痺れるような出会い

俺が飛ばされた先では、静電気が起こりやすい地形ならしく髪の毛が少しはねている

薫「…」

辺りを見渡すと、小高い丘らしきところが見えた

薫「とりあえず、見渡せるところに行って確かめてみるか…」

移動して丘の上まで登っていく

薫「なるほど…」

さらに高い丘が、登り終えたところで見渡していくと見えた

薫「…?」

丘を登っている途中から視線を感じる…

薫「どこだ?」

そのまま丘を駆け下り、高い丘の近くまで来た。この辺りは隠れられる所は少ない

薫「…」

見回していくと、木の上になにかがいる…

薫「なんだ…?」

???『やっと見つけてくれたね』

そこには、とがった耳とあたまから葉っぱが生えていることが特徴な魔物娘がいた

薫「…君は?」

???『あたしはクレールだよ♪』

薫「俺は浅黄薫だ」

クレール『カオルね、了解♪』

薫「なら、俺は行く」

クレール『そこ、危ないよ』

薫「??」

クレール『ほら』

彼女は俺が行こうとしていた丘に所々生えている黄色の結晶に触れると彼女は電気を纏ったようで光っている

薫「え…それは大丈夫なのか?」

クレール『うん、あたしはマンドラゴラだけど電気につよくて電撃や雷の魔力溜め込めるから』

薫「なるほど、ならどうするかな…遠回りをすると時間怪しいしな」

クレール『そもそもなんであの丘に?』

薫「とりあえず高いところに登れば、辺りが見渡せる。そしてあいつらもここに向かう可能性が高いと考えた」

クレール『あ、もしかしてカオル入れて七人?』

薫「…」

クレール『それなら大丈夫、私の友達たちがいるところの近くに落ちたから』

薫「…なるほど」

魔物娘がこういう命のかかってるところに嘘をつくとは思えない、信用しても良さそうだ

薫「ならクレール、君を信じる」

クレール『…♪』

薫「なら、どうするかな…」

クレール『あたしの家が近くにあるから、今日は泊まって行くと良いよ』

薫「…」

考えるが、彼女の目には確かな善意がある。ここは乗るべきかと判断する

薫「なら、良いか?」

クレール『うん…♪』

彼女についていくと、巨大で黄色い果実のようなものが浮いていた

薫「あれは、でかい木の実か?」

クレール『あたしの家だよ、確かに知らないならそう見えるよね』

薫「ああ、俺はどうしたらいい?」

クレール『あそこの真下に立ってて』

彼女が指差したのは彼女の家の中央だ

薫「了解だ」

彼女がジャンプして家の上から入っていくと、少しして吸い込まれる感覚とともに俺は果実のような家に向かって登っていった
















薫「ほんとだ、ちゃんと家だ…」

一面濃さや明るさの差こそあれど黄色い空間だ

クレール『うん、居間と風呂場とキッチンと寝室と食料庫と物置があるよ♪』

薫「すごいな…」

クレール『お腹空いてない?』

薫「…減ってないと言えば嘘になるな」

クレール『なら、待ってて』

居間に通されて少しすると、彼女は木の実の盛り合わせを持ってきてくれた

薫「美味しそうだな…うん」

クレール『召し上がれ♪』

そのまま皿に盛られた木の実のひとつを食べてみる

薫「!酸っぱいがうまいな」

クレール『それあたしも好きなやつだよ♪』

薫「そうなのか、なるほど…」

そのまま他の木の実も食べていくがどれも美味しい

薫「ごちそうさま、美味しかった」

クレール『ふふふ…♪』

明るく活発な性格は彼女の黄色い身体とオレンジの髪にぴったりだ

薫「…」

これからどうするか考えていると、彼女は立ち上がり四方小玉スイカサイズの先ほど俺に危険性を教えたものと同じ結晶を置いた

薫「え」


クレール『んん…♪』

四方に置かれた結晶は彼女に電撃を放出している…

薫「大丈夫なのか?」

クレール『あたしは電気の魔力もご飯に出来るからね♪』


薫「…?」

そのまま彼女は電撃を吸収しながら踊っているように見える

クレール『〜♪♪』

薫「…綺麗だ」

クレール『…♪♪♪』

結晶の光が消えていく…

クレール『ふう』

どうやら吸収が終わったらしい

クレール『さっきの言ったこと、本当?』

薫「ああ、クレールが踊りながら淡く光ってて綺麗だった」

クレール『なら、もう遠慮の必要ないね…♪♪』

彼女の表情が変わる

薫「それに、さっき言ったことが本当ならあいつらもこうなってそうだし」

クレール『たぶんそうなってるよ…♪』

薫「…」

彼女の表情が変わっていく…どんどん淫靡な笑みに変わっていく…

薫「風呂場、行くか?」

クレール『ふふふ…
#128149;鼓動が早まったのが聞こえる…
#128149;察してくれたんだね…
#128149;

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