小さな羽でも空は飛べる

とりあえず今の状況を確認する。

真「どこなのかわからない場所に飛ばされ、食料もない…あれ?これ詰んでないか?」

冷静に考えると、詰んでいるような状態であることを理解していきなり焦燥感と恐怖が来た

真「何とか見渡せる場所へ向かってそこからどうするか考えないと…」

目的は一度小高い丘に登り辺りを確認してみることにする

真「…」

歩いて登っていくと、頂上へは特になにもなく着いた

真「向こうにさらに高い丘があるな…もしかしたらみんなそっちに向かうかもしれない…」

目立つところにみんな行くかもしれない。俺はそう考えて丘を駆け降りる

真「これは…」

茨のようなとげのある蔦が密集している…しかしここを通れば直線で最短距離なのもありかなり近道が出来る…

???『そっち危ないよ…』

真「…?」

そのまま進もうとすると、後ろに腕を引っ張られる…

???『だからそっち危ないったら…!』

振り向くと、ピンク色の身体にお腹と下着ののように濃いピンク色のストライプをした薄い羽で飛んでいる小柄な魔物がいた

真「さっきの声は、君か?」

???『やっと気づいてくれた…そうだよ。』

真「しかし、できるだけ早く頂上に行かないと夜になってしまう…」

???『どうしてあそこに行きたいの?』

真「俺は、いや俺たちはこの世界に飛ばされた。みんな離れ離れだから目立つところに行く可能性が高いから」

???『あ、落ちてきた人間さんはきっと大丈夫だよ』

真「憶測で言うなよ」

???『わたし、人間さんが落ちてくるの見てた。七人?』

真「…ああ、七人だな」

???『わたしの友達のところの近くに落ちていったから多分大丈夫』

真「まあ、魔物娘なら生命の心配はないか…」

???『わたし、ローズ。人間さんは?』

真「俺は羽田真だ」

ローズ『うん…なら』

真「???」

ローズ『きっとわたしの友達たちが助けてくれるはず、ならわたしのするべきことは…』

真「あ、そういえば」

俺は廃墟探索に来たので蔦とかを切るためにサバイバルナイフを持ってきたのを思い出した

真「これで切りながら行けば…」

ローズ『だからそっち行っちゃだめだってば…!!!』

今度は腕ではなく俺の脇の下に手を回して後ろに引っ張ってくる

真「切りながら進めるから大丈夫だと思うが…」

ローズ『あの植物のトゲでけがをしたらなかなか血が止まらないんだよ…?』

真「!マジか…」

ローズ『あの植物は、まだ変化してない人喰い植物だから行っちゃだめ…』

真「知らんってのは怖いな…」

ローズ『うん…』

彼女は俺の前に降りてきた。頭に合わせた場合140cmは多分行かない身長、水色の眼は大きくかわいらしい顔立ちをしていて頭からは植物らしき葉っぱが生えている…彼女は一体なんの魔物娘だ…??

真「君の種族は…」

ローズ『マンドラゴラだよ、羽あるからわかりにくいけどね』

真「…まあ、羽以外の特徴からしてそうか。」

ローズ『うん』

真「不味いな…遠回りだと間に合わん」

彼女に止められたりしていたせいか、日が傾いている…ここから登りきるのはリスクが高い。

ローズ『なら…』

真「??」

ローズ『今日はわたしの家に来てよ♪』

真「…」

俺は考えるが、罠である危険性とどこともわからないところで夜を過ごす危険性を考えると生命の危険のない前者の方が良いなと判断した

真「わかった」

ローズ『なら、こっち♪』

そのままついていくが彼女が飛べるので飛べることが前提条件な地形が少し多い

真「っ!!」

自分の背丈より高い壁を登る。彼女は申し訳なさそうに俺の背中を必死に押している

ローズ『んんんんんんん!!!』

そういうことがあり、なんとか彼女の家らしき所につくが…

真「あれか?、あの浮いてるピンク色のでっかい木の実みたいな…」

ローズ『うん、中は広いから入って入って♪』

彼女に浮いてる木の実のようなものの真下、その中央部に移動するように言われる

真「ここか…」

すると、まるでUFOにさらわれるように俺は上へと吸い込まれた






ローズ『ね?ひろいでしょ?』

どきつくないピンク色の空間。そんなところにきていた

真「ああ、想像以上に広い…」

マンションの一室くらいの広さは部屋数を合計してもあるように見える

ローズ『お腹空いてない?』

真「…ああ」

探索の時の小休止に少しだけお菓子を食べた程度なので空腹に近い

ローズ『なら…』

小さな身体であちこちを飛び回っている…なんかかわいい…

ローズ『おまたせ…♪』

彼女はたくさんのさくらんぼくらいの大きさの黄色い木の実を深皿にいれてきた

真「おお」

ローズ『甘くておいしいよ♪』

真「では…
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