それからいくつかのゲームをクリアする頃には彼女も卒業式シーズンを迎えた
真人「そろそろ、卒業式か」
ルーナ『うん』
真人「多分、卒業で終わりか…」
ルーナ『???』
真人「こっちの話だ」
ルーナ『ふーん…』
そう話していると、俺は奥方に呼び出された
真人「珍しいですね…」
セレニア『これからの事だが』
真人「はい」
ゆっくり頷き、続きを待つ
セレニア『真人、お前には引き続きルーナの遊び相手をしてもらいたい』
真人「いや、年ごろの娘がそれは不味いのでは…」
セレニア『悪い虫除けにもなるからな』
真人「なるほど…そういうことでしたか」
セレニア『頼んだぞ』
真人「わかりました」
とりあえず当面はここにいられるらしいので安心した
真人「さて」
とりあえず部屋に戻る
真人「そう言えば」
ルーナ『??』
真人「お嬢は卒業したら、何か目的とかはあるのか?」
ルーナ『呼び捨てでいいのに…』
真人「その感じだとなにもないのか?まあ次期領主として恥ずかしくない技能はあると奥方から言われているから大丈夫だとは思うが…」
ルーナ『お見合いしろって言われた』
真人「お見合い、ねぇ…」
ルーナ『やだよ、見合いなんて。面倒だしマコトと遊んでたほうが楽しいし』
真人「でも、次期領主としてそこまで慌てなくて良いとしても相手は見つけておいた方が良いんじゃないかとは思う」
ルーナ『まぁねぇ…』
真人「まあ、受けたくないなら受けないで返事は出さないと」
ルーナ『うん』
そう言うと彼女は部屋から出た
真人「どうなるかね…」
ルーナ『〜♪』
真人「お、戻ってきた」
ルーナ『無理にしなくて良いって』
真人「まあ、悪い結果が見えてるならやる必要性はないわな」
ルーナ『見合い相手にも、悪い噂が出てたしね』
真人「引いて正解だわ…」
ルーナ『母様が、別の娘を見繕ったから大丈夫』
真人「そうか…ある意味俺は居て良かったのかもな」
ルーナ『もちろん!』
真人「奥方から言われたんだ「悪い虫除けにもなるから」と」
ルーナ『確かにそれも含めてなら、話もつながる』
真人「まあ、確かに」
ルーナ『ふふ』
本当に彼女はヴァンパイア特有のプライドの高さが今のところ見えない…
真人「そういえば」
ルーナ『??』
真人「ルーナはヴァンパイアらしくないように見える」
ルーナ『まあ、一番上の姉さまダンピールだし』
真人「納得」
ルーナ『姉様いわく、人間にもいろんな人が居るから本当に私にとって必要な人間は見下してた態度を取ると下手をしたら取り返しがつかなくなることあるってね…』
真人「高位の魔物によくありそうなことだ…」
ルーナ『そんなことになりたくないから、人間だから見下すなんて事はしないよ』
真人「なるほど…」
ルーナ『そういえば』
真人「?」
ルーナ『マコトはまえに聞いたとき彼女居ないって言ってたけど』
真人「ああ」
ルーナ『何て言うか、一瞬強い闇を感じた』
真人「…そうか」
ルーナ『何があったの?差し支えないなら…』
真人「まあ、聞いて楽しい話ではない。それでも良いなら話す」
ルーナ『うん…』
真人「親父が浮気されて身体を壊して死んだ。それだけだ」
ルーナ『ひどいことをする…』
真人「だから俺に家族は居ない、持つ気もない」
ルーナ『その経験から、恋愛や家族に希望的観測を持たなくなったってこと?』
真人「満点の回答だな」
ルーナ『なるほど…』
真人「?」
ルーナ『母親は…』
真人「俺に家族は居ない」
静かだが強い怒りをにじませてしまう
ルーナ『マコトのお父さんの奥さんは、今何してるの?』
真人「死んだよ」
ルーナ『!?』
真人「浮気相手と車で移動してたときに大きな事故の真ん中に居てグシャグシャに潰れたらしい。」
ルーナ『なるほど…』
真人「な?面白い話ではないだろ?」
ルーナ『でも、マコトの事を知れて良かった』
真人「そうか…」
ルーナ『なら、また明日』
真人「ああ。」
そのまま俺も眠る、話したのは不味かったか?とは思うがもう引っ込めることはできない
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