幕間 温泉街・暗殺者と祓師と武闘家と

はいはい、皆様!
我輩が語る、東方魔恋譚も三組の恋物語を語ってきたよ。
だ・か・ら、ここらでちょっと寄り道といこうじゃないか。

コレから語るは、後日談!
元・殺し屋のアルト君と、ぬれおなごの一媛ちゃん。
祓師の一堂君と、ウシオニの陸童丸ちゃんに大百足の百音ちゃん。
武闘家カラステングの黒鉄ちゃんと、弟子兼旦那の竜太郎君。
この三組を交えた後日談、所謂クロスオーバーってヤツさ!

この後日談の舞台はアルト君が一媛ちゃんの元に戻ってきてから一ヶ月後のヤマト。
すっかり冬一色に染まった温泉街で、どんな後日談が語られるのか!
それでは、後日談の開幕だぁぁぁぁぁぁぁっ!

―温泉街・暗殺者と祓師と武闘家と―

〜礼牙一族庇護下の街〜
「うぅ、寒い……すっかり、ジパングも冬になったなぁ」
俺……礼牙一堂は、すっかり冬一色になった街並みを見て、肩を震わせた。
ジパングでの初仕事を成功させた俺は大陸に戻らず、そのまま祖父ちゃん……礼牙一徹の屋敷に居候してた。

『お前は、礼牙一族の頭首となる男ぞ。その頭首が、先祖代々受け継いできたこの土地を、離れるつもりか?』

と、祖父ちゃんが言うもんだから、大陸に帰れなかったってのもあるが。
「そうか? オレサマは、そんなに寒くないぞ?」
「私も、陸童丸に、同意」
俺の言葉に首を傾げるのは、俺の最愛の奥さんである、ウシオニの陸童丸と大百足の百音。
そりゃ、お前等は年がら年中、ほぼ裸だから寒いのに慣れてるからだろ。
こちとら人間……あ、そう言えば俺、人間止めちまったんだった。
陸童丸と百音と毎晩濃密に交わってた所為か、タップリと魔力(と百音の毒)を浴びた俺は見事にインキュバス―精力絶倫、魔物の夫に相応しい半人半魔だ―化したんだよ。
まぁ、インキュバス化と言っても、大した問題はねぇけどさ……精々、毎晩愛する奥さん二人に、しこたま精液を搾り取られて寝不足頻発ぐらいだ。
余談だけどさ、俺のインキュバス化が発覚した時、思わず

『ジョジョォォォォォッ、俺は人間を止めたぞぉぉぉぉぉぉっ!』

と、叫んじまって、陸童丸と百音が生温かい目で俺を見てたなぁ。
因みに、ジョジョってのは俺が大陸にいた時の数少ない友人の一人だったジョルジュ・ジョッシュのあだ名、典型的な魔物嫌いの聖騎士で、アイツは今どうしてるかなぁ。

祖父ちゃんの手紙を受け取ったのが籠手月の真ん中辺り、陸童丸達と出会ったのが長槍月(八月)の始めで、今は大楯月(二月)だから……早いな、もう半年近くも経ったのかよ。
「腕は立つけど、妖怪二人を奥さんにした変わり者祓師」、ソレが周りからの俺の評価だ。
奥さんになる前の二人に強姦紛いの初体験して、ソレが原因で旦那認定され、一族公認の夫婦になって、インキュバス化して……たった半年で変わり過ぎだろ、俺。

「ちょいと、ちょいと、其処の兄ちゃん! コレ、やってきまへんか?」
「んぁ?」
ちょっぴり回想に耽っていた俺を現実へと呼び戻した声の主を探すと、俺の左斜め前方になにやら商売中の刑部狸。
「俺か?」
「せやせや、ウチが呼んだのはアンタやで。んで、コレ、やってみぃひん?」
そう言いながら刑部狸が指差したのは直径一尺半(四五センチ)程の大きさの丸い板、その板は何色かに色分けされている。
んん? 何だろ、俺はコレに似た何かを何処かで見た覚えが?
「コレ、大陸の『ダーツ』っちゅう遊びを取り入れた、新しい福引や。折角、ウチが考案したんに、誰もやってくれへんのや」
「『だあつ』? おい、一堂、『だあつ』って何だ?」
陸童丸の疑問で、俺は漸くコレが何に似ているのかを思い出した。
ダーツ、懐かしいなぁ……よく同僚達と賭けダーツ―主に酒場の支払いを賭けて―やって、よく俺が支払わされたっけ。
畜生、思い出したら腹が立ってきたぜ。
ダーツが何なのかを陸童丸と百音に説明してると、
「話は終わったんかいな? 折角やし、ウチの客引きも兼ねてやってみぃや。本当は代金払って貰うんやけど、今回はマケてやるさかい。モノは試しでやってみてな」
と、刑部狸がタダでやってけと言う。
よし、同僚達に代金を支払わされた恨みをコイツで晴らしてやるぜ!

「お、ヤル気出してくれて嬉しぃわ! んじゃ、やり方を説明すんで」
刑部狸曰く、刑部狸が板を回した後、砂時計の砂が落ちるまでに全部で三本の矢を投げ、全部外すか景品に当たったら終了、だそうだ。
因みに、全部外した際は、残念賞で携帯チリ紙だそうな。
「ほな、いくで〜」
そう言うが早いか、刑部狸は板を回すと同時に砂時計をひっくり返し、福引の始まりを告げるんだが……速過ぎだろ! 妖怪の腕力で全力で回すなよ!
然ぁし! 礼牙一族の次期頭首、かつインキュバス化した俺の動体視力を舐めるなよ!
「ふっ!」
俺はある一ヶ所に素早く狙いを定
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