ITEM#:1126
CODENAME:特殊工作員バーロー
Object Class:Safe
取り扱い方:#1126は湿度を高めに設定した温室に植えられ
脱走防止の為に#1126の周囲に設置した4本の柱に
それぞれ1本ずつ鋼鉄のケーブルで固定し
週に二度PM9:00に水やりを行って下さい
#1126の主張に対しては対象に気付かれない程度に適当にあしらって下さい
概要:#1126は羊の格好をした少女の器官を持つ植物です
この少女の器官を通じ意思疎通が可能です
羊の毛に見える部分は綿毛の様で風に乗せて遠くまで運ばれるようです
少女の器官の下には半透明の果実の様な物を蓄え
強烈な甘い匂いを漂わせていますが現在この果実を取る試みは
果肉の余りの硬さに全て失敗しています
この果肉の硬さは#1126は自在に調整出来るようです
#1126は#178の収容されている村の付近で#178-A個体の1体に
成り済ましているつもりの所を捕縛されました
#1126は自身を穏健派の特殊工作員バーローであると主張しています
穏健派と言う物に対しては#1126は『急進派に対しての穏健派』と納得し
あまり深い知識を持っていないようです
穏健派が何を意味するのか、そもそも存在するのかは未だ調査中です
#1126は常に脱走の機会を伺っており、果実や綿毛や自身の肉体で買収を試み
自身の身体検査は完璧ではないと挑発を行い
綿毛を飛ばして自身の居場所を外部に居ると思われる仲間に知らせようとしています
綿毛を飛ばす事への対策として湿度を上げて綿毛を飛ばさせない様にしています
#1126は時折数日間何も言わず沈黙する事が有ります
また水が与えられない場合特にそれが顕著になります
面談ログ1126-1
対象:#1126
面談者:ロードスター博士
序文:以下の面談は朝の水やりの直後に行われました
lt;ログ開始
gt;
ロードスター博士:こんにちわ、#1126
#1126は嫌そうにロードスター博士を睨み溜息を吐いて口を開いた
#1126:君の感覚では今は昼と言う事か、大した時間認識能力だね
エネミー29番君(#1126はこちらが番号で呼ぶので当てつけとして
適当にこちらに番号を割り振って呼ぶ事が有ります)
ロードスター博士:調子は如何です?
#1126:湿度が高くて居心地が良いね、幽閉の身だがこの程度は
バカンスを取っていると思えば苦痛は無い
ロードスター博士:何か記録しておきたい事はありますか?
#1126:投獄14日目、同志エージェント・メーロンとエージェント・ドゥラークが外で待ってる
我々が話しているこの瞬間にも、この施設の守りの穴を見つけているだろう
ロードスター博士:そのエージェントも穏健派とやらなのですか?
#1126:うん
ロードスター博士:・・・では次に、何故君は、あの君が見つかった村に居たのですか?
#1126:この世界を偵察するにあたって拠点にしようかと思った
私の完璧な変装を見破られるとは露にも思わなかったけどね
ロードスター博士:諜報員の割に、貴女は命令を明け透けに話しますね
#1126:あ
#1126はしまったと言う表情で固まった
ロードスター博士:・・・・・良く分かりました、有難う、今回はここま
#1126:(大声で)ちょちょっと待った!!今の無し!!ちょインタビュー止めて!!
lt;ログ終了
gt;
結論:#1126は時間の流れを正確に感じ取れる様です、後頭が余り良くない
補遺:#1126はこのインタビューの後拘束を解く為に毎日0000時に
その場で体を揺するようになりました
この試みは毎回ほんの数分間だけで収容への脅威は無いと考えられます
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