喰ってるだけで色気なんて出る訳ないだろ

沢山野菜が取れすぎると廃棄しなくてはならない。
全く持って困った話だが農家に生まれたら仕方が無い。
伽別 太郎は悶々としながら廃棄キャベツをより分けていたのだが・・・

「むーしゃむーしゃ」
「・・・・・」

顔が少女のデカい芋虫が廃棄キャベツを食べている。

「じさまー!!」

太郎は村の長老に助けを求めた。

「なんかデカい芋虫がキャベツ食べてるぅ!!」
「芋虫位で騒ぐな、 生娘か」
「兎に角来てー!!」
「全く・・・」

長老が太郎のキャベツ畑に行くとお腹が満たされたのか
芋虫娘はスヤスヤと寝息を立てていた。

「これはでっかい芋虫だのぉ・・・」
「どうする!?」
「うーん・・・」

長老は持っている杖でつんつんと芋虫娘を突いた。

「にょーん・・・」
「ぬうう・・・力が抜ける・・・」

芋虫の触覚からの匂いで力が抜ける長老。

「うーむ・・・とりあえず何処かに隔離するか・・・」
「何処かって?」
「納屋にでも置いておくべ」
「んだ・・・」

芋虫娘を運ぼうとすると触覚の匂いで力が抜けて運べなかった。

「如何すれば良いんだぁ・・・」
「お腹空いたにょー、 ごはんー」

再びキャベツを食べ始める芋虫娘。

「どうするべかー・・・」
「うーむ・・・ここは食べ物で吊るべー」
「キャベツに霧中なのにどうやって?」
「何か旨いキャベツ料理有るべ」
「あー、 あるある」

太郎は家から塩キャベツを持って来た。
塩キャベツはとても美味しい、 至高である。

「しょっぱくておいしー」

芋虫娘も大満足である。

「今だー、 移動するべー」
「おー」
「待ってー」

芋虫娘を誘導する太郎達、 だがしかし

「疲れちゃった・・・おやすみー・・・」

芋虫娘は途中で眠ってしまったのだった。

「ぐぬぬ・・・・・」

困り果てる太郎だった。





そんな事を繰り返していると愛着も沸くもので太郎は
キャベツを与える代わりに畑番を芋虫娘にさせる事にした。
まぁこんな芋虫が居る所に好き好んで近寄る獣は居ないのだが。

「たろー、 今日は猫ちゃんだけだよー」

猫には懐かれている様である。

「そうか、 それは良かったな」
「うにゅー」

太郎は畑仕事を終えて家に帰ろうとする。
すると芋虫娘がくっついてくる。

「なんだ?」
「今日はお空がちょっと怪しいからたろーのおうちで雨宿りするにょー」
「勝手な・・・」
「駄目なにょ?」

首を傾げる芋虫娘。

「まぁ良いか、 あんまり騒がしくするなよ」
「にょー♪」

芋虫娘はるんるん気分で太郎の家に行った。





太郎の家に行くと芋虫娘は塩キャベツを食べながらテレビを見ていた。

「にょにょにょー、 馬鹿だねぇ」

テレビの中の芸人を笑う芋虫娘。

「こうしてみると普通の娘みたいだな・・・」
「何か言った?」
「いや、 何でも・・・」

芋虫なのに人間の生活にマッチしているのがとても奇妙に思えた。

「もうこのおうちに永住するにょ」
「おいおい・・・馬鹿を言うなよ」
「にょ?」
「俺にも生活が有るんだから・・・」
「お手伝いするにょー」
「お手伝いなぁ・・・例えば?」
「お風呂で背中流すにょ」
「風呂入るのか?」
「にょー、 お風呂きらいー」
「じゃあ駄目だな」
「じゃあ抱き枕になるにょー」
「抱き枕ねぇ・・・」

芋虫娘はぷにぷにして柔らかいから抱き心地は良いだろう。

「うーん、 じゃあ一度寝てみるか」
「にょー♪」

芋虫娘を抱いて眠る太郎。

「力が抜ける・・・」
「にょーん♪」

脱力の匂いで安眠して眠る事が出来た。






こんな感じで安眠する事が出来る為
芋虫娘との生活は自宅で過ごす事も多くなった。

「そろそろ冬だなぁ」
「むーしゃむーしゃ」

塩キャベツを食べる芋虫娘。

「塩キャベツ好きだなぁ・・・」
「にょー・・・」

ウニョニョと太郎にくっつく芋虫娘。

「如何した?」
「にょーん・・・ぷしゅるうううう」

糸を吐いて繭を作り始める芋虫娘。

「!? な、 何だ!?」
「暴れちゃだめー」

触覚の匂いを嗅がせる芋虫娘。

「力が抜ける・・・」
「にょーん♪」

繭の中に閉じ込められた太郎と芋虫娘。

「おい一体如何するんだよ・・・」
「たろーすきー」
「はぁ・・・」
「だからねたろーのお嫁さんになるの!!」
「?????」
「だからね匂いでめろめろになってね」

触覚の匂いを嗅がせる芋虫娘。

「?????」

通常魔界の果物や野菜を摂取する事で男性を誘引する作用が有る
分泌液が出るのだが塩キャベツばかり食べて来たので
芋虫娘の触覚は力が抜けるばかりである。

「何か疲れた・・・寝る」
「にょー(焦」

芋虫娘は困惑した。
てっきり繭になってさえしまえばラブラブエッチな事
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