人間の原価は基本的に0円、なら価値を決めるのは…

俺は、牧田 照彦。親に捨てられ施設で育ち親無しであること、そして施設の職員が不正をしていたことで捕まったので世間からの逆風にやっていられなくなりどこかへ消えようと今、ある山の中に来た

照彦「…?」

山道を歩いているとなにか建物らしきものが見える

照彦「なんだ?」

幾ばくかの興味が出たので建物らしきものに近づく

照彦「なんだこれは」

そこにあったのは祠らしきものだった、が

照彦「何か封印されてるのか?」

たくさんの札が貼られている…その札に書かれている字は少なくとも俺には意味がわからない

照彦「???」

中からなにか声が聞こえる…

照彦「??」

???『誰かそこに、居るのか?』

聞こえてきたのは、やや低い女性の声だった

照彦「空耳ではなさそうだ」

???『居るようだな…ならこの札を剥がしてもらえぬだろうか』

照彦「…いいよ」

???『即答!?』

照彦「どうせ俺の命に価値はない。なら開けてやろうじゃないか、パンドラの箱をな…!!」

なぜかテンションが上がり祠らしきものに貼られている札を剥がしていく

照彦「お、開いた」

そのまま祠の戸を開ける

???『…』

そこに居たのは、身体に札が貼られた黒髪の美女だった…しかし…

照彦「動いてる…ほんもの…?」

彼女の頭の上からは三角形の耳らしきものが、彼女の腰には尻尾が出ている…

照彦「…魔物?」

???『どうやら、妾も変化したらしいな…』

照彦「???」

???『とりあえず、この札を何枚か剥がしてもらえぬか?』

照彦「最後までやらせてもらいますかね…」

彼女の腕、足首にある札を何枚か剥がすと…

???『はっ!』

残った札は彼女の力で弾けとんだ

照彦「!!」

そして改めて彼女の尻尾を見る…本数は…

照彦「まさか、九尾の狐…?」

???『その通り』

照彦「わーお…」

???『お主には、感謝せねばならんな』

照彦「貴方は自由だ、好きにしたら良い。俺は行く」

そのまま立ち去ろうとするが…

???『待て』

有無を言わさぬ威圧感に俺の足は止まる

???『どこへ行くつもりだ?』

照彦「貴方には関係のないことでしょう」

???『確かに、それはそうだな…なら質問を変えよう。先ほど言ったことはどう言うことだ?』

照彦「??」

???『どうせ自分の命に価値はない。と言い切ったところだ』

照彦「そのままの意味だ、俺一人がどうなろうと世界は変わらん。そもそも一人で世界が変化するほどの存在はどれだけいる?」

???『なるほど…確かにそれはそうかもしれぬな、なら次の質問だ』

照彦「質問攻め…まあ良いや」

???『なぜ妾を解放した?札が読めぬのか?』

照彦「読めなかった、多分だけどこの祠だけ異質な感じがした。ここからは推論だが…」

???『一度大きな揺れがあった、地震かなにかだろうと思ったが…』

照彦「あ、なら俺の推論はあってる可能性高い」

???『して、それは?』

照彦「まず、貴方は魔物が変化したのは知っているか?」

???『うむ、お陰で化けた姿が基本型になった』

照彦「よしよし、それなら大丈夫だ」

???『前提条件?』

照彦「そういうことだ、この祠の様式からしてこの地の物ではない。だとしたら俺が今いる世界へ送られるなり飛ばされるなりしたんではないかと」

???『確かに、祠が開いてわかる。空気がちがう…』

照彦「つまり、貴方から見たらここは異世界だ。異世界の言語を読み書き出来る可能性の方が低いとは思わないか?」

???『確かに…だから妾が何者かもわからぬのに開けたわけか』

照彦「そういうことだ。質問は終わりか?」

???『なるほど…』

照彦「???」

???『なら、最後の質問だ』

照彦「…」

???『なぜお主は理性を保てる?』

照彦「はい?」

???『妾は妖力を抑えなかったから封印された』

照彦「何か感じる力はそれか…」

???『そして、その妖力は精神修行をしているものでも肉欲に染めてしまうほどのものなのだが…』

照彦「わからん」

???『力が落ちているようには感じぬ…ならば…』

照彦「???」

???『はっ!』

なにかが俺に向けて放たれる、しかしそれは俺を避けて流れていく…

照彦「何となくわかった」

???『妾もだ』

照彦「俺の見解は、多分貴女の妖力を雷に例えたら俺はガラスだ…」

???『妾の見解としては、お主の体は単純に妖力を空気より通しにくい、だから避けて流れた』

照彦「一緒か…」

???『そのようだ…』

照彦「多分、無理に一気に流そうとすると俺の方が壊れる。科学的に考えるなら」

???『どう言うことだ?』

照彦「ガラスやゴムに無理に電気を流
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