双龍の寵愛

半信半疑だが、聞いたとおりにシークレットレアのカードを床に置き召喚のカードを上に乗せる…すると緋色の光と赤黒い光が螺旋状になったかと思うと、爆発した…比喩でもなんでもなくひかりが集まり球体になり膨らんで爆発したのだ…どこも壊れていないが家の中の家具がいろいろぶっ飛んだ…

目を開けると、本当にカードに記されていた龍の女性が2人ともいた…俺は不思議と呆然とはせず「い、いらっしゃい?」と言いケトルでお茶を淹れる。

とりあえず自己紹介をすることにした。俺が日野 龍弥と名乗ると赤黒い鱗を持つ方の彼女は『ミラ』と名乗り緋色の鱗を持つ方の彼女は『レイナ』と名乗る。俺は「遠路はるばるお疲れ様です…」と言うと彼女たちは『なるほど…』と俺を品定めしているように見ている…敵意を感じないのはとりあえず安心だ…

しばらくして、彼女たちは『なるほど…想像以上だ』と嬉しそうな笑みを見せた。俺はまだその意図を読み取れないがとりあえず何かがメガネには叶ったらしい。

俺が描いているイラストをしまっていると彼女たちはそれが気になるらしく見せてほしいと言ってきた、俺は恥ずかしながらもイラストを見せると彼女たちは『実物を見たこともないのに見事なものだ…』と唸りつつも頷いている。本場の龍の民にここまで言われるなら頑張ってきた甲斐もあったものだと思うと目頭が熱くなってくる…

彼女たちが『おいどうしたと言うのだ!?』と慌てて俺に近づいてくる。俺は「今までずっとドラゴンや龍のイラストを描いてきた。他の人がイケメンや美女、美少女も描かないと流行らないと言われても俺はこれしか書けなかった。でも今やっと報われた気がしたんだ…」と返すと彼女たちは『やはり大抵の人間はみる目もなければ取るに足らんものたちだ…』と静かに怒りをにじませている。

彼女たちにそこまで言わしめるものが俺の描いたものに宿っている。少なくとも彼女たちにはそう見えた。それだけで心が満たされていく…

そうしていると俺は彼女たちに抱き抱えられていることに気づいた、驚くも彼女たちは『奴が言っていたことは正しかったようだな』とミラが言うとレイナも『ああ、そうだな…』と深く頷く抱き抱えられている心地よさに俺はそのまま眠りに落ちていってしまった…









目を覚ました俺は空腹感に襲われて食事にしようと台所に向かうと彼女達が肉を焼いたり野菜を炒めたりしていた
起きた俺に彼女達は『良いものを見せてもらった礼だ、飯は作る』と言う。ドラゴンの一族も料理するんだ…と思っているとそれがつたわったのかレイナは『旨いものを食いたい、それは人も龍も同じだ』と言い俺は「それはそうか…」と溢すとミラは『じきできる、待っていろ』と言う。なんと言うか言葉はそのままだが威圧する雰囲気がなくなった感じがする。

食事を終え、俺は「でも、貴女たちなら描ける気がする」と伝えると彼女達は『絵の技量は信用はできるな、やって見せろ』と頷き明日からは彼女たちを描くことになった。
翌日、早速まずは二人が背中合わせの絵。つまり最初のカードの時の図を描くことにした。
朝食を済ませて早速描き始める…CGで描くのもやるが今回は色鉛筆で描く。

なんとか書き上げた頃には、外は暗くなっていた…二人は『本当に集中していたのだな…だが見事。』と俺の描いたイラストをみて満足げに頷く。
良かったと思うと膝をついてしまう。さすがに疲れた…
改めてイラストを見ると、我ながら渾身の出来に思える。そして彼女達が満足げに頷いてくれたことでさらに俺の心は幸福感に満たされた。

翌日、俺は彼女たちに「俺の心を満たしてくれた貴女たちになにか出来ることはないか?」と聞く。すると彼女達は『我らのものとなれ』とまっすぐに俺を見据えてきた。俺は一呼吸おいて驚くも「…というと?」と絞り出すように返す。すると彼女達は『我らの魔力を受け入れ我らと共に生きよ』と言う…頭を整理して「だん…いや、配下か。」と言うと彼女らは『言いかけたほうだ。』と言うと俺は腰を抜かした

腰を抜かしたおれに彼女達はその経緯を語ってくれた。どうやら彼女達はシークレットにふさわしい大物だったらしい。というのもミラはかつて破壊神と神格化され扱われていた龍でレイナは憤怒の大罪の化身たる龍が転生した存在で魔物娘となってからもその経緯のせいで人々からは避けられ続けていたらしい。そして俺の描いたイラストに彼女たちはドラゴンや龍に対しての強い愛を感じ心が蕩けてしまったらしい。

俺は『二人は、それで良いのか?』と聞くと彼女たちは『取り合うのはお前が望んでいないだろうからな』と言う。
俺は「小さい頃からドラゴンは好きだったが異界からのドラゴンに好かれることになるとは、人生わからないな。」と言うと彼女たちも『異界で出会いがあるとは我々も思わな
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