Report.07 我とアタイと防衛戦

〜交易都市・セレファイス〜
「あぁ―――はっはっはっはっ! 楽しいねぇっ! さぁさ、楽しい愉しい、戦争の始まりだ!」
エヴァン達が主力の分断に成功した事を知ったフランシスは、溢れる闘志と歓喜で幼さの残る顔を凶悪的なまでに歪めて、戦場を駆ける。
フランシスが纏うは、普段彼女が着ているような露出度の高い水着のような服ではなく、黒と紫を基調にしたフード付きのローブ。
このローブは旧世代のフランシスが愛用したローブであり、彼女の本気を表している。

「あぁはっはっはっはっ! 弱い、弱いねぇ! もう少し、骨のある奴はいないのかい!?」
戦場を駆けるフランシスは元・『偉大なる八人』の実力を存分に発揮し、『人類の護符』に属する騎士を一撃で気絶させる。
フランシスが放つは『重塊』、、『炎杭(フラルト)』、『水弾(ウォレット)』、『刃雪(シュネーゲ)』、『石球(ピエボル)』、『風刃』と闇、炎、水、氷、地、風の六属性の初歩的な攻撃魔法だが、彼女が放てば威力は跳ね上がる。
具体的に表現するなら、フランシスの『風刃』はエヴァンの『大嵐刃』に匹敵するのだ。
但し、ソレは計算上の威力で、実際には魔物の本能で威力が抑えられているのだが、それでも人間を気絶させるには充分である。

フランシスの戦法は単純明快、兎に角手数で圧倒する……生まれ持った天賦の才を活かして、初歩的な攻撃魔法を手当たり次第に乱射するのだ。
戦場を駆けるフランシス、彼女の放った魔法で呆気無く気絶する騎士達。
まさに鎧袖一触、圧倒的実力差を見せつけながら、フランシスは滾る闘志と溢れる歓喜の赴くままにセレファイスを駆ける。

「あぁん? 全く、何で囲まれてるんだい!」
戦場を駆けるフランシスは、配下の魔女達が大勢の騎士に囲まれているのを目撃。
彼女は囲まれている魔女達の前に転移先を指定して、すかさず転移する。
転移と同時にフランシスは『炎杭』を乱射、囲んでいた騎士達の腹に『炎杭』が突き刺さる!
「あ、親分っ! 助かりました!」
「ひゃっほぅ! 格好良いですぜ、親分!」
「おぉっ! 親分の本気服! オレ、初めて見た!」
『炎杭』が腹に突き刺さった騎士達は気絶、フランシスの登場に魔女達は此処が戦場である事を忘れてはしゃいでしまう。
勿論、はしゃぐ魔女達の頭をフランシスはポカリと小突いた。

「親分、親分」
「あん? 何かあったのかい?」
「いや、何かあったんじゃないっす。ただ……コイツ等、何か変なんすよ」
魔女達を助け、次の相手を求めて走り出そうとしたフランシスを、先程囲まれていた魔女の一人が呼び止め、フランシスは魔女の報告に耳を傾ける。
曰く、今戦っている騎士達には感情が無く、ゴーレムのように黙々と自分達を攻撃してくる。
更に、此方の攻撃に対して恐怖を抱かない……まるで『雑草を見ているかの如く』、此方からの攻撃を不気味な程の冷静さで受け止めてくるそうだ。
「ふぅん……」
魔女の報告に、フランシスは思考する。
推測に過ぎないが、感情が無いのはオリバー・ウェイトリィの洗脳―コレはエヴァンから聞いた事だ―の所為だろう。
滅ぼす敵に感情は無用、畑に生える雑草を刈るかの如く斬り捨てよ……洗脳を施すついでに、感情を封印したといったところか。

「ま、いっか……兎に角、今度は囲まれないように気をつけな。んじゃ、アタイは行くよ!」
「親分、御武運を!」
面倒臭くなって思考を中断させたフランシスは、魔女達の声援を背中に走り出す。
恐らく、他の魔女達も騎士に囲まれているだろうと判断したフランシスは魔女達の反応を探り、走りながら転移を準備する。
(ふぅん……今度はアッチか)
そして、フランシスは囲まれている魔女達の元へ転移する。
「なぁなぁ、コイツ等どうするよ?」
「他の魔物にくれてやろうぜ。オレ、親分の一撃でサクッと気絶する弱っちい奴なんざ、使い魔にしたくねぇし」
「だな! 縛り上げて、洗脳解いた後で独身の魔物にやるか!」
魔女達の呑気な会話を聞きながら。

×××

フランシス率いるサバトは、他のサバトからは異端のサバトとして見られている。
何故なら、フランシスのサバトは『純粋な戦闘集団』だからである。
サバトの主であるバフォメットと配下の魔女達は、『幼女の背徳と魅力を知り、魔物らしく快楽に忠実であれ』という教義の元に活動している。
だが、フランシスのサバトの教義は『只管に強さを求めよ』。
限界を定め、定めた限界を突破し、ソレを繰り返して強さを只管に求めよ……ソレがフランシスのサバトの教義であり、その教義の下に配下の魔女達は己の研鑽に励んでいる。
また、研鑚の結果を披露すると同時に更なる強さを求め、フランシスのサバトは積極的に教団と魔物の小競り合いに介入しているのだ。

新入りには魔法及び武術を体得・修練させ、先
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