俺は萩野 龍一。社会人だったが適応できなかった言わば社会府適合者だ
龍一「はぁ…」
ポストに来ていたチラシを見ると、今週末に近所の公園の清掃をするらしくボランティアを募集しているらしい
龍一「どうせ暇だし行ってみるか…」
当日になり、早速目的地に向かう
龍一「お」
幸い人々はそれなりに来ていた
龍一「…」
この公園には、通称魔龍と呼ばれるシーサーや狛犬のような扱いの石像がある。
「まあ、そうなるか…」
一応ここに来ていたメンツの中で唯一その魔龍の掃除が出来るのは俺だけだった
「なら、精々手を抜かずにやりますかね…」
ハンドブラシと洗剤、蛇口に繋いだホースを受け取り俺は掃除を始める
「案外汚れはそこまで頑固ではないみたいだな…」
洗剤をかけてブラシで擦り、汚れが落ちたらホースから出る水で洗い流す
「こんなものか…うん」
二時間ほどして魔龍像の掃除が終わった、どうやらほどなくして他の箇所を掃除していた人たちも終わるらしく俺は道具を片付けて少しすると、女性らしき声がして振り返ると魔物娘がいた
???『あの石像、貴方が?』
龍一「ああ、というよりはやれる面子が俺しかいなかったから」
???『なるほどねぇ…きれいになったわね…♪』
龍一「まあ、手は抜かずにやったから」
???『なるほどなるほど』
龍一「??」
取り敢えず他の面子も清掃を終えたらしく戻ってきたので解散になった
龍一「…??」
俺に声をかけてきた魔物娘はあの石像を見ている…
???『近いうちに、貴方に良いことが起きるわ』
龍一「????」
???『ふふ』
そのままその魔物娘は去っていった、一体なんだったんだ…??
龍一「…ここもダメか」
まえに面接の書類を三つ送っていたが、どれも不採用だった
龍一「俺が不適合者なのはわかってる…」
考えるだけ思考が滅入る…寝よう…
龍一「…」
そのまま眠りに入る…
龍一「???」
何かに抱き抱えられている…何だ…?
龍一「…!?」
目を開けると、薄い灰色の身体の女。恐らく夢でないなら魔物娘だろう…とにかくそんな女がいた
龍一「夢か…」
夢だろう、そう割りきろうとするも…
???『聞いてない?』
そう彼女は言うと、俺を抱き抱える力が強まる
龍一「近いうちに、良いことが起きるとか言ってたな」
???『うん…
#10084;
#65039;』
龍一「…」
取り敢えず起き上がって彼女の姿を確認する
???『…
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;』
龍一「まさか…!!」
そのまま俺はあの魔龍像のあった公園に走る
龍一「ない…」
どうやら、彼女は俺が掃除した魔龍像が魔物娘に変化したものらしい…
龍一「随分思いきったことやるな…」
???『道具や像には意志が宿ることもあるんだよ』
龍一「付喪神とかその辺りのことか」
???『うん』
龍一「なるほど…で…」
そう話ながら家に戻る
???『…
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;』
こいつは相変わらずいとおしそうに俺を抱き抱えている…
龍一「…」
だが、抱き抱えられていると不思議と安らかな気分になる…
???『…
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;』
そのまま再び眠りに入る…
龍一「そう言えば」
目を覚まして彼女に聞く
???『なに?』
龍一「君は何て魔物なんだ?」
???『私は、ガーゴイル。魔物になったことで命を宿した石像だよ』
龍一「なるほど…でも悪魔っぽさより竜っぽさが出てるのはもとになったのが魔龍の石像だからか。謎が解けた」
???『私に名前はないね…』
龍一「なら…」
俺は、子供のときにやっていたゲームに居た灰色の体を持つ竜の名前を思い出した
龍一「リヴィア」
???『??』
龍一「君の名前だ、嫌なら良いが…」
???『うん…
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;私はリヴィア…
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;
#10084;
#65039;』
気に入ってくれたらしい…
龍一「…」
それから少しして、俺は部屋にあった携帯栄養食品を食べる
リヴィア『そんなので良いの?』
龍一「安くあげるにはこれだ、どうせ社会不適合者だし」
リヴィア『え』
龍一「俺は社会に出たが適合できなかった、だから不適合者なわけだ」
リヴィア『なるほど…』
そのまままた彼女に抱き抱えられた
リヴィア『なら…
#10084
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