魔物たちが変化して十年弱…まだ魔物と人間の溝は深い。一部の人間と魔物は手を取り合ってはいるが極々少数だ
???『謎の剣士?』
私はカタリナ、元々人間とは融和派のアークデーモンという魔物だ
???『はい、話によると凄腕の剣士だとか』
彼女はエリー、前の時代からずっと私の部下にして戦友の魔物でデュラハンという魔物だ
エリー『一人で数十人の賊から村を守っているという話です…』
彼女は影のある表情で私に伝えてくる
カタリナ『なるほど…で、それなら何故そんな表情が暗いの?』
エリー『いくら賊とは言え容赦なく斬り殺しているからですね…』
カタリナ『なるほど…』
エリー『いくら悪人とは言えやり過ぎにも思えます…』
カタリナ『…近いうちに、確かめに行ってみる?』
エリー『そうしましょう…』
改めてその村の位置を確かめる、魔界から少し遠い人間たちの国から見ても辺境の地方だ。
カタリナ『遠いわね』
エリー『我々には転位の魔法があるとは言え…』
カタリナ『まあ、行ってみるしかないわね…』
私達は旅支度をする、その剣士がどんな人間なのかを確かめるために
カタリナ『なら、行きましょうか』
エリー『そうですね…』
魔王城から転位の魔法でその村の一番近くの街…と言うよりは私達魔物がかつて侵攻に使っていたが今は魔物たちの街を守るための要塞に飛ぶ…
カタリナ『…』
エリー『なら、行きましょうか』
カタリナ『えぇ』
そこから三時間ほど歩くと、村が見えてきた
エリー『!』
しかし、件の剣士は賊を切り捨てては次の相手を攻撃している…
カタリナ『これは…』
???「どうした?もう終わりか?」
賊の大半は首を斬られているか胸に風穴が空いていて動かない…おそらく人間の技術ではもうダメだろう…
???「残るは、お前だけだな…」
怯えている賊の最後の一人を彼は斬りかかる…
カタリナ『!!彼だけは間に合った…みたいね…』
私は何とか彼の剣を自分の剣で受け止める
???「こいつら魔物とも組んでたのか…」
カタリナ『私達は彼らとは無関係よ』
???「なら邪魔をするな」
カタリナ『そうはいかないわ…貴方止めなかったら彼も殺していたでしょう?』
???「当たり前だ、一人でも生かしておけば同じだ」
カタリナ『恨みを絶つためとはいえやり過ぎよ…』
???「なにも知らんのに知ったような口を叩くな」
確かに反射的に止めはしたが彼の言うことも確かにそうかもしれない…
カタリナ『…』
エリー『この賊たちは何をしたんだ?』
???「村人に聞け、俺が言うより分かりやすいだろうし信用できるだろうからな…」
カタリナ『…』
とりあえず最後の一人は縄でくくりつけて改めて村人たちに聞きに行く…
エリー『…予想より悪質だった』
カタリナ『資源のために水源に毒を流したり、人質をとって嬲り殺しにしたり、醜いわね…』
???「こいつらは前にこの村に火を放ったこともあったらしい、そんなやつを一人でも…いや…」
カタリナ『!!』
村人たちが縛られている賊に怨嗟の言葉を吐き罵りながら袋叩きにしている…
エリー『やめろ…!!』
エリーが止めようとするも村人たちは「こいつらのせいでどれだけの人たちが苦しんで死んだと思っている!それをこいつの骨身に刻んでから殺してやる…」と聞く耳を持たない
???「まあ、そうなるだろうな。…見ず知らず、おまけに数年前まで同じようなことをしていたお前たちに言われたところで説得力は皆無だろうな」
カタリナ『でも…わかりあえた事例もたくさんあるわ』
???「あいつらもそれは知っている、だが…」
カタリナ『???』
???「見ず知らずの無関係なのが『やめろ、そんなことをしても何にもならない』というのは簡単だろうが俺から言わせれば「さしたる事情も知らずに知ったような顔をしてどこまで傲慢になれば仲裁者の立場の自分に酔えるのか?」という話だが」
カタリナ『!!そうよね…』
???「魔物が何の用でここまで来た?」
彼は私達に切り出してくる
???「の前にやはりまだいたか…」
彼は一人で突っ込んでいきまた賊の首を切り裂き急所を刺し貫いていく
エリー『殺すために特化している…』
カタリナ『…』
エリー『止めなければ…』
カタリナ『心では止めたいわ…でも…』
村人たちが制するように立ちはだかろうとしている
エリー『…』
彼は遂に頭領も首を斬って殺してしまった…
???「…終わった」
すると村人たちは歓喜している、嬉し涙さえ流しているものさえいる…
カタリナ『無関係な私達が介入すべきでは、なかったのかもしれないわね…』
???「さて…」
彼は旅
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