行き倒れ少女はお嬢様

俺は、相田 瞬斗。

瞬斗「…」

昨日、俺は仕事をやめた。理由は暴力を振るってきた上司を返り討ちにしたからだ。

瞬斗「まあ、先に手を出したのは向こうだし罰金も得られたからいいか…」

しかし、次の職を探さないといけないなとコンビニとスーパーで食べ物を買った帰りに思う

瞬斗「なんだありゃ…」

通りかかった公園のベンチに少女が力なく倒れていた

瞬斗「…」

少し考え、起こそうとしてみる

瞬斗「おい、大丈夫か?」

少し揺らしてみる

???『んぅ…』

どうやら気がついたらしい

瞬斗「大丈夫か?」

???『貴方は…?』

瞬斗「通りすがりだが…いったいなんでここで行き倒れみたいなことを…?」

???『…』

瞬斗「言いたくない、か」

彼女は静かに頷く

瞬斗「なら、質問を変えよう。俺は相田瞬斗、君は?」

???『…リーナ』

瞬斗「ならリーナ、こんなところで寝てたら風邪引くぞ…?」

リーナ『…』

しばらくの沈黙の後に彼女の腹の音が鳴る

瞬斗「腹減ってるのか…」

リーナ『うん…最後に食べたの二日前…』

瞬斗「…なるほど」

とりあえず買い物袋からリンゴを渡す

瞬斗「よかったら、食うか?」

リーナ『…!!!』

一心不乱に彼女はリンゴを食べている

瞬斗「…」

リーナ『ありがとう…』

瞬斗「なら…」

帰ろうとしたが…

リーナ『チラッと見えたけど、冷凍食品とお弁当ばっかり…』

瞬斗「一人暮らしってのは大抵こんなもんだ」

リーナ『…』

ついてきている

瞬斗「なんだ?」

リーナ『…て…』

瞬斗「?」

リーナ『ご飯作るから、あなたの家においてほしい…』

瞬斗「…」

少し考え、結論を出した

瞬斗「こっちだ」

とりあえず帰宅する

瞬斗「…」

彼女は俺の買ってきた弁当を食べ飯を作り始めた

瞬斗「…」

しばらくして、食事ができた

リーナ『気に入ってくれるといいけど』

彼女が作ったのは鮭のムニエルとご飯、野菜スープだった

瞬斗「いただきます」

早速食べる。美味しい…

瞬斗「旨い」

リーナ『良かった…』

瞬斗「ごちそうさま」

食べ終えると、彼女は洗い物をしている

瞬斗「…」

食事を終えて、話を切り出す

瞬斗「着替え、あるか?」

リーナ『うん…』

瞬斗「ならいい。」

そのまま部屋で俺はスマホを弄る

リーナ『ねえ』

瞬斗「ん?」

リーナ『…』

瞬斗「?」


リーナ『やっぱり…』

瞬斗「???」

彼女はなにかを理解したように座っている…

瞬斗「…」

それから彼女は夕食を作ってくれた

リーナ『美味しい?』

瞬斗「ああ、旨い」

リーナ『良かった…』

口数は少ないが、彼女は嬉しそうだ

瞬斗「風呂、沸かさないとな」

リーナ『…』

風呂を沸かして、俺は言う

瞬斗「先入っていいぞ」

リーナ『うん…』

新しいタオルをおいて、俺は彼女が上がってくるのを待つ

瞬斗「…」

彼女は何者なのだろう…?

リーナ『上がった、よ…』

瞬斗「ああ。」

そのまま浴室に向かう

瞬斗「まあ、考えても答えはでないし…」

とりあえず頭と身体を洗って上がる

瞬斗「さて…」

リーナを自分の部屋のとなりに案内する

瞬斗「ここ使っていいから」

リーナ『ありがとう…』

俺はそのまま自分の部屋に戻りまたスマホを弄っていると、いつの間にか日付が変わっていた…

瞬斗「そろそろ、寝るか…」

そろそろ寝ようかと思っていると…

リーナ『!!!』

部屋のドアが開かれ、リーナがいた

瞬斗「どうした?」

リーナ『怖い…』

リーナは泣きそうな顔で抱きついてきた

瞬斗「どうした!?」

リーナ『悪夢を、見た…』

瞬斗「悪夢?」

リーナ『…』

彼女はぽつり、ぽつりと語り始めた。

瞬斗「災難だったな…」

リーナ『怖い…』

彼女のみた悪夢は、だだっ広く誰もいない上でなにもない真っ白な場所に取り残される夢だった

瞬斗「確かにそれは怖いな…」

考えてみると唯々真っ白な空間に放り出されるのはある意味で怖い

リーナ『お願い…しばらく…』

彼女は抱きついてきたので俺は言葉を出す

瞬斗「寝るつもりだったんだが」

リーナ『なら、一緒に…』

瞬斗「…」

このまま引き下がる気はなさそうだ…

瞬斗「わかった」

寝ていた布団に二人は少し狭いが仕方ない

リーナ『…』

安心したのかすぐに寝息を立てている、大丈夫ならいいか…























瞬斗「朝、か…」

リーナは先に起きたらしい

リーナ『ご飯、できてるよ』

瞬斗「ありがとう」

そのまま朝食を食べていく

瞬斗「君は、魔物?」

赤い瞳孔の人間は数が少ない、だ
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