episode2 彼の望んだもの

俺は室井 薫

薫「暇だ…本格的に暇だな…」

友人はバイクで走りに行ったか残りは魔物にお持ち帰りされたか既に乳繰り合っているかだ…

薫「お、これは…」

新しいゲームでも探そうかとアプリを探していると『doll nurturing』というゲームを見つけた

薫「育成ゲーか、やってみるか…」

そのままダウンロードを選び、その間に紅茶を沸かすことにした

薫「お、完了したか」

そのままそのゲームを開く

薫「これは…」

人形は人形だが、これは等身大のようで体格から顔立ち、髪の色や目の色まで決められるらしい

薫「なら、せっかくだし…」

どうせなら、自分の好みに作ってみよう…そんな考えが浮かんだので身長は155cm、髪は艶のある朱色、目の色は緋色で服装はとりあえず白いワンピースにして設定を終えた

薫「お、起動準備ができたか」

出来上がった彼女は、仰向けに目を閉じて寝ている

薫「なるほど…」

名前を入力し呼び掛けることで彼女は起動するらしい

薫「なら…」

名前は赤系の色合いから太陽を意味する名前としてソレイユとつけた

薫「ソレイユ」

呼び掛けると彼女は目を開く

薫「お、起きた」

彼女は俺をなんと呼べば良いか聞いてきたので名前を漢字で入力する

薫「よしよし、できた」

とりあえず彼女は育成段階に達した上でお腹が減っているらしいので今買えるもののなかで一番高いパフェを選ぶ

薫「お、喜んでる喜んでる」

そして残ったお金は自動で手に入るお金を強化していくことにした

薫「なるほど…」

食べ終えると、彼女は『物語のエンディングでハッピーエンドかバッドエンドかその他かどれが好き?』と聞いてきた

薫「質問を質問で返すのは悪いが、大団円ってそうないよな?だから俺はメリーバッドエンド、かな。好きなのは」

彼女は『それはなに?』とさらに聞いてくる

薫「登場人物で誰からの視点で見るかでハッピーエンドかバッドエンドか変わる終わり方の事だな。」

彼女は『なるほど…』と考えている

薫「例えば、主人公は死ぬがそれにより大きな災害を完全に防げた。これは大半の人からしたらハッピーエンドだろう。だが、彼または彼女に想いを寄せていたものからすれば「どうしてあの人だけが…」と想う気持ちをなくせはしないだろう?その想いを寄せていたものからしたらバッドエンドになる。こういうことだ」

彼女は『実にわかりやすい例え…』と納得している

薫「後はビターエンドってのもあるな」

彼女は興味を示したので俺はさらに説明する

薫「大体の目的は達成できたが、それに匹敵するほどの被害や犠牲が出た。メリーバッドエンドの中にあるものともいえるかもしれない」

彼女は『でも、人々はハッピーエンドを求める…それはいけないこと?』と聞いてきた

薫「そりゃそうだろ。だが、それに行きすぎると物語は「ご都合主義」になるからな…現実性を持たせた事で生まれたものがメリーバッドエンドなのかもしれない」

彼女は『現実性…』と納得したようなしてないような顔をしている…

薫「そうだな」

それからしばらく彼女を育成して、彼女は『貴方には彼女いないの?』と聞いてきた

薫「いたらこのゲームしてないだろ…わからないか?」

彼女は『確かに…』と悪いことを聞いたかなという顔をしているので…

薫「気にするな、今のご時世男性の結婚のメリットはほとんどない。少なくとも人間相手ならな」

彼女は『なるほど…♪』と少し機嫌がいい…なんだ?

薫「そういや、この隠れている二つのゲージは一体…」

彼女は悪戯っぽい笑みで『もう少しで知るときが来る』と言ってきたので…

薫「なら、のんびり待つか…さてと」

そのまま画面からいろいろ選ぶ

薫「よし」

今日は彼女の部屋の模様替えと服の新調をした

薫「…♪」

そのまま彼女が撫でてほしそうにしていたので撫でると彼女は嬉しそうにしている…

薫「もしかして」

彼女は首をかしげる

薫「このゲームはもしかして魔物の誰かが俺の情報を集めるためにやっててその集め主には
#22908;筒抜けだったりしてな」

彼女は心底驚いた顔をしている…

薫「当たりか?」

すると彼女は覚悟した顔をして『この先を知る覚悟はある?』と聞いてきた

薫「やはり、魔物絡みか。わかった」

彼女はそのまま真相を語り始めた

薫「お、このボタンか…」

彼女は笑顔で頷く

薫「このボタンが…」

彼女の行ったことは『魔物がからんでいるのは正解、その魔物はここに居る。それはわたしのことでこのゲームは私たちが男性と出会うためのツール』ということだった

薫「で、このボタンを押すと…か」

彼女は押してほしそうに上目遣いで俺をみている

薫「…」

覚悟を決めて「
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