傷に封じられた記憶

僕は、西田 総一。

総一「…」

今日、仕事から帰ってくると真っ白な髪をした魔物がいた

総一「何か用ですか?」

???『見つけました…』

総一「貴方は?」

???『約束通り、貴方の…』

総一「貴方は誰ですか?」

昔に見たことがあるようにも見えるが気のせいの可能性が高い

???『分からないのですか?』

総一「ああ、わからない…」

???『私は、ずっと待っていたのに…』

彼女は近づいてくる、どうやら魔物の白蛇らしい

総一「もしかして、今年から十年以上前かな」

???『はい…』

総一「なるほど…納得…」

???『??』

総一「これを見てくれ」

僕は髪を掻き分けて後頭部を見せる

???『これはひどい…』

総一「僕は十年ほど前に引っ越してその引っ越した地ですぐに親子まとめて事故に遭ったらしいんだ、それで十年より昔の記憶が忘れてしまったのか、封印されてるのかはわからないけど記憶喪失ってやつなんだって医者にいわれたよ」

???『そう言うことでしたか…』

総一「だから君との約束も…」

???『なるほど…』

総一「だから、君もその約束を破棄してくれて構わないから…」

そのまま自分の家に入ろうとすると止められた

???『思い出したく無いんですか?』

総一「思い出そうとすると頭に激痛が来るからしないようにしてる」

???『なるほど…』

彼女はスマホでどこかに掛けている

総一「??」

???『もしかしたら貴方の記憶を取り戻せるかもしれません』

総一「いや、かなり頑張ってもダメだったんだが」

???『専門医のところです』

総一「…」

彼女が嘘を言っているようには見えない、少なくとも彼女はそう思い込んでいるのだろう。なら行ってみてもいいかもしれない

総一「わかった」

彼女に着いていく、本当に記憶が戻るなら最低でも真偽はわかるはずだ

総一「ここか…」

そのまま駅に行き電車にのって移動して、いくつか駅を過ぎて降りそのまま向かった先に診療所はあった

???『ここですね』

総一「…」

そのまま診療所に入ると、すぐに診察が始まった

総一「…」

特殊な装置を使い魔力によって記憶の修復か封印の解除をして記憶を戻すらしい

総一「…」

???『…』

そのまま装置により記憶が戻ってくる…

総一「!!!!!!!!!!」

これは…

???『どうしたんですか!?』

総一「あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

確かに彼女が誰なのかはわかった、だがそれ以上に…

総一「はぁ…はぁ…はぁ…」

肺の空気を全部吐き出してしまったらしく息が…

???『どうしたんですか!?』

総一「葵…」

???『!!』

総一「確かに葵のことは思い出した…」

そう、あれは僕が引っ越すことを彼女に言った日…

???『ねえ』

彼女の名前は葵、引っ越す前の地元にいた白蛇の女の子で幼小さい頃から割と一緒にいた馴染みだった

総一「なに?」

葵『大きくなったら、私をおよめさんにしてくれる?』

総一「どうだろう…」

葵『??』

総一「僕は、もうすぐ引っ越すから…」

葵『え…?』

総一「あと一週間で引っ越すんだって」

葵『!!!!』

総一「だからわからない」

葵『なら、大きくなったら迎えに行くから、そのときはおよめさんにしてね…』

総一「うん…」

という約束をしていたが事故の光景を見たことにより僕の脳は事故の光景をフラッシュバックさせないように以前の記憶を根こそぎ封印することで精神を守ったと言うところだろう…

総一「なるほど…」

葵『良かった…』

総一「それ以上に父さんと母さんが事故で死んだときのことも鮮明に思い出した…」

葵『!!』

総一「犯人も死んだからもうこの事はいい…」

葵『ごめんなさい!!!!』

総一「??」

葵『私の勝手でそんな辛い記憶を…』

総一「いや」

葵『??』

総一「あんな記憶とはいえ親の記憶を思い出せた、それに思い出せなかった理由もわかったしな」

葵『??』

総一「多分だが、あのときに親の事故の光景を見てしまってあのままでは精神が壊れると本能的に判断した僕の脳は反射的に封印したんだと思う」

葵『なるほど…』

総一「まさか根こそぎ封印してるとは思わなかったが」

葵『ですね…』

総一「大事な約束まで封印してるとはな…」

葵『ご
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