その男が怒っていた理由

俺は、竹本実。来年には短大を卒業する。

実「…」

今、小中高と同じところに通っていた小さい頃からの知り合いと話している

???『…』

実「??」

???『私じゃ、だめ?』

実「…そうじゃねえよ」

彼女の名前は一元 奈津美(かずもとなつみ)、種族はサイクロプスだ

奈津美『なら、どうして?』

実「わからないか?」

奈津美『うん…好きな人いないなら、私で妥協したらいいのに』

実「ったく…」

全くもってイライラしてくる

奈津美『???』

実「帰る」

今年最後の授業が終わり俺は帰り道につく

奈津美『…』

方向は同じなので必然的についてくる

実「…」

アパートの自分の部屋に帰宅したが、夕食今から作らないとな…

実「マジか…」

しかし、外は吹雪だ…

実「何かあったかな…」

冷蔵庫とかを見てみると、カップ麺と携帯栄養食がいくつかあった

実「これで今晩は大丈夫だな」

そのまま携帯栄養食を開けようとすると、インターホンが鳴った

実「誰だこんなときに…」

そのままドアの覗き窓を見ると、奈津美がいた

実「どうした?」

とりあえず開けて上がってもらい聞く

奈津美『貴方一人だと変なもの食べてそうだから』

実「携帯栄養食使うから栄養バランスはいい」

奈津美『他の要素をぶん投げてるわね…』

実「一人暮らしの男だと栄養バランス考える場合これが一番楽なんだよ」

奈津美『ちゃんとしたもの食べないと…』

威圧感が出ている

実「で、どうした?」

奈津美『ご飯、作りに来た』

実「お、おう」

奈津美『そんなものばかり食べてたら、むなしくならない?』

実「いや、慣れた」

奈津美『…』

そのまま彼女は台所に向かう

実「…」

そもそも彼女の告白を俺は否定はしていない、彼女がそれに気づいたなら…

奈津美『もしかして』

煮込んでいるときに彼女は俺に顔を向けた

実「??」

奈津美『あなたが怒ってた理由、いくつか浮かんだ』

実「というと?」

奈津美『一つ目は、タイミングとかを考えろ。ということかなと』

実「いや、魔物が言う場合はタイミングとか知るかんなもんと押し倒すのもいるからそこまで気にしない」

奈津美『二つ目は、私の考え方が気に入らなかったのかなって』

実「なるほど」

奈津美『妥協なんて言わなければ、実は…』

実「つまり?」

奈津美『実、私は貴方が好き…相手がいないなら…』

実「俺の求めていた百点ではないが…俺が怒っていた理由にたどり着いたな」

奈津美『合ってた…良かった…♪』

実「ああ、そうだな」

そう、彼女の「妥協」という考え方が気に入らなかったのだ

奈津美『…♪♪♪』

実「!!!!!!」

そのまま座っていた俺の頭を彼女は抱き抱えた、苦しいほどに…

















実「おお、うまそうな鍋だ」

奈津美『さあ、召し上がれ…♪』

早速取り皿に持って食べ始める、美味しい…

実「見た目だけじゃなくて味もいい…美味い」

奈津美『良かった…♪』

実「なら、後片付けしないとな」

このアパートはお湯で洗い物をすると風呂が入れられないのだ

奈津美『…うん♪』

実「…」

洗い物を終え、風呂をいれる

実「…」

彼女は俺以外には口数がやや少ない、警戒心が強いのか?

実「お、わいたな」

風呂が沸いた音がした

実「まあ、持ってきてるよな…」

彼女は、リュックサックを開ける。中には歯ブラシと歯みがき粉、着替えらしきものの入っている袋、スマホの充電器などが入っているのが見えた

奈津美『ふふ…♪』

実「なら、先入ってきていい」

奈津美『せっかくだし…』

彼女は頬を少し染めて言う

実「まあ、言った以上俺の方の覚悟はある程度できてた」

奈津美『なら…♪』

実「行こうか」

とりあえず自室で着替えを用意する

実「…」

浴室で、彼女はタオルを持ってはいるが巻いていない、つまり全裸だ手

実「潔い感じがする」

奈津美『ふふ…♪』

とりあえず浴槽に浸かる

実「…」

狭い…俺は完全に抱き抱えられている

奈津美『…♪♪』

実「そういえば」

奈津美『??』

実「その角って、感覚あるんだよな」

奈津美『もちろん、断面図で骨が通ってるわ♪』

実「爪とかみたいな感じだな…」

奈津美『ふふ』

身体を洗うために俺は上がる

奈津美『せっかくだし…♪』

そのまま俺の後ろに彼女は立ち、石鹸とシャンプーを持つ

実「ここまで来たなら、な」

ここまで来たなら据え膳食わぬはとも言うし乗らねば損だ

奈津美『なら、行くね』

実「ああ」

流石サイクロプス、手先が器用で俺の痒いところをすぐに察してくれる

実「手先が器用な魔物と言えばド
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