先輩のお礼をした週のゼミ終わり
「先輩がお前の快気祝いの食事会をやるそうだ」
赤井先輩がいきなり提案してきた
「そんな大げさな」
「これは決定事項で欠席は厳禁だ」
しかも提案ではなく、既定だ
「・・・わかりました、いつですか?」
「候補日は2つあって、どっちも夕方からで、都合のいい日を・・・・」
手帳を開き、候補日を指し示す
「このふたつなら・・・・・○○日がいいですね」
「分かった伝えておく」
「場所は?」
「先輩の家だ」
「え・・・そうですか」
「言いだしっぺだからもてなしたいそうだ、先輩のマンション入り口に手土産持参で××時に集合」
「手土産ですか・・・」
「ああ、松井は主役だが、招待されもてなされるゲストだから持っていく必要がある」
「そうですか・・・何がいいでしょうか?」
「こういうのは初めてか・・・」
「はい」
「そうだな・・・」
腕を組み考える先輩
「・・・食べ物、中でもお菓子が無難だな、高いものでなくてもいい」
「お菓子・・・・ケーキとか」
「あとは食事会だから、そこで食べる惣菜、おかずを持っていくとか」
「おかず・・・ですか、いいですね」
「この前のおじやのお返しにいいんじゃないか?」
「そうですね、でも・・・・」
だんまりの意味を理解し先輩が言う
「まったく料理できないわけではないだろう?」
「まあ」
「それに簡単な調理で立派なおかずができるチルド食品、調味料が売っている」
「いいんですか?そんなので」
「逆に聞くが、そんなものくらいしか作れないのだろう?」
さらっとひどいことを言うが簡単な調理しかできなので言い返さない
「はい」
「その場で食べきれるちょっとしたものでいいから作ってみろ、これも経験だ」
「わかりました、なんか作ってみます」
ということで快気祝いの食事会が小泉先輩の家で開かれることになった
食事会当日 夕方
赤井先輩と僕は料理を一品持って先輩の家に来た
「こんばんは」
「失礼します」
先輩の家にあがる
「こんばんは、さ、あがってあがって」
エプロン姿の小泉先輩に出迎えられる
中に入る
一人暮らし用の大きくないテーブルにはすでに料理と食器が並べられていている
「先輩気合入ってますね」
「まあね、松井君を思えばこれくらい」
そういいながら盛り付けた料理を台所から持ってきた先輩
もう置く場所がない
「僕たちの手土産の料理は出番ないですね」
「えっ、えっ作ってきたの」
驚く小泉先輩
「はい、・・・赤井先輩伝えてなかったんですか」
「先輩へのサプライズになるだろうと思って伝えなかった」
「まあそうなの、盛りつけるから出して」
嬉しそうな小泉先輩
「えーと・・・・」
タッパーを渡す。
それを受け取り中身を確認する先輩たち
「かぶってしまって・・・・」
僕が作ってきたのはポテトサラダ。
ちゃんとジャガイモ、を茹でるところから作っている
僕の中では切って、茹でて、混ぜるだけの簡単な料理
しかも既存の製品を使用しなくて済む
赤井先輩から市販の加工品を使ってもいいと言われたが、やっぱり使いたくなかった
ミックスベジタブルは使ったけど
話を戻すと、テーブルには小泉先輩が作ったジャガイモをつぶさないタイプのポテトサラダが置いてある
ゆで玉子やオリーブの実、たまねぎ、ブロッコリーなんかが入ったおしゃれなポテトサラダだ
「気にしないで、ありがとう」
先輩は食器棚から小鉢を取りだし盛り付けはじめる
「リーシャは何を?」
「私はケーキを買ってきたました」
赤井先輩はビニール袋からケーキの入った箱を取り出す
「ありがとう、・・・・これこの間言っていた店の・・・」
小泉先輩は箱にプリントされた店のロゴを見て驚く
「はい」
「うれしい、ありがとう」
「この店は行列が絶えない人気のケーキ屋で、食べてみたいと先輩が仰っていたので買ってきました」
赤井先輩はケーキの入った箱を小泉先輩に渡しながら僕に説明する
「先輩はケーキ買ってきたんですか?」
「料理を作る時間がなかったんだ、私たちは手を洗ってこよう」
「・・はい」
「それでは松井君の風邪が治ったのを祝ってかんぱーい」
赤井先輩の音頭でささやかな食事会が始まった
「どんどん食べてね」
「おいしいです、このから揚げ」
赤井先輩がから揚げを食べて目を丸くしている
「特製スパイスを使ってるの」
「この味は初めてです」
感動するほどのから揚げとは
僕も一口から揚げをかじる
「・・・・!」
肉汁があふれ出し、うまみが口に広がる
程よい塩味、辛すぎないスパイスが肉によくなじんでいる
そしてスパイスの香りが食欲を刺激する
「うまい」
先輩たちがこちらを向く
「うまいです、売れますよこれ」
「それは褒めている
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