俺は酒場で集めた情報を頼りに報復者達の砦に向かった。
「こっちだな。」
『待って!』
「来るなと言ったろうが…。」
『私も見届けないといけないわ!』
「そんなことよりやる事があるんじゃないか?」
『?』
「俺達が報復を実行に移した時の対策をしなくていいのか?」
『そ、そうね…だけど私は貴方が報復しないことを信じてるわよ。』
「…」
俺は何も言わずに砦に向かった。
「ここが報復者達の砦か。」
誰も居なかったので扉を叩いた。
ドンドン!
「すみません、誰かいませんか!?」
「誰だ?」
「ここが報復者達の砦で合っていますか?」
「なら君も?」
「はい。」
「なら入れ、歓迎しよう、我らが同志よ。」
「はい。」
俺は砦の大広間に通された。
「君は?」
「俺はジュンです。」
「私はリオン、一応この集団の長だ。」
「貴方がリーダーなのか。」
「そうだ、もし良かったら君が何故報復したいか聞かせてくれないか?」
「わかりました、そもそも俺はこの世界の人間ではありません。」
「やっぱりか、何となくそんな気はしていたよ。」
「俺を助けて、村の一員にしてくれた村の人たちを教団は魔物とともに生きているだけで村の人たちを皆殺しにした!生き残ったのは俺ともう1人だけだ。」
「君もなかなか辛かったんだね…。」
「あんたは?」
「私も似たようなものだよ、家族、恋人、友人、奴らは全てを奪った。」
「あんたもなかなか辛かったな。」
「君もな。」
しばらく話していると、さらに数人が大広間に入って来た。
「あんたは?」
「私はタニア、よろしく。」
「あ、あぁ…。」
「僕はアスタ、タニアの伴侶だ。」
「一体あんた達に何が…。」
その後彼らの口から、タニアが輪姦され、子を産めない身体になり、二人でリオンに助けられたことを聞いた。
「言い遅れたが君を案内したのはウェインだ。」
「よろしく。」
「よろしく。」
俺はウェイン、アスタ、タニアと握手をした。
「で、今はどんな状況なんだろう…。」
「数が少な過ぎるんだ…このままだと間違いなく無駄死にだ。」
「せめて、後20人は欲しいわよね。」
「いや、数が少ないなら少ないなりの策を考えたらいいんじゃないかな…。」
「ジュン、どういうことだ?」
「俺は空間移動の術式を知っている、材料があるならなんとかなる。」
俺は村長の家の地下倉庫にあった書物を出した。
「これは?」
「村のみんなの形見の1つで術式の書いてある書物。」
「こ、これなら全滅させるのは無理でも上の奴らを殺すことができるかもしれない…。」
「そう、それが狙いだ。」
「だけど、成功した後はどうするんだ?」
「多分ジュンはそこも考えているよ。ジュン、続きを。」
「確かにウェインの考えてることが次に浮かぶよな。」
「そうだよ!」
「アスタも同意見か、なら続きを話すよ。」
「あぁ。」
「俺はとある縁で魔界王女二人と知り合いだ。」
「!?」
「統率が崩れた教団の奴らを、後は魔物に任せるんだ。」
「後は魔物がお持ち帰りというわけか、これなら希望が見えてきたよ。」
「で、次は俺達が報復したい教団所属の街がどのくらいあるかだ。」
「教団はみんな敵、殺さないといけないわ。」
「それで全滅したら元も子もないけどな。」
「確かにそれはそうね。」
「ならまずは俺達が恨んでいるところを潰す、それからはまた考えたらいい。」
「そうだね、全滅しないようにしないと。」
「なら実行するための準備をしよう。」
「そうだね、必要なものは…。」
「これで足りるか?」
「これは一体どうしたんだ!?」
「俺は村を襲った教団を殺した、そいつらが使っていた武器だ。」
「君は、報復の神かなにかなのか…?」
「いや、俺も同志が欲しかった。だからいつか出会えた時の為に取っておいたんだ。」
「君はまさに私達が探していたものだ…。」
「その言葉、そのまま返す。」
「君と出会えて良かった…。」
「私もよ。」
「僕もだ。」
「オレもだ。」
それから話し合い、決行は3日後の夜に決まった。
「みんな、戦いの経験は?」
「大丈夫、私の父は歴戦の戦士だったんだ。」
「リオンは大丈夫だな。」
「私達もリオンに鍛えてもらったから大丈夫よ。」
「なら安心だな。」
「ならまず最初の決行の場所を決めよう、どこがいいかな…?」
「だとしたら一番近い場所がいいね。」
「それはこの街だ。」
リオンが地図を指差す。
「ここか…。」
「嬉しい限りね。」
「あんた達の報復対象のいる街か。」
「ああ、そうだよ。」
「ならそこからにするとして、次だな。」
「そうだな。」
「転位術
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