Extra Report.03 俺と皆と結婚式

〜交易都市・セレファイス〜
「………………」
俺、エヴァン・シャルズヴェニィは、人生最大の行事に挑んでいた。
めっちゃ緊張する、若しかしたら糞ガキの『GE』との戦いよりも緊張してる。
今、俺が着ているのは緑を基調にした普段着ではなく、眩しいくらいに純白なタキシード。
タキシードを着てても、黒眼鏡は相変わらず掛けてっから……タキシードに黒眼鏡、うん、見事なまでにチグハグな組み合わせだ
何で俺がタキシードを着てるのかって? 決まってんだろ?
け っ こ ん し き だ か ら だ!
而も、『友人・知人』の結婚式じゃなくて、『俺』の結婚式だ!
これで緊張しないでいられるかっての……知り合いの結婚式に参列するならまだしもさ、俺の結婚式なんだぞ。
「はぁ……緊張するなぁ……」
俺はネフレン=カの墓所からセレファイスに戻ってきてから、どういう経緯で結婚式を挙げる事になったのかを思い出していく……

×××

『此処が、セレファイス……噂は聞いていたけど、本当に活力に溢れた都市じゃない』
ネフレン=カの墓所から、我が故郷・セレファイスに戻ってきた俺達。
俺、フェラン、コラム、キーン、ボイドの五人に、ネフレン=カの墓所で関係を持ったホーヴァスを加えて、だ。
ネフレン=カの墓所の屍人都市の運営はどうすんだ、と出発前に聞いた所、
『大丈夫よ。出発前に超長距離用の通信球を渡しておいたから、此処からでも都市運営に関わる案件の処理は可能よ』
との事で、こうして俺達一行にホーヴァスが加わったんだ。

んで、ホーヴァスを加えた俺達一行はゲイリーの医療所ではなく、現在ローラさんの屋敷に滞在してる。
ゲイリーの押し掛け女房であるエルザを除いても、俺達六人が居候するにはゲイリーの医療所は流石に狭い。
大きめの宿屋に宿泊するという手もあったが、幾等余ってるとはいえ、ローラさんからの支援金を宿屋の宿泊費に充てるのは勿体ない。
思い切って、ちょっと大きめの家でも買おうかなぁ、と思ってたら
『なら、我の屋敷に来ると良い。我の屋敷には、使われていない部屋が大量にあるからな』
と、ローラさんに誘われ、お言葉に甘えさせてもらった。

ローラさんの屋敷へと移った俺達は、激動ばかりだった七ヶ月間の疲れを癒すようにノンビリとした毎日を送ってる。
いや、俺はノンビリとはちょっぴり程遠い毎日なんだが。
都市運営に関しては熟練たるローラさんの助言を受けながら、ホーヴァスは超長距離用の通信球を使ってネフレン=カの墓所の屍人都市の運営に励んでる。
んで、統治者としての仕事を終えたホーヴァスは、毎晩俺に宛がわれた部屋に訪れては交わりをねだってくる。
そして、毎回交わりの度に誰かが乱入―大抵はフェランだが―してきて、朝までシッポリ交わり続けるという、チ○コの乾かぬ毎日だったりする。
既に強力なインキュバスと化してるとはいえ、よく涸れないよなぁ、俺。

俺は何時か来る糞ガキ……オリバー・ウェイトリィとの決着に備えて、毎日フランシス様の指導をフェランとコラムと一緒に受けてる。
フランシス様の指導には俺を含めた何時もの三人に、キーンとホーヴァスが加わった。
尤も、統治者としての仕事があるから、ホーヴァスはあまり指導を受けられないが。
何で魔法が使えないキーンがフランシス様の指導を受けんのかなぁ、と不思議に思ってたら、キーンは『武装錬金』が使えるんだとフェランに教えられた時は本当に吃驚した。
まぁ、兎に角だ……俺とキーンは基礎中の基礎たる精神集中による魔力練成、フェランとコラムは何時も通りの魔法の体得に励んでる。

そんなこんなで早くも一年……何故か大人しい教団に不気味さを感じつつ、昼は魔法の鍛練、夜はウッフンアッハンな交わりという毎日を俺は送ってた。
この一年、色々あったなぁ。
フランシス様の勧めで昇級試験を受けたら、学徒級から一気に大導師級まで等級が上がって、『偉大なる八人』になったり。
俺が大導師級へ昇級した際、フランシス様は『偉大なる八人』の称号を俺に譲り、現在は俺達の指導をしながら悠々自適な隠居生活の真っ最中だ。
ローラさんが出産を迎え、無事に俺とローラさんの子供・セーラが産まれたり。
ゲイリーが怪しい研究で、また自分の医療所を吹っ飛ばしたり。
因みに、探検家としての活動は開店休業状態だったりする。

『エヴァンよ……我と結婚式を挙げようではないか』
発端は、この一言……部屋で寛いでた俺達の元に休憩中と思しきローラさんが訪れて、唐突に結婚式を挙げようと言ってきたんだ。
『ブホォッ!?』
『£$:%#〆∀&§*¥@○♀♂〒っ!?』
その唐突な言葉に俺は飲んでいた紅茶を盛大に吹き出し、セーラと遊んでたフェラン達も目を丸くして言葉になってない叫びを上げ、俺の娘たるセーラは可愛らしく首を傾げてる。

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