烈火の追跡者

僕は園田進一

進一「…」

やっと終わることができる…

進一「??」

人が感傷的な気分になっているといきなり突風が吹いてきた

進一「!!」

そこには、深紅の鱗と黒い爪を持ち白い角と漆黒の髪と鬣、燃え上がる炎のような色をした透明な翼をもつ魔物が居た

???『園田進一君で合っているわね?』

進一「貴方は?」

???『貴方、何をしようと?』

進一「貴方には関係ない、ましてや下等な生き物がどうなろうと関係ないでしょう?それともここは貴方の領域ですか?」

???『いいえ、ここは誰のものでもない』

進一「ならなおさら貴方には関係ないでしょう?」

???『ここは昔、たくさんの人間が自殺したと聞いているから。そんなところに一人で居れば気にもなる』

進一「そう、ここは貴方の言う通りの場所だ」

???『君に何があったんだ?園田進一君』

進一「そういえば…」

???『??』

彼女からは凄まじい力を感じる…それに彼女は人間を見下してさえ居ない…底が知れない…警戒せねば…

進一「なぜ僕の名前を?」

???『私は君を知っている』

進一「まあ、そうですよね…」

???『で、君に何があったんだ?』

進一「まず、この地には魔物がほとんど居ないでしょう?」

???『そうだな、ここ数日前に受け入れを開始したばかりだしね…』

進一「だからこの地は人間が権力者になっている」

???『まあ、じきに魔物がある程度は入るだろうけど』

進一「僕は人間の醜さに心底失望したんだ」

???『その年で?』

進一「まあ、そうなるね」

???『何があったんだ?本当に…嘘を言っているようには見えないけど…』

進一「結局人間も動物も弱肉強食なのは変わらず知能がある分人間の方がたちが悪いよ」

???『暴力を受けたか?』

進一「それだけじゃない、両親を大ケガさせた加害者には何のお咎めもなし、あいつらが権力者の子供だから」

???『!!』

進一「どうせ死んでも揉み消されるだろうけど、少なくとも死んだらこれ以上なにもされなくなるしね」

???『…』

彼女の翼が熱を放ち始めたらしく、湯気だか煙だかが出ている

進一「というわけだから」

そのまま僕は立ち去ろうとするが…

???『どこの誰が、君とその両親ををそんな目に遇わせた…?』

彼女の眼には憤怒の色が宿り、翼からは炎が迸っている

進一「貴女方はどうせあいつらに破滅や死を与えないでしょう?」

???『…』

進一「もう父さんも母さんも生きていられない」

???『???』

進一「維持装置とかのお金が払えないから」

???『!!!!』

進一「少し先にいくだけ」

???『なるほど…』

彼女の憤怒は一度落ち着き、どこかに電話をかけた

???『まずひとつ、聞きたい』

進一「??」

???『両親を、復活させたいか?』

進一「できるの?」

???『我々魔物なら魂が消えていない限りはできる』

進一「…僕は何を差し出せば良い?」

???『死を思い直して欲しい』

進一「思い直したら、僕は報復にいくよ」

???『魔物としては止めねばならないが、そうだな…』

進一「???」

???『私のことを、話しておこうか。何故私が君を知っているのか、その他諸々もな』

進一「…」


そのまま彼女は話し始めた

???『私はレイン』

進一「レイン…?もしかして…」

小さい頃、レインと名乗った女の子が居た…だが彼女は外国人の女の子だったはずだが…

レイン『あの時、私は人間に化ける魔法を使ってたからね』

進一「だとしたら、あの子?」

レイン『そうだよ…』

進一「なるほど…魔物なら知ってるのとかも納得…確かに魔物ならこれは非常事態だろうね…」

レイン『勿論…ましてや…』

進一「???」

レイン『報復に行きたいと、言ったね…』

進一「…」

そのまま頷く

レイン『私の宝物をここまで追い詰め傷つけた奴らには、相応の報いを受けさせないと憤怒は収まりそうにないわ…』

彼女は翼や身体とは逆に冷たい笑みを浮かべている

進一「…え?」

彼女の漏らした「自分の宝物」という言葉の意味を飲み込んでいく

レイン『奴ら、どこに住んでる?』

進一「案内するよ」

レイン『なら、頼んだわ…』

そのまま彼女は俺を抱えて飛んでいく

進一「そこのでかい家」

レイン『なるほど…』

そのまま彼女は僕を降ろすと、姿を変えた

進一「これが…レインの本当の姿…」

巨大な身体にマグマのような明々と光る翼と尾の先、胸には紺色の宝玉らしきものがはまり元々威圧的だった黒い爪や翼の先はより鋭く、より大きく変化していた

レイン『消エロ…!!!!』

そのまま翼の先端部を奴らの家の回りに突き
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