俺は西森 純一。今日仕事を首になり真昼に自宅への帰り道を歩いていると、信じられないものを見つけてしまった。
と言うのも中学生になるかならないか位で見た目は黒髪黒目でベージュのワンピースをきた短めの髪の女の子が倒れていたのだ…俺は駆け寄り「おい、大丈夫か!?」と声をかけるとギリギリ意識はあるようでか細い声が聞こえる…とっさに救急車を呼ぼうとするも彼女は「救急車…呼んだら家に帰ることになっちゃう、帰りたくない…」と怯えた顔で言う。
なにか訳があるのだろうと理解して彼女をゆっくりと起こして水筒の中身を飲ませていき、持っていた塩分タブレットも食べさせていく…
しばらくして彼女は何とか起き上がれるようになったので彼女を担いで自宅まで運んでいく…
実家暮らしだがまだ親は買い物かなにかに出ていていないらしく取り敢えず自分の部屋でさらに水分を補給させつつ氷枕に寝かせて様子を見る。しばらくして、母が帰ってきたのでいきさつを説明する。起き上がったときに首の後ろに傷痕らしきものを見て「帰りたくないってそういうことか…」と思っていると母と彼女は話を終えてきた。
母は「酷いことをするね…」と言い「いつまでもとはいかないけどしばらくなら良いよ」といってくれた。
その日の夕方に首になったことを話すと母は「ある意味見つけられたならよかったのかも…手遅れになってたかもしれないし…」と言う。それは確かに自分もそう思う…
翌日、彼女が人形を出しているのを見たが明らかに壊れている…腕の関節部と腹部に傷が入っている。ある人のことを思い出した俺は昼にその人へ電話をかけてみることにした。
電話がつながる、俺がかけたのは寅島零次と言う男だ。彼は趣味で人形の修理をしているから彼なら直せるかもしれないとかけたのだ。
いきさつを話すと彼は「わかった、やってみよう」と了承してくれたので彼女を連れて零次の家に向かう。
零次に彼女は人形を渡すと彼は「これは一度オーバーホール」した方がいいな…と言う。彼女が「オーバーホール、なにそれ?」と聞くと零次は「ほかにも壊れてるところがあるかもしれないから一度バラバラにして調べてから直すよ」と説明し取り掛かり始めた。
一度人形をバラバラにして彼は「やっぱり中の骨部分も痛んでたな…これは新しい骨を用意して作り直した方が早そうだ」と人形のサイズに合う骨を用意してサイズを確かめていく。
それから二時間くらいしてボディの修理も終わったが、肌や髪の色まで変わっていた。零次は「肌の部分も痛んでたし髪も痛んでたから完全に新しくした。」と言う。彼女はと言うと「ほんとに直ってる…♪」と嬉しそうにしていたので取り敢えず安心した。
その日は取り敢えず帰宅し、夕食を食べて寝ることにした。
翌朝、彼女が「海、行きたい。」と言うも俺は「足がないな…俺車持ってないし」というと彼女は「なら…」と俺の手を引き移動していく。
十分ほど歩いたところに貸倉庫があり、番号を入力していくとそこにはスクーターがあった。ガソリンも満タンになっていたので自宅に戻り父からヘルメットを借りて出発することにした。
途中のスーパーで飲み物などを買いつつ出ようとすると、パトカーが通りかかる。彼女の様子がおかしいことに気づいた。明らかに怯えている…俺は彼女の手を握ると彼女はその体格とは思えない程の力で握り返してくる…
パトカーが去り、彼女が落ち着いたところで俺たちは海までまたスクーターで向かう。幸いほかに何事もなく海に着くことが出来た…
平日の昼前なだけありほとんど人がいない。
堤防に座り彼女に飲み物を渡して海を見る…彼女は少しして「最後にお兄さんに会えてよかった」と言い寄りかかってきた。
俺がどう言うことだと聞こうとしたが、明らかに様子がおかしい…!!
全く動かない彼女は息をしていない、それどころか手首から脈をとろうとしても脈がない……
彼女を急いで日陰の仰向けに寝かせられるところまで運んで救急蘇生を試みるも、彼女は息を吹き返すことはなかった…
結局俺は彼女を僅かに延命させただけに過ぎない。
そんな言葉が頬に生ぬるいものが伝う俺の頭のなかで響く…
彼女の亡骸を抱えて途方にくれていると、背後から肩を叩かれた。
俺が振り向くと怪しい雰囲気の美女が居た。彼女はそのまま口を開き「間に合わなかったみたいね…でもまだギリギリだけどなんとかなるわね…」と言う。俺が「何を寝言を言っている?もう彼女は死んでしまった、もう少し早く彼女を見つけていたなら、もう少し回復してから海にいけば防げたかも知れ無いことだ…!!!」と地面を思い切り殴りつける
すると怪しい女は「人間の理ではそうね…でも…」と彼女を光が包むと、銀髪に紅い
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