紫電の剛力

俺が落ちてきたところは、薄暗くて壁をさわってみけ考えるがどうやら洞窟か洞穴のようだ

幸二「ここは…」

薄暗いがひとつの方向から光が出ている

幸二「こっちか…?」

そのまま光が見える方に向かう、出口かもしれないから

幸二「出口ではないか…」

そこはどうやら上が吹き抜けていて空が見え、太陽の光が差していたらしい

幸二「ロープとかあれば出られそうだが、無理か…」

そう考えていると、どすん!ヒューン!どすん!という音が聞こえてきた

幸二「何だ!?」

しばらく身構えていると、体長1mほど、高さ50cmほどの巨大な白い身体で紅い目のカエルらしき生き物が跳ねているらしい…一回のジャンプで3mは跳ねている…

幸二「でかっ…」

そのまま俺の方を向いたかと思うと大ジャンプで迫ってくる…

幸二「来るか…!」

どうやら俺を押し潰すつもりらしい、逃げないと…!!

幸二「どわ!」

なんとか避けるもあのカエルはまた大ジャンプをしてくる

幸二「っ!!」

ギリギリで避けるも余裕はなくなっていく…

幸二「…」

さすがに疲れてきた…

幸二「…?」

地面が少し揺れたかと思うとカエルは怯えたように固まっている

幸二「何だ…!?」

辺りを見回すと、紫色の身体をした頭から葉っぱが生えていて緑色の髪、所々にアホ毛がある姿をした身長180cmは越えているであろう大柄な魔物娘がいた

???『人間さんにこんなことしていいと思っているの?』

足を思い切り踏み込むと小さな地割れが起きる

???『答えて。』

そのまま壁を殴るといろいろ落ちてくる

幸二「うわぁ…すげぇ…」

するとカエルは逃げていった

???『大丈夫?』

幸二「あ、ああ…」

???『あのカエル…見たものに飛びかかる癖があって逃げたりすると追いかけてくるのよ〜』

危機が去った事で彼女の表情も柔らかくなり口調もかわる

幸二「なるほど…」

???『貴方は?』

幸二「俺は紫川幸二だ。さっきはありがとう」

???『私はバイオレットよ。間に合って良かった〜』

幸二「そうだな…」

危機が去った事を自覚すると力が抜ける…

バイオレット『あら、大丈夫?』

幸二「危機が去って力抜けた…」

バイオレット『あら〜、立てなさそうね…』

幸二「立てる、けど…」

多少ふらついてしまう

バイオレット『無理しなくて良いわ〜』

そのまま俺を彼女は片手で持ち上げて肩に担いで歩き始める

幸二「やはりすごいパワーだ…」

バイオレット『ふふ、女だからって非力なのばかりではないのよ〜♪』

幸二「魔物娘だと普通にパワー系も居るからそこら辺はまあ、な」

バイオレット『たしかにそうね〜』

そのまましばらく歩き、俺は下ろされた

バイオレット『ここが私の家よ〜♪』

そこには岩と木と植物が使われ洞窟の空間を生かして作られた大きな部屋があった

幸二「このキノコ、光るんだな…」

高さ140cm程の青白く光るキノコが、部屋の真ん中にある。

バイオレット『えぇ、明かりとして重宝してるわ〜』

幸二「…」

その光は、確かに優しい光で眩しくない

バイオレット『お腹空いてない?』

幸二「…空いてないと言えば嘘になるかも」

思えば時間がよくわからないが昼は過ぎていそうな感じがする

バイオレット『なら…♪』

彼女はそのまま部屋の奥にいき少しするとたくさんの木の実を持ってきた

幸二「たくさんあるな…」

バイオレット『ふふ♪』

いろんな色の木の実がある…まずは黄色い木の実を手に取り食べてみる

幸二「んん、優しい甘さで美味しいな」

バイオレット『良かったわ♪』

次に紫色の木の実を食べる

バイオレット『どう?』

幸二「見た目とは裏腹に苦味があるけど、酸味も甘味もあって爽やかな味だ」

バイオレット『不味くないなら良かったわ』

幸二「ああ、甘いライムみたいだ」

バイオレット『ふふふ…♪』

そうして食べ終えるとこれからの事を考える

幸二「あいつらはどうしてるかな…」

バイオレット『あいつら?』

幸二「俺達は、七人で来たんだ」

バイオレット『あ、なるほど…♪』

幸二「???」

バイオレット『多分大丈夫よ〜』

幸二「???」

バイオレット『私の友達のところの近くに落ちていったから』

魔物娘がこういうことで嘘をつくとは思えない、とりあえず信じることにした

幸二「なるほど…」

バイオレット『…♪』

そのままなぜか彼女は俺に抱き付いてきた、暖かく柔らかい…

幸二「???」

バイオレット『きっと』

幸二「??」

バイオレット『魔王様が…♪』

幸二「魔王直々に俺たちを!?」

バイオレット『そうじゃないのよ、私達に魔王様が貴方達を巡り会わせてく
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