閑話休題 もしアインが守護竜にお礼巡りに行く前に自ら去っていたら

セラの病が治った、このまま私が去れば彼女はきっと野生で生きていけるだろう…

アイン「…」

そのまま前々に書いていた手紙を部屋の机に置いて私は去る

アイン「これで、いいんだ…」

償いを忘れた自分への戒めとして何度も言い聞かせるように言葉にする…










セラside

セラ「アイン、さん…?」

いつもいるはずの寝室や部屋全部を探したがアインさんは居ない

セラ「これは…」

食事をする机の上になにかが置いてある…

セラ「手紙…?」

手紙の中身は、アインさんの胸の内と別れを告げる言葉だった



セラ「…」

セラへ

私は君を償いのために引き取り、成竜まで共に暮らしてきた。君はもう成体だ、君ならもう一人でも野生で生きていける。私は人間だからどう頑張ろうと君より先に死んでしまう、だからここでさよならだ。君との暮らしはわたしにこれが償いであることさえ忘れさせてくれるほどに充実している物だった。ありがとう

と書いてあった

セラ「もしかして…!!」

最悪の可能性が頭をよぎる

セラ「探さないと!!!!」

急いで小屋からでて翼を広げ飛び立つ

セラ「…」

四大元素の力を駆使して辺りを探っていく…

セラ「こっちには、いないか…」

山の頂上の方を探してみるが居ない

セラ「なら…」

次は泉の方を探したが居ない

セラ「次は…」

さらに天の柱の方を探したが居ない

セラ「なら…!」

地竜の巣の方も探したが居ない…

セラ「どこ行っちゃったの…」

???『そこの竜、どうかしたのか?』

セラ「貴方は…」

そこに居たのは巨大な力を宿す竜の意匠を持つ女性だった

???『私は、この国の新しい女王だな…』

セラ「あの、この辺りに片手と片足が義足の男の人居ませんでしたか…?」

女王『いや…きっとそれは君でしか見つけられないだろう』

セラ「…」

女王『本当に、大切な男なのだな』

セラ「はい…私は彼が居なければ死んでいました…」

そのまま出会ってから今までのいきさつを話す

女王『君に覚悟があるなら、新しい魔物としての力を受けるか?』

セラ「見つけられる可能性があるなら…」

女王『わかった、こっちだ』

女王に着いていくと、凄まじい威圧感を感じた

???『私が新しい魔王よ♪話は聞いてるわ、彼を探したいなら協力してあげる』

そのまま変化の儀式が始まった

セラ「これは…すごい…」

女王『確かに放置しておくと最悪の可能性があるな…私も力を貸そう』

セラ「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

凄まじいなにかが流れ込んできて私の身体は変化を起こす

セラ『これが、新しい私…』

魔王『今の貴方なら彼の居場所はわかるはずよ』

セラ『!!』

アインさんから感じたものを探り、そのまま飛び去る

女王『うまく行けばいいが…』

魔王『彼が自分の残したものが合成竜の技術に使われていて、それで自己嫌悪にオチイッテタラあり得るわね…』











アインside

アイン「…」

死んだところでどうにもならない、だが生きたところで…とも思い私は元々の小屋に作っておいた地下室で独り考える

アイン「!?」

地面が揺れている、恐らく暴風も吹いている、何が起きている…?

アイン「…」

また合成竜か!?と考え地下室から出て窓からこっそり覗くと…

セラ『ここだね…』

アイン「!!」

そのまま魔力を通さない地下室に移動する、恐らく新しい世代の魔物に変化したセラだろう…仙竜郷からの帰り道で聞いた

アイン「…」

そのまま地下室に移動する、今もこれからも私はセラに出会うべきではない…

アイン「!」

そのままドアが開けられる音がする

アイン「…」

そうしていると、地下室への入り口を隠して塞いでいる板がバギッッ!!!!!!と砕かれる音がした

アイン「さすがに、これ以上は道がないな…」

諦めぎみに言葉が漏れる

アイン「来るか…」

階段を降りて来る音が大きくなってきている

アイン「…」

足音が止まった

アイン「…」

セラ『…』

扉が開かれた

セラ『アインさん…!!!!』

そのままセラに抱き抱えられた

アイン「…」

セラ『良かった…無事で良かった…!!』

アイン「少なくとも貴族どもはみんな散り散りに逃げている、私が連れ去られたとでも?」

セラ『ばか!!!!!!』

抱き抱える力が強まる

アイン「??」

セラ『合成竜のことでアインさんが自殺しててもおかしくなかったから…』

アイン「死んだところでどうにもならん、かといって生きて居てもなにかが変わるかと言えば変わらない…そう考えていた」

セラ『なら…』

アイン「!?」

そのまま地下室の部屋にあるベッドに押し倒される


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