不完全で優しい怨霊と鬼道化

俺は、島田 光輝…

光輝「ああ、糞な人生だ…」

両親がビジネスで騙され借金を背負いそのまま死に、親戚と借金取りに遺産を食い荒らされ、挙げ句に信じていた人は借金取りと繋がっており臓器のために殺されそうになった…俺が何をしたのか教えてほしい…

光輝「これで良いな…」

そのまま俺は今のいるところである廃工場の鉄骨が剥き出しのところに向かう

光輝「っ…」

しっかり研ぎあげたピアノワイヤーの片側をガッチガチに絡めてもう片方を投げ縄で使う結び方をしていく…指が切り傷だらけになるが知ったことではない…

光輝「よし…」

そのままピアノワイヤーの輪を首に引っ掻けてこのワイヤーを引っ掻けている鉄骨から俺は飛び降りる

光輝「!!」

最後に見たのは、落ちていく俺の体だった…





















光輝「…?」

死んだはずなのにまた意識がある、なんだこれは…地獄か?

光輝「地獄、か…まあ自殺した俺には相応しいか…ハッ…」

そのままあてもなく辺りをふらつくと、誰かの気配を感じた

光輝「!!」

すると、俺の身体からは無数のトゲが生えた

光輝「これは…」

???『っ!遅かったか…!!』

光輝「!!!!」

警戒心を高めつつ声の方を向くと、なんと言うかピエロのような格好をした魔物がいた

光輝「…」

???『怨霊化してる上でめちゃくちゃ警戒してる…』

光輝「俺は消えたいんだ」

そのまま彼女から見て横方向に動いて離れる

???『本当に?』

光輝「見ず知らずのあんたにこれ以上言うことはない」

そのままさらに離れる

???『!!』

そのまま一気に間合いを詰めてきた彼女にたいして俺は『近づくな!!』という意思を滾らせると身体のトゲが増え、伸びて彼女に近づく

???『!!』

光輝「怨霊なんかに近づくからだ…」

???『君は、本当に優しい子だ…♪』

光輝「!?」

彼女はどうやら無傷らしい、無意識的に刺さらないようにしたのか?俺は…

???『本気になれば私が止まろうとしても手遅れで串刺しになるようにできたはず♪』

光輝「!!」

トゲにより重くなった身体で俺は彼女から離れる、彼女は危険。本能的にそう感じる…

???『重い体じゃ、逃げ切れないよ♪』

光輝「!!」

先程より強く「拒絶」の念を強く持つと、さらにトゲは鋭く長くなり、トゲの側面からは無数の刃が出たことにより無数の槍の先を向けているような形になる

???『ここまで負の感情が強いなんて…』

彼女は服が切れて、肌が剥き出しになってもトゲの隙間を縫うように進んでくる

光輝「!!!!」

嫌だ!!嫌だ!!近づくな!!これ以上近づくな!!そんな意思に応じてか今度は無数の刃を俺の身体は飛ばし始めた

???『もう、少しだ…♪』

彼女は服を切り刻まれ、仮面に無数の切り傷が出来て二方向にとがっている帽子の片方がちぎれ飛び、ついに身体に切り傷ができようとも進んでくる…

光輝「やめろ…それ以上…!それ以上近づくな…!!!!」

今度は巨大な丸ノコの刃のようなものが俺の身体から飛び出して彼女に飛んでいく

???『!!!!』

彼女は目を閉じるが、それは彼女に当たることはなくかなり離れたところの地面に半分ほど突き刺さる

???『やっぱり、君は本当に優しい子だ…♪』

彼女の手が俺に届く…

光輝「…」

???『これだけトゲや刃物を出しても、私にかすり傷しかつけられてないんだから…♪』

光輝「…」

確かに、彼女は服こそズタズタで仮面も傷だらけだが彼女の身体にはほとんど傷はついていない、確かにかすり傷程度しかついていないだろう…

光輝「!!」

今度は彼女の眼前に大量のトゲが突き刺さり壁になる

???『っ…こんな使い方があったか…』

光輝「!!!!」

さらに俺の身体はあらゆる方向にトゲを撃ちだしていく

???『!!これは…』

光輝「はあ…はあ…」

辺り一面は俺の出したトゲでひどい有り様になっていた

???『これは…』

彼女が俺を見ている

光輝「…?」

???『間に合わなかった…』

光輝「??」

ふと逃げた先の水面に俺の姿が映る

光輝「これは…」

俺の首から下は、元々の身体とおなじ真っ黒な塊になっていた

光輝「なんだこれ…」

???『もうここまでなっちゃったら、私の力ではどうにもならない。君自身の手で選ぶんだ…このまま心まで怒りや悲しみ、憎しみのままに暴れまわる怨霊になるか、引き返して新しい人生を歩むか…』

光輝「俺は…」

???『…?』

光輝「あんたには、親は居るか?」

???『うん、居るよ』

光輝「あんたは、金のために売られそうになったことはあるか?」

???『ないね…』

光輝「なら、あ
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