「………………」
俺の叫びも空しく、コラムが巨大蚯蚓に飲み込まれた。
その現実に、急速に力の抜けた俺はボトリと地面に落ちる。
それなりに高い位置から落ちて全身が痛いが、身体中に走る痛みも、コレが現実だという事を嫌でも教える。
RrrrrLooOOOoooWaaaoooohh――――!!
落ちた俺に振り返る巨大蚯蚓は、勝利でほくそ笑んでるような咆吼を上げ、全身に生えた触手も歓喜でウネウネと蠢いている。
その巨大蚯蚓の身体の中で、コラムは溶かされていくのか。
クソッタレェ、そんなん、許せるかよぉっ!
「おおぉぉおぉぉおおおぉおぉおおおぉっ!」
俺は激痛走る身体に鞭打ち、風を纏わせ、叫びながら地面擦れ擦れの低空飛行で突進する。
折角だから、とでも言わんばかりに、巨大蚯蚓は見た目通りに地面を這いずりながら俺を飲み込もうと突っ込んでくる。
上等っ! ソッチの方が好都合だ!
激突する俺と巨大蚯蚓……激突する瞬間、俺は纏わせている風を飛行用ではなく、『旋風刃』へと切り替える。
『旋風刃』は『大嵐刃』と比べれば威力も切れ味も劣るが、こうやって身体に纏わせれば、触れたモノを切り裂く鎧になる。
「おおぉおおぉおぉぉおおぉおおおぉっ!」
巨大蚯蚓と激突した俺は勢いのままに巨大蚯蚓の体内へ侵入、赤黒い粘液を引き裂きつつコイツの尻の方へと突き進む。
それにしても、早くコラムを助けないと不味い。
不透明な赤黒い粘液は粘り気が強く、突進の勢いがみるみる削れ、長外套の所々が徐々に溶けていく。
魔法により服とは思えない程に頑丈さを持つ、この長外套もあまり持ちそうにない。
(何処だ、コラム……!)
焦りを感じながら、俺は巨大蚯蚓の体内を突き進むが、どうにも視界が悪過ぎてコラムが中々見つからない。
視覚はアテにならない以上、俺はコラムの魔力を頼りに突き進む。
どのくらい体内を進んだのか、前方に微かな魔力反応を捉え、俺は其処へと進んでいく。
(居たっ!)
そして、俺は漸くコラムを見つけた。
(コレは、治癒魔法?)
漸く見つけたコラムは全身が淡い光で包まれてて、その優しい魔力を溢れさせる光を俺は治癒魔法だと悟る。
そうだった……ユニコーンの角には強力な魔力が宿っていて、その魔力に比例した強力な治癒魔法が使えるんだ。
恐らくコラムは自分に治癒魔法を施し、身体が溶けるのを防いでいるのだろうが、ソレも限界が近い。
近付いていく内にも光は弱まり、花嫁衣装を思わせる服が少しずつ溶けていく。
(コラムッ!)
俺は『旋風刃』を解除してコラムを抱き締め、溶解を防ぐ為に俺の魔力を纏わせる。
コラムが見つかったのはいいが、問題は此処からどうやって脱出するかだ。
方法は、あると言えばあるんだが……此処に来る前、ゲイリーに
『彼の禁断魔法は、気軽に使う代物ではないのである。
幾等貴様が優れていても、ほんの数秒使うだけで魔力は空っぽになるのである。
その分、貴様の魔力供給衝動は強烈で、魔物を見たら即強姦! であ〜るな。
故に、如何に危険な状況でも、使用厳禁なのであ〜る』
なんて、釘刺されたかんなぁ。
だけど、そうは言ってらんねぇからな、悪いが使わせてもらう!
(はぁぁぁ――――――――……)
俺は体内に残ってる魔力を掻き集め、ソレを循環させて質と密度を高めていく。
コラムを巻き込まないよう何重にも『障壁』を重ね
(喰らえ、糞蚯蚓っ!)
俺は巨大蚯蚓への憤怒と、残された魔力全てを籠めて
『――――――――――――――――――――――――――』
咆吼する。
超震動を齎す異界の咆吼は俺達の周囲の粘液を沸騰させ、蒸発させ、俺達の周囲は赤黒い蒸気で包まれる。
赤黒い蒸気の籠もる空間は爆発的に拡大し
RrruuUUuLooOOooAaaaAAAaaAaaAaahh―――!!
巨大蚯蚓は俺達が居る場所を中心に赤黒い蒸気を噴きながら蒸発し、耳障りな咆吼と共に、僅か一滴すらも残す事も赦されずに、この世から消滅した。
×××
「オイッ、しっかりしろ!」
巨大蚯蚓が消滅し、その余波でデカい穴が開いた川辺……その穴の中心で、俺はコラムに呼びかける。
俺の胸の中にいるコラムはグッタリしており、角が放つ魔力の光も今にも消えそうな程に弱々しい……って、アレ? 何か、角がおかしいぞ?
良く見ると、角が今にも崩れそうな程にボロボロで、色褪せてる。
「ぬおっ!?」
事実、気になった俺が軽く触れただけで、砂で出来てたみたいに角が砕けた。
「角の無いユニコーンって、ただの白いケンタウロスだよなぁ……」
なんて、しょうもない上に失礼極まりない事を呟いたら、コラムの身体に異変が起きる。
耳に近い部分からユニコーンの角を半分にして、黒くした二本角がニョッキリ生える。
毛色が純白から灰色へ、灰色から艶やかな
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