一筋の光明

俺は、鮫島 明…

明「まあ、どこであろうと大抵はそんなもんだよな…」

鏡で自分の姿を見る、痛々しい傷跡の残る顔は綺麗なものでもないし今まで怪物扱いされたことも少なくない

明「…」

今までの人生を振り返る、5歳の時に両親を事故でなくしそのときに自分も大怪我をして片目を失明した上でもう片方もほとんど見えなくなった…おまけにこの顔だ…

明「この世界には、俺の居る場所は無いのかもな…」

両親を失い、俺は親戚中をたらい回しにされ最後には施設に送られた…そこでも怪物扱いを受けた…

明「おまけにこんな目じゃ報復したくたって出来やしない…」

俺は今ある山にバスで向かって山に入った所だ

明「来世に、期待しよう…」

そのまま山の奥に向かう、ロープは持ってきているからすぐにでも死ねるが見つからないようにもう少し奥に行こう…











明「この辺りに、するか…」

そのまま鞄からロープを出す

???『何してるんだ?こんなところで』

明「!!」

振り向くと、ぼんやりとしか見えないが黒い粘液の大きな塊(人一人が座って入れそうな大きさ)が喋っていた…赤い光が塊の一ヶ所から出ている

???『ロープ?何かを捕まえにでも来たのか?』

明「あんたには関係ない」

???『まあ、そうだね…』

そのまま喋っている粘液の塊は形を変えていく

明「なんだ!?」

すると、形はヒト型に近い形に変わる、粘液は移動して服のように変わりそのヒト型の存在は白い肌らしきものと目に相当するところは赤い光が出ている…

???『驚かないんだ?』

明「生憎、目が悪くてな…」

???『??』

明「…」

仮に声の主が怪物だとしても、どうせ死ぬ気なら…と半ばヤケで彼女の姿を見るために近づく

???『え』

明「これでようやく見える…」

やや小柄なヒト型の存在、人と違うのは人間の眼のあるところには大きなひとつの眼がついていることと黒い粘液の塊が背後からタコやイカの足か何かのように伸びていることだ

???『どれだけ目が悪いんだよ…』

明「そもそも片目は見えんからな…」

???『それでその傷…』

明「これを見ろ」

顔につけていたマスクやフードを外す

???『…』

明「醜いだろう?」

???『いや、それより…』

明「??」

???『何があったらそんなことに…』

明「5歳の時に大怪我をした、そのときに片目も眼として機能しなくなったしもう片方もこれがないとほとんど機能してないようなものになった」

???『なるほど…』

明「なら、これで」

???『まさか…』

声の主は俺の手にあった封筒をひったくる

明「…」

???『…お前のところの魔物たちは、何してたんだよ…!!!』

明「魔物、か…最近中立化するかどうかとか話し合ってたらしいな…」

???『危ない危ない…』

明「なるほど…お前も魔物の一人か…」

???『そういうこと』

明「…」

そのまま背を向けて俺は移動する

???『目が、見えるようになれば…』

明「無理だ、医者からも「何とか片目よ失明は防げたがもう片方は手の施しようがなかった…」と言われたくらいだし病院で見てもらってもなおる見込みはない。」

???『なるほど…でもひとつだけ抜け道があるんだよ』

明「???」

???『私たち魔物のことは、どれくらい知ってる?』

明「みんな女であること、余程のことでない限り人間には友好的。くらいか」

???『なるほど…♪』

明「で、抜け道ってのは?」

???『人間は、魔物に、ないしインキュバスになれば病気や大怪我、欠損も治るんだよ』

明「…本当か?」


???『尤も、人間の男なら人生を貰うけどねぇ…♪』

明「…」

なんだ?これは…提案も提案だが…

???『どうする?』

明「…治ったところで、俺に居場所はない。」

思い出した、俺は化け物扱いされ続け報復したいが力がないから死にたかったのだ…

???『???』

明「仮に治ったら、化け物扱いされていた俺は報復に向かうだろう…人間って言うのは醜いからな…」

???『化け物…か』

明「ああ、どこでもなんというか怪物か腫れ物に触るような扱いを受けていた、こんな顔ではな…」

???『なるほど…それで死にたかったのか…』

明「ああ、奴ら以上に醜い人間になる前に化け物は消える」

???『ホントになにやってんだよ…もう少し強気な手を打ってたら…』

明「…」

???『強制はしない、こっちに来てほしい』

明「…」

空を見るが夕暮れ時だ、このままでは死ぬより先に動物に襲われかねない

明「このままでは死ぬより先に動物に襲われかねないな…」

???『こっち』

そのままついていく、どうやら近くの小屋
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