#005 赤い鍵

セキュリティクリアランス3以下の閲覧を禁ず

ITEM#:005
CODENAME:赤い鍵
Object Class:Euclid

取り扱い方:#005は#004の内部に保管されていますので
#004の取り扱いを厳守していれば#005は安全です

#004の警備に当たっている人員に#005の存在は隠すのは無理ですが
具体的に何かは伏せて下さい-第五室室長キーパー

概要:石造りの船にて#004と共に発見されました
#004は破壊不可能且つ魔力を通さない未知の金属で出来た宝箱です
#004には大量の鍵の機構が備わっていました
この機構自体は王室専属鍵職人曰く『鍵穴が多くて面食らったが
時間さえ有れば俺の弟子でも出来る』と言う物でした
#004の内部に#005と未知の文字で書かれた文書005-Aが入っていました
#005の実験で王室専属魔術会第六室室長、副室長、及び上級研究員7名
騎士71名、魔法使い35名が殉職となっており
これ以上の犠牲を出さない為に#005による実験は禁止になっています



以下セキュリティクリアランス5以上の方のみ閲覧可


詳しい概要:#005は掌サイズのほぼ一定の周期で色が変化する(発見当初は赤色
以後赤と青を周期的に変化し例外的に他の色に変化します)
丸い円盤状の形をした莫大な純粋な魔力の結晶体です
含有している魔力量は王国の測定法では測定出来ない程の魔力量です
もしも#005の魔力が全て解き放たれれば王国の国土■割が消失すると考えられています
しかし#005は非常に安定した物質で有り、魔力の暴走の危険は皆無です
一切の不純物が混じらず更に術式も使わずに魔力のみを固形にし
小型且つここまで安定した物体は魔術学的に有り得ない物です
#005から魔力を抽出する試みは文書005-Aに記載されていた方法を除いて
全て失敗しています


#005から魔力を移し変える方法の確立は不可能です
#005の魔力量は私達王室専属魔術会所属の魔法使い全てよりも
遙かに膨大です、そこまでの魔力コントロールは誰にも出来ません
文書005-Aを書いたタブリスとやら以外は-元王室専属魔術会第六室室長ケテルの研究日誌より抜粋


文書005-A

文書005-Aは真っ白い薄い紙に鉛筆で書かれていました
翻訳は速やかに行われ解読に成功しました
筆跡は丸っこく女性的です、以下がその内容です



最近罠が有ると警戒して宝箱を開けない連中が多い
確かに拾った宝箱を開ける開けないは 自 由 だけどさ
宝箱を置いた方としては宝箱を開けて欲しい訳だよ
そんな風潮が流行る中で開けてくれた君にプレゼントだ!!

ジャン!!赤い鍵〜、いや青い鍵〜
今何色になってる?まぁいいや
兎に角この鍵は別の世界への鍵になるのだよ
君達にはこの鍵を進呈しよう!!使い方はとても簡単!!
下に書いた説明通りに魔法陣をちょいちょいっと書いて
この鍵を指定された所に置くだけ!!それだけで別の世界への門が開くよ!!
そして退かせば別の世界の門は閉じるよ!!
やったね!!因みに門を開く時に置いた鍵の色は
門を閉じるまで変わりません
そして鍵の色毎に違う場所に行けちゃう!!
鍵が赤くなってる時に門を潜ると赤いのが
鍵が青くなっている時に門を潜ると青いのがそれぞれ出迎えてくれるよ!!
偶に紫色や桃色とか色んな色になったりするよ!!
紫のは特に凄いよ!!是非楽しんでね!!

 自 由 なタブリスより
(署名と見られる物の横にはデフォルメされた似顔絵の様な物が書かれている
特徴は角が生えているアルビノの特徴を持った少女)

以下文章に有った魔法陣の説明がなされるが省略する




#005は異世界への門を開く鍵では無く唯の莫大な魔力の塊です
しかし#005-Aで解説されている#005の魔力をコントロールし
異世界への門を開く魔法陣以外では
使用不可能です、どんな異世界に繋がるか予測も出来ませんし
使用するのは如何かと思います-#005研究チーム上級研究員ブラウン

却下する、異世界侵攻は現在の我が国の方針である
異世界侵攻での異世界の原住民による抵抗は全て打ち倒せ
その力がお前達には備わっていると強く信奉する-大臣グデラス



王国暦20■■年3月24日
王室専属魔術会の実験施設サイト093にて第六室から選出された研究チームが
文書#005-Aに書かれていた魔法陣を用いて異世界への扉を開ける実験を行いました
実験は計4回行われ以後の実験は禁止になっています

#005-1実験報告書
#005の色:青
執筆者:ケテル・ヘル
日時:3月24日〜3月29日

初めての#005の実験、魔法陣を描き指定された通りに#005を置き魔法陣が作動
我々の技術より遙かに早く滑らかに異世界への門が
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