episode 3 心の欠片

俺は青山 瞬、職業は一応在宅勤務だ。

瞬「ふう…今日はこんなもんだな」

午前中のうちに仕事を片付けたので買い出しに行こうとスマホを持つと、メールが入っていた

瞬「??」

どうやらアプリストアかららしい

瞬「新しいゲームか…」

折角だし見てみよう

瞬「これは…」

買い物を終えて帰ってきたのでみてみると「doll nurturing」というゲームが出たらしい

瞬「なるほど…完全無料か…」

どうやら課金要素も無いらしい、やってみるか…

瞬「これでよし」

ダウンロードを済ませて俺は携帯栄養食とミネラルウォーターを口に運びながらダウンロードしたゲームを起動する

瞬「本格的…」

体格から髪や目の色まで決められる…そして女の子の人形しかないのはまあ仕方ないか

瞬「お、お任せあるのか」

お任せを選ぶと、アンケートが出てきたのでそのまま答えていく

瞬「…」

すると、人形が出来上がった

瞬「おお…」

次は名前か…

瞬「そうだな…」

出てきた人形は、見た目が小麦色の肌で金髪で目は翡翠色と表示された

瞬「なら…」

名前を決めないと進まないらしいので名前を入れる

瞬「これでいいな」

彼女の名前はティーナと言う名前にした

瞬「そして呼び掛ければいいのか」

そのまま彼女の名前を呼ぶ

瞬「ティーナ」

すると彼女は目を開く、俺をなんと呼べばいいのかと聞かれたので名前を入力する

瞬「これで始められるらしいな」

彼女は空腹を訴えてきた

瞬「お、最初の金で飯は買えるらしいな」

取り敢えず後の事も考えて買ったのは所持金の四分の一で帰るプリンにした、と言うよりも買えるものがスイーツしかないのはなぜだ…?

瞬「残った金でやることは…」

彼女が喜んで食べている顔を見つつ俺は考える

瞬「まずは資金調達か…」

残ったお金で自動的に入手できるお金のレベルを上げた

瞬「お」

食べ終わった彼女は話しかけてきた

瞬「なるほど…」

改めて生まれたてのような状態ではないので安心した

瞬「俺は一人暮らしだ」

親は居ないのか?と聞かれたので答える

瞬「君には作り手は居ないのか?」

俺は逆に聞き返す

瞬「なるほど…やはりか」

作り手や持ち主はもう居ないらしい…

瞬「悪い…」

それから当たり障りの無い会話をしていると、彼女は切り出してきた

瞬「…」

俺が親の事を話さないのは何故か?彼女はそれを聞いてくる

瞬「言いたくないからだ」

すると彼女は「確かに理由としては正しいですわね…失礼」と返してきたので根掘り葉掘り聞かれなかったのは安心した

瞬「…」

さらに当たり障りの無い会話をして、今度はたまったお金で彼女に服を新調することにした

瞬「選んで良いぞ」

彼女は「なら…」と少しの間迷った上で青紫色のドレスタイプのワンピースを選んだ

瞬「…」

出来るだけ彼女の意思を聞いてそれを叶える形にしていこう…

瞬「お…?」

さらに数日して、友好度や依存度のアイコンが少し変化したのに気づく

瞬「ん?」

彼女には、秘密があるらしい

瞬「秘密、ねぇ…」

どんな秘密かは知らないが、むやみに聞きはしない方が良いだろう…


瞬「ん??」

彼女は『何故付かず離れずの距離にこだわるのか?』と言う疑問をぶつけてきた

瞬「俺はあまり干渉されるのが嫌いなんだよ、したくないからあまり干渉はしない、押し付けもな」

そう答えると彼女は『貴方に何が…』と心配そうに画面越しで俺の目を見ている

瞬「…」

正直思い出したくはない…

瞬「これは…」

新しいアイコンに「転送」と書いてあるアイコンが追加された

瞬「???」

彼女は「貴方が何をそんなに苦しんでいるのかはわからな、でもこのアイコンを押せばそれはもしかすれば好転するかもしれない」と必死な表情で訴えかける

瞬「ということは、君は魔物娘か?」

あまりに必死な表情から俺はひとつの仮説を言う

瞬「なるほど…」

彼女は少しの間黙り、そして頷く

瞬「…」

そして「転送」と書かれたアイコンは明滅している…

瞬「なるほど…」

俺は考える

瞬「わかった」

そして、彼女を俺だけに縛り付けたくはない。そう結論が出て「転送」のアイコンにを押す






















瞬「…え?」

彼女の自由のためにと押した転送された先は、俺の部屋だった

ティーナ『やっと、会えましたわね…♪』

瞬「君は何故ここに…」

ティーナ『あれは、わかりやすく言えば私たち魔物のお見合いアプリのようなものですわ』

瞬「なるほど…」

ティーナ『…話して、くれませんか?』

瞬「…わかった」

俺はかつて親と呼んでいた男女にじぶんたちができたわけでもない
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