「本当にもう、ここ最近は踏んだり蹴ったりですわ!!」
時間はやや遡る……ジョゼフに撤退を勧められ、ネルカティエ城地下に用意された専用の研究室に転移したネフレン=カ。
不思議の国制圧に用意した特製のアンドロイドが全て破壊された事に、怒りを露にしつつネフレン=カは地上に繋がる階段を上る。
異世界から紅蓮達を召喚してから今日に至るまでの三ヶ月、その間に起きた想定外の事象はネフレン=カにとって許し難い事ばかりだ。
異世界から召喚した紅蓮と一心の離反、召喚とほぼ同時期に現れた魔物側の勇者、次々と破壊されるアンドロイド。
それだけなら額に青筋を浮かべながらも笑っていられる範囲だが、ネフレン=カにとって何より許せないのが魔物側にマキナが現れた事だ。
「絶対に真似されないと思っていたのに、真似されるなんて……くぅぅぅぅ!!」
新兵器というのは敵に真似されるのが常である。
生粋の鍛冶職人たるドワーフやサイクロプス、貪欲な知的探究心を持つリッチが居る以上、この世界の技術で作った新兵器は何れ魔物に真似されてしまう。
故に、ネフレン=カは魔物に真似されない、真似出来ない新兵器を只管求めていた。
魔物に真似出来ない、魔物を一人残さず滅ぼす事の出来る新兵器を求めるネフレン=カは、ソレを異世界の知識や技術に求めた。
異世界の知識や技術で作った兵器なら魔物でも真似出来ないだろう。
そう判断したネフレン=カは異世界へ……紅蓮達の世界に跳んだが、予想に反して彼等の世界の兵器は何れ魔物に真似されてしまうであろう物ばかり。
何れ技術が進めば作れる物ばかりの異世界にネフレン=カは苛立ちながら、それでも何か魔物の真似出来ない物はないかと探し続けた。
そして、ネフレン=カは気紛れに立ち寄った本屋で求め続けていた物を見つけた。
ソレはガン○ムやマ○ンガーZ、ライン○レルといったロボット漫画であり、ロボット漫画の並ぶブースを見たネフレン=カは『コレだ!』と閃いた。
紅蓮達の世界でも空想の産物に過ぎない巨大ロボット。
この世界で仕入れた知識と技術だけでは無理でも、自分の世界の技術を併用して作れば。
閃きは急速にネフレン=カの脳内で形を成し、脳内で形成されるプランにネフレン=カは邪悪な高笑いを―その際、周囲の客にドン引きされたのは言うまでもない―上げた。
ヒントを得たネフレン=カは喜々としてロボット漫画やその考察本、資料本等を買い集め、大量に買い集めたソレ等を手に元の世界に戻った。
元の世界に戻ったネフレン=カは買い集めたロボット漫画等を隅から隅まで読破し、その内容を基に巨大ロボットの設計・開発に取り組んだ。
漫画から取り入れた嘘科学を此方の世界の技術や魔術で補って誕生したのがマキナであり、その過程でアンドロイドが生まれた。
マキナとアンドロイドの試作機の完成後、ネフレン=カは魔物も住まない南の最果ての地で運用試験を繰り返しつつ改良を加えていった。
結果、アンドロイドは少ない資材で量産が可能となり、量産化は見送ったもののマキナも実戦運用に耐えうる代物となったのが今から五年前の事である。
「マキナとアンドロイド、この二つで漸く私の悲願が達成出来ると思ったのに、どうしてこんな事に……」
マキナとアンドロイドの完成から五年……悲願に向けて劣勢を挽回していたのが、紅蓮達異世界組と魔物側のマキナの登場で挽回した分が帳消しにされつつある。
「私のマキナを超えた未知のマキナにゴミ共と協力する異世界の住人、あの能力の高さのルーツは一体何処なの……?」
レスカティエ奪還戦で確認された、ネフレン=カ製のマキナを上回る性能を持つ魔物側のマキナと、ソレを操縦する異世界組の戦闘力。
この二つが魔物の殲滅に於ける最大の障害だが、同時に疑問が生じる。
魔物に真似出来ない新兵器を求めて紅蓮達の世界に跳んだネフレン=カは、彼等の世界の技術や文化を知った。
魔物が存在しない人間だけの、魔術が存在しない代わりに機械の発達した世界。
そんな世界の住人である紅蓮達異世界組は本来存在しない筈の魔術を修め、主神の加護を受けた勇者すら歯牙にもかけない破格の戦闘力を持つ。
紅蓮達が操縦するマキナもそうだが、彼等の戦闘力のルーツは一体何処なのか?
身体能力だけなら鍛練で何とかなるかもしれないが、本来なら存在しない魔術を紅蓮達は一体何処で、誰から学んだのか。
その着想こそ紅蓮達の世界ながら此方の世界の技術で作られたマキナを、紅蓮達は何処で手に入れたのか。
考えれば考える程、ネフレン=カの思考は底無し沼に沈むが如く、深く深く沈んでいく。
―ゴンッ!
「あ痛ぁっ!?」
思考の迷宮に迷っていたが故にネフレン=カは地上に繋がる扉に額を思いっきりぶつけ、額を摩りながら彼女が扉を開けると何やら騒がしい城内が目に入る。
「ね、ネフレン
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