File.11 The beacon of the counterattack with the morning sun

「カーウィン、タノみがあるぞ」
「頼み、であるか? 内容次第ではあるが、貴様の為になるなら聞いてやるのである」
「えっと、ね……マジュウを、シャッドにもツカえるマジュウをツクってホしいの」
「「何?」」
ドクター・カーウィンの激励で戦う意思を取り戻したシャッドは彼に魔銃を作ってくれと頼み、彼女の頼みに二人は驚く。
二人の知るシャッドの戦いは剛拳で全てを捻じ伏せ、叩き潰す……良く言えば豪快、悪く言えば力押しのパワーファイトだ。
そんなシャッドの『魔銃を作ってくれ』という頼みは、あまりにも意外だった。

「まぁ、大! 天! 才! の我輩に作れん物は無いのであるが、何故に貴様が魔銃を?」
大天才を自称する以上は作れるとドクター・カーウィンは言うが、シャッドの意外な頼みの意味を問い、『通り魔』も彼の問いに頷く。
「えっと、ナンでだろ? よくワかんないけど、マジュウがホしいなぁってオモったの」
「何だ、ソレは? そんな曖昧な答えで俺達が納得すると」
「理由は私から説明するわ」
自分でも分からないと答えるシャッドに『通り魔』が明確な答えを求めようとした瞬間、シャッドの右手の甲から理知的な声が響く。

「ふぅ、漸く顕現化出来たわ」
「漸く、バイパスが繋がったのぉ」
『あっ』
シャッドには聞き覚えがあり、ドクター・カーウィンと『通り魔』には聞き覚えの無い声が医務室に響く。
見れば、シャッドの手の甲に紋章が浮かび、紋章から小さくとも現神の威厳と貫録溢れるクトゥルフとハストゥールの分身が現れる。

「クトゥルフ、ハストゥール!? ナンで、シャッドのテから!?」
二柱の現神が自分の手の甲から現れた事に、シャッドは当然の疑問をぶつける。
「当然の疑問ね……あの時、死ぬ間際に太陽が貴方に契約を移行するように命じたの」
「今の我等の主はお主なのだ、シャッドよ。魔銃を求めるのも、我等の存在があるが故ぞ」
突然現れたクトゥルフとハストゥールは何故シャッドの手の甲から現れたのか、シャッドが何故魔銃を求めたのかを話す。

『契約主・本洲太陽が命じる……この契約、我が愛しき地竜へと移行する。その力、我が愛しき地竜の為に使え』

あの時、太陽がシャッドを庇って死ぬ間際、彼はクトゥルフとハストゥールに命じた。
クトゥルフとハストゥールとの契約をシャッドに移す、と。
クトゥルフとハストゥールの力をシャッドの為に使え、と。
契約主の命は絶対であり、その命に従ってクトゥルフとハストゥールはシャッドに契約を移行したが、契約の移行で太陽と繋がっていた魔力バイパスが途切れてしまったのだ。
その為、クトゥルフとハストゥールは太陽の魔力に混ざっていたシャッドの魔力を基に、新たな契約者である彼女に合わせた魔力バイパスを形成。
ソレが漸く繋がった事で、こうして分身を顕現させる事が出来たのだ。

シャッドが魔銃を求めたのは、クトゥルフとハストゥールの力を制御する為。
クトゥルフとハストゥールの膨大な力の制御……その力に指向性を与えるには銃が最適だ、と太陽は証明した。
然し、太陽が錬金した器は『武装生成』で魔力を元に創り出した物である故に、シャッドにはクトゥルフとハストゥールの力を制御する術が無い。
その為、シャッドは制御する術として無意識的に魔銃を求めたのである。

「ふぅむ、成程……然し、物理的・科学的に神の器を創るとなると並大抵の物では魔力に耐えられんのであるからして銃身の素材は高純度のミスリル合金いやいやミスリル合金は魔力伝達率には優れるものの耐久性に若干難があるので銃身にはアダマンタイトであるがアダマンタイトは希少金属(レアメタル)且つ硬くて重いので銃身をフルアダマンタイトにすると加工とコストと整備性と重量と問題が山積みに……」
クトゥルフとハストゥールの説明に納得し、頷くドクター・カーウィン……神の器を創る事に技術者魂が疼いたのか、頷いた直後にブツブツと何やら呟き始める。
「な、何ぞ、こやつは? 急にブツブツと呟き始めおったぞ?」
「技術者というのは、時代が変わっても本質は変わらないものね……」
眉間に皺を寄せてブツブツと呟くドクター・カーウィンの気迫にクトゥルフはたじろぎ、ハストゥールは顔を引き攣らせる。

「ま、まぁ、こやつは放っておくとして……シャッドよ、クティラはどうしておる?」
「クティラ? そう言えば、此処に引き渡してから、アイツはどうなったんだ?」
「シャ、シャッドもワかんないよぉ」
ブツブツ呟くドクター・カーウィンを尻目に、クトゥルフと『通り魔』はクティラの事を尋ねるが、シャッドはクティラの事は分からないと答える。
「まぁ、貴様に答えを期待してはいなかったが……エドワードとか言ったな、あの執事に聞いてみるか」
その答えに溜息を吐いた後、『通り魔』はエドワードから渡
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