「取り敢えず落ち着いたし、先ずは再契約だ」
突然消えた魔法陣に呆然としながら、地下基地の司令室に戻った俺達。
其処で改めて俺が死んでから復活するまでの事を聞いた俺は、クトゥルフとハストゥールとの契約を移すべくシャッドを手招きする。
「……そう言えば、契約の移行ってどうすんだっけ?」
「……ごめんね、シャッドもワかんない」
が、契約の移行の仕方が分からない俺とシャッドは揃って首を傾げ、アンリ、『通り魔』、ドクター・カーウィンの三人は盛大にずっこける。
「契約の移行は簡単よ……ほら、手を合わせて」
「ん、こうか?」
首を傾げる俺達に苦笑しつつハストゥールが現れ、俺とシャッドは手を合わせる。
「見つめ合ぁ〜うとぉ〜すなぁ〜おにぃ〜おしゃぁ〜べりぃ〜できぃ〜なぁ〜いぃ〜♪」
「其処、黙れ」
手を合わせ、ジッと見つめ合う俺とシャッドだが、うるせぇぞドクター・カーウィン。
すると、シャッドの手から魔力が俺に流れ込んでくるのを感じ取れた。
「これで再契約は完了、折角だから私達とシャッドの契約はそのままにしておくわ」
「おぉ! アリガト、ハストゥール!」
契約の移行が終わった後、シャッドとの契約をそのままにしておくというハストゥールの言葉に、シャッドは満面の笑顔で礼を言う。
そいつは助かる……恐らく、次の戦いが俺達とセラエノ攻略隊との決着になるだろうし、戦力アップは素直に嬉しい。
「さて、貴方方の契約の移行が済んだ所で今後の事を検討したいのですが……問題は二つ、セラエノ攻略隊の行方とあの謎の力の正体です」
俺とシャッドの契約の移行を見守ってたアンリが今抱えてる問題を告げ、その言葉に俺達は深く溜息を吐く。
そう、セラエノ攻略隊との決戦を控えた俺達は二つの問題を抱えてる。
一つはセラエノ攻略隊の行方。
戻った後で気付いたんだが、あの時……セラエノの上空に浮かんでた魔法陣が消えたのと同時に、三キロ程離れた位置に居た百足型も何処かに消えた。
俺達より先に司令室に戻ってたアンリは百足型の消失を知ると即座に各地に連絡、百足型を発見したら此方に連絡を入れるように手配したが、まだ連絡はこない。
まぁ、直ぐに直ぐ見つかる訳でもないし、コレは後回しでも大丈夫だ。
問題は残る一つ、アレスタと俺を葬り、俺達を襲ったあの魔法陣だ。
瀕死の重傷―アレが重傷と言えるのかは疑問だが―を負ってたとはいえ、あのアレスタを一瞬で消し飛ばしたグロウスの謎の力。
アレが何なのかを調べ、対策を立てない限り俺達の勝利は遠い……分かってるのは圧倒的な破壊力を持ち、あのクトゥルフに『厄介』と言わせる程の何か、という事だけだ。
クトゥルフとハストゥールが知ってるって事は、魔法陣に描かれた触手目玉は若しかして神族なのか?
「なぁ、ハストゥール」
「言わなくても分かっているわ……私達はあの魔法陣について知っているし、連中の行方も予想がついている」
あの魔法陣について聞こうとした瞬間、俺の言葉が分かってたようにハストゥールがアレの正体、オマケにセラエノ攻略隊の行方も知ってると答える。
おぉ、それなら話が早い、早速教えてもらうとしよう。
「先ず、あの魔法陣だけど……アレはロイガーとツァールの紋章、ロイガーとツァールは立場的には現神、旧神どちらにも属さない双子の中立神よ」
「アレで神なのですか? アレでは怪物としか言いようがありませんわ」
その言葉にアンリが呆れたように呟くが、気持ちは分かる……あんなマジでキモい触手が生えてんのに、神族の一員なのかよ。
んで、ハストゥールの話をまとめるとこういう事だ。
ロイガーとツァール……立場的には現神と旧神どちらにも属さない双子の神格で、暗緑色の巨大な肉塊に無数の触手が生えた姿をしており、肉塊の真ん中には目玉が一つ。
そんな怪物じみた姿をした双子が中立なのは、その気性からだ。
視界に入ったモノは徹底的に破壊しようとする破壊衝動の塊、神族にすら喧嘩を仕掛ける神族一の問題児。
旧世代最初期の頃は一切合切問答無用で破壊の限りを尽くしてたが、先代の主神に封印され、今も封印されてるそうだ。
因みに、ロイガーが弟でツァールが兄との事。
だが、封印されてても動けないだけで破壊衝動は健在だから、己の事を調べて封印された地を訪れた者に契約を持ち掛け、契約者に破壊衝動の発散を代行させてるらしい。
契約した者は圧倒的な力と超常的な再生力を……何もかも壊し尽くし、自らは契約してる間は壊れる事の無い、まさに破壊に特化された存在となる。
事実、過去ロイガーとツァールと契約した者は神族ですら手を焼く程に強く、契約で得た力に耐えきれず自滅するのを待つのが最善策だとハストゥールに言わせる程だ。
「ロイガーとツァールは、アラオザルという湖の底に封じられているわ。ドクター、少し端末を動か
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