とりあえず、魔物たちの前に立ち問いかける
クリス「何の用だ?」
魔物達は口を開く
魔物『貴方たちも、最近教団の研究者達やお偉方が殺されているのは知っているでしょう?』
アルフレッド「ああ、いくつか連絡が来ている」
魔物『それなら話は早いわ、その件は私たちとしても見過ごせないのよ』
クリス「貴殿方には関係のない話だろう」
魔物『そんなことはないわ、私たちもなんとか阻止できないかと悩んでいるわ…』
アルフレッド「…」
クリス「だとしても、これは我々人間の問題だ。」
魔物『…』
アルフレッド「…?」
魔物『私たちとしても、犯人を止めたいのよ、そしてその理由を聞いておきたいわ』
クリス「だからこれは我々人間の問題だ、無関係な貴殿方の手出しは無用と言いたいのだが」
魔物『私達が変化したことを知らないの?』
クリス「変化しようがあくまでも起こっていることが「人間の国」の問題な訳である以上、無関係な貴殿方の手出しは無用と言いたいのだが」
魔物『確かに…貴方の言う通り人間の問題は人間が解決すべきでしょう…でも』
アルフレッド「?」
魔物『貴方達だけで、止められたのかしら?』
クリス「…」
魔物『それと、私達は犯人の特徴を知っているわ』
アルフレッド「それをどう信じろと?」
魔物『まあ、聞いてからでも遅くはないはずよ』
アルフレッド「…」
クリス「ならなぜ知っている?」
魔物『魔物のなかでも、コボルトとかはある程度規制が緩いわよね?その子が見ていたのよ』
アルフレッド「…」
クリス「今のところ、良くできた作文だな…」
魔物『なら、話すわ。』
奴らが言うには「艶のない黒の鎧兜を着け顔も兜に覆われた剣使いで剣は二刀流」とのことらしい
アルフレッド「なるほど…」
クリス「…」
そうしていると、伝令が血相を変えて報告に来た
伝令「申し上げます!我らの国の近くの領地の研究者も殺されたとのことです!」
アルフレッド「…状況は?」
伝令「研究者達は一人を除き全滅、うち一人はコボルトという種族の魔物を飼っていたとのことです!」
クリス「完全に主神の信徒の研究者だけを狙うわけか…」
魔物『次は貴方たちのところかもしれないわよ?』
クリス「お前達の…いや、ここは生き残りに聞いてみた方が早いな」
魔物『…わかったわ、私達は待たせてもらうわよ』
アルフレッド「俺が見張る、何かしたら…」
魔物『えぇ、覚悟はできてるわ』
それから護衛とともに来た生き残りの研究者の話を聞くに、魔物たちの言った特徴は概ね同じであり決意と殺意に満ちた眼をした男ということが追加でわかった
クリス「なるほど…」
話を聞き戻る
クリス「魔物達よ、とりあえず貴女方の言ったことは間違ってはいなかった。そのことの非礼は済まなかった」
魔物『同一犯だったわけね…』
クリス「ああ、特徴に決意と殺意に満ちた眼をしていたとあるならまず同一犯だろう」
魔物『ドンピシャよ…』
アルフレッド「なるほど…」
とりあえず、国王に相談すべきか…
アルフレッド「と言うわけです」
国王「なるほど…共同戦線を張りたい、と」
魔物『はい、人数が多い方が範囲は広まりませんか?』
国王「だが、兵たちの世代はかつてのお前達に家族を殺されたものたちも居る、心理的に無理に近いだろうな…」
魔物『…そうですよね』
国王「だが、奴は少数とは言え魔物が居る所の研究者も対象にして居るというなら、まずは中立的なところを当たってみるのはどうだろうか?」
魔物『それは既にやっています』
国王「そうか、なら伝令同士で情報の交換くらいならできる可能性はあるか…」
魔物『ありがとうございます』
とりあえず今回は、情報交換という形で話がまとまったらしい…
それから更に、数週間が過ぎた。依然として週に一回は研究者が殺されている…
アルフレッド「見張っているのになぜ止まらない…」
魔物『どうやら、転移の魔法を使えるか気配を消すのに優れているらしいわね』
クリス「暗殺、とは違うか?」
魔物『微妙なところね…見張りの兵は気絶させてるだけにとどめているから』
アルフレッド「もう少し手掛かりがあれば…」
魔物『そうね…』
収穫があったのは、それから数日が過ぎてまた被害が出てからだった
クリス「なるほど…」
魔物『どうしたの?』
クリス「奴の鎧についていたマントの一部を証拠として手に入れたとのことらしい」
魔物『それなら、私たちの手にかかればどの辺りに居るかくらいなら調べられるわ』
アルフレッド「とはいえ、我々の一存では決められんな」
そのままその事を国王に報告する
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