幼き日の記憶、そして白い森にて

ぼくは、竹本 樹。

樹「おまたせ」

ぼくは家のちかくの森に来ている

???「待ってたよ」

この子はココナ、この森にある花の妖精さんらしい

ココナ「今日は何をする?」

樹「なら、どんぐり集めようか」

ココナ「うん♪」

この子はなんと言うか弟みたいなものだと思う、森で一人でも生きていけるという違いはあるけど…

樹「たくさん集まったね」

日暮れの少し前まで集めて、小さめとは言えバケツいっぱいになるまで集まった

ココナ「うん♪」

樹「なら、いくつかもらっていくね」

ココナ「うん♪」

樹「なら、また明日ね」

ココナ「うん♪」

しかし…

樹「ったあ…」

ぼくはつぎの日に車にぶつかられて足が折れてしまった、いまは10月だけど、冬にならないと治らないらしい…











樹「急いで、行かなきゃ…」

何とか走れるようになった足で、雪のほんの少し積もった森へ走る…

樹「ココナ!!ココナ!!」

いつもの場所で雪を払うも、ココナは居ない…

樹「ココナ…」

ココナ「いつ…き…?」

樹「ココナ!!」

ココナはふらっとしながらも僕の近くにきた

樹「ごめんよ…ケガをして来れなかったんだ…」

ココナ「治って、良かったね…」

樹「ごめんよ…ごめんよ…」

ココナは痩せ細ったからだで僕の足にたおれかかる

ココナ「良かった…嫌いになったんじゃなかったんだね…」

樹「そんなことあるもんか…ケガをしてなきゃあの日にでもきたよ…!!」

ココナ「いつきに…会えて…良かっ…た…」

そのままココナは明るい黄緑色の光になって消えてしまった…

樹「ココナ!!!!!!」

暗くなって帰れなくなりそうになるまで、僕は泣き続けた…冬で寒いのにずっとずっと待っていてくれたココナは、もう居ない…

樹「うぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!」

だが、ここで泣いてばかりも居られない、帰らないと心配される…

樹「…」

翌日に、ぼくはココナのお墓を作った。思い出のどんぐりを埋めて子供だった僕のせいいっぱいの力で持ってこられる大きな石をおいた

樹「本当に、ごめんよ…ごめんよ…」





















それから十年以上経って、俺は大人になった今でもココナの死んだ日にはお参りに来ている…

樹「大きくなったな…」

どうやら埋めたどんぐりから芽が出ていたのに気づいたのは一年経った日のことだったがもう木になっている…しかもやたらと成長が早い…

樹「ココナ…今年で俺は大人になったんだ…」

???『貴方、さっきココナと言いましたか?』

いつの間にか木に寄りかかる女性が居た。奇しくもココナと同じ青緑色の髪と紫色の眼だ

樹「ああ、昔の俺の友だ。妖精だったらしいが俺が連絡をよこさんかったばかりに無理をさせてしまって消えてしまったんだ…信じられないなら笑ってくれても構わん」

???『なるほど…』

樹「ああ、で墓参りにきたんだ」

???「なるほど…会いたかった…」

樹「??」

???『確かに私はあのときに妖精としては死にました、でも…』

樹「???」

???『私はあのあとに、ある魔物の方の手により貴方が植えたこのどんぐりの木とひとつになることで魔物として記憶をもったまま転生の時を迎えました。それが数日前の事です』

樹「なら、君は…」

???『はい、待っていました…
#128156;』

どうやらココナはほんとうにいた花の妖精から木に宿る精霊の魔物へと転生したらしい…

樹「なら、名前はココナのままで良いのか?」

???『はい…
#128156;』

樹「本当に、良かった…」

ココナ『…
#128156;
#128156;』

樹「…」

そのまま俺は抱き抱えられた

ココナ『本当に、会いたかったです…
#128156;
#128156;
#128156;』

樹「??」

抱き抱えられていたから気づかなかったが、ここは…

樹「どこだここ…」

ココナ『外は、寒かったでしょう…
#128156;
#128156;』

樹「あ、ああ…」

ココナ『私達ドリアードは、一体化している木のなかに空間を作れるんです
#128156;
#128156;』

樹「その中か…つまり」

ココナ『はい
#128156;
#128156;』

樹「しかし、あの時愚直に待ち続けてたんだよな…」

ココナ『はい…』

樹「足の骨の一部が粉々になってたからかなり入院が長引いたんだ…」

ココナ『貴方は悪くない、悪いのは貴方にそんなケガをさせた人です…
#128156;』

樹「本当に、済まない…」

ココナ『…寂しかったです、不可抗力とはいえ』

樹「あそこを誰にも知らせてないことが仇になったな…知らせておけばケガをしたか
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