ以外の精の臭いなんて、鼻が曲がりそうだけど、ここから動けないので仕方がない。
「お姉ちゃん。あの男の人、きもちよくなってるの?」
興味津々といった感じのユウリが、小声で尋ねてくる。
「……世の中には、ああいった変態行為で興奮する人も居ます。アブノーマルで褒められたことではありませんが。だから、ユウリは決して真似しちゃダメですからね?」
「ふ〜ん、そっかぁ」
もみもみ♪
「くっ、ん
hearts;」
わたくしは――相変わらず胸をいじられていた。
きっと何を言っても止めてはくれないだろうから、もう何も言わないけれど。
そ、それに……ユウリのすることだから、別に嫌という訳でもないですし。
ああっ、でも、乳首コリコリはダメぇ
hearts;
「お前、乳首こぉんなに勃起させて。チンポもバッキバキじゃないか。ほんっと、変態なんだねぇ」
「うぅ……シィル様ぁ……」
アザンという男が、巨躯に似合わず情けない声を漏らす。
「弄って欲しい?」
「は、はい!」
「じゃ、犬ころみたいに鳴きな」
「ワンワンワン! アオ〜〜〜ン♪」
「あはは、本当に鳴いたよ。無様だね」
嘲りの言葉は容赦がないけれど、目許は存外優しげに細められ、そして口は淫靡な弧を描いている。
シィルは男に歩み寄り、革手袋をはめた手を伸ばすと――思いっきり、乳首をひねり潰した。
「んぎぃ゛ぃぃぃぃぃぃ!?」
豚の悲鳴と猿の発情声を足しでもしたような、そんな聞くに堪えない、悲鳴だか嬌声だか解らない声を上げ、アザンは涎を垂らし、ますます股間を滾らせる。
「気持ちいいかい? ほぅら、もう一回」
また、無様な悲鳴。
「……お姉ちゃん、お姉ちゃんもあんな風に強くしたら、気持ち良いの?」
耳元で囁かれた言葉に――わたくしは慄き、全神経が乳首に集中してしまう。
その浅ましい肉突起は、ユウリのちっちゃな指にそっと摘ままれており、今か今かと折檻を待ち構えている。
けれど、その恥知らずな肉柱を、まるで猫のノドを撫で上げるみたいにそろりそろりと擦り上げ、わたくしの制御を離れて猛る乳首を、なだめ、あるいはじらす。
「ね、きもちいいの?」
ごくり。のどが鳴る。
知らず行ったはしたない行為にハッとなり、わたくしは慌ててかぶりを振った。
「ち、違いますっ、わたくしは――」
「ダメだよお姉ちゃん、大きな声だしたら気付かれちゃう」
うながされた注意にまたもハッとなり、とっさに手で口を覆う。
そして、前方を恐る恐る伺えば、事態は推移していた。
アザンという大男は縛めを解かれ、目隠しはそのままに仰臥している。
シィルは巨漢の陰茎をブーツ越しに踏みつけながら、舌舐めずりして言い放つ。
「こんなにチンポおっ立ててさ! ほんと、お前は変態だよね!」
「ぐ、うっ、むぅ!」
愛撫と呼ぶにはあまりに乱暴で痛々しいそれを、アザンは受け容れ、声を上げる。
「お姉ちゃんも、乳首いっぱいいじめられて、ここ、こんなだもんね?」
パレオの下に手を伸ばし、そっと撫でたのは――痛いくらいに勃起し充血し、包皮をむきあげ顔を覗かせた、クリトリス。
「んンッッッッッッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
口を、手で覆いっぱなしにしてなければ、危うく絶叫を響かせていただろう。
「わぁ〜〜〜、あのお兄ちゃんみたいになってるね」
可愛い指が、わたくしの浅ましい欲望器官をいじる。
軽く指の腹で撫でるだけ。
もうそれだけで、わたくしの腰は砕け散り、地に膝を屈してしまった。
なんとか姿勢を維持したまましゃがんだので、背のユウリを落とすことだけは避けたけど。
それでも陰核いじりは止まらず、数度擦られ、
「くむぅーーーーーーーーーッッッ
hearts;
hearts;」
わたくしは――はしたなくもイってしまったのでした。
「ふ、ふ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ〜〜〜、ふぅ……」
呼吸を整える。
幸い、ユウリは指の動きを止めてくれた。
「あ、アイシャお姉ちゃんが大好きな、きじょーいだ」
その言葉を霞がかった頭で聞きながら目をやると、仰向けのアザンにまたがり、シィルの腰が陰茎を呑み込むところだった。
「くおぉッ!!」
上がる雄叫び。
漂う、精の臭い。
「なんだい、挿れただけでイっちまったのか。立派なのは見かけだけだねぇ。……これなら、この森に住むユウリって子の方
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録