俺は大田剛、虫を育てるのが趣味で魔界とこの世界を繋ぐための機材の設計図を書くのが仕事だ
剛「…」
今日、設計図を納品して帰ってきたら庭の山椒の鉢植えの葉っぱに芋虫が付いていた
剛「お、こいつはアゲハチョウの幼虫だな」
そのまま葉っぱをいくらかとって箱に幼虫もろともそっといれる
剛「しっかり食べて大きくなれよ…」
しかし、その願いに暗雲が立ち込めたのはその幼虫がサナギになった時だった
剛「これは…」
サナギに黒い斑点、しかもなかで動いている…
剛「助かるかはこいつ次第だが、今助けてやるからな…」
そのままピンセットと液体絆創膏を用意する
剛「…」
集中してサナギにピンセットで穴を空けて寄生虫を取り出す
剛「よし…」
出た液体もかなり少ないのですぐに液体絆創膏を塗る、前にもこういう寄生虫を除去することはしていたが助けられるかは七割程度と言ったところだ…
剛「よし、他の寄生虫は居ないな…」
サナギを見回すが黒い斑点はない
剛「無事に出てきてくれよ…」
それから二週間弱、サナギが割れて成虫が出てきた
剛「良かったな…傷跡は残ったが無事に成虫になれて…」
そのまま外に逃がしてやろうとすると、青い肌の女性、角や尻尾も生えてるから恐らく魔物だろうか?そう言う女性が話しかけてきた
???『逃がしてしまうの?』
剛「貴方は?」
???『私は、まあ魔物よ』
剛「見たらわかる」
???『その子…なるほど…』
剛「??」
???『その子、引き取らせてくれないかしら?』
剛「??」
???『野生で天敵に食べられたりするのがかわいそうだから…』
剛「…好きにしたら良い、ただそうしたいなら最後まで面倒見ろよ?」
???『えぇ。』
剛「そう言えば貴方は?」
傷跡の残る成虫を渡しながら俺は聞く
???『私はミリア、デーモンという魔物よ』
剛「なるほど…ならせめて最後の時まで…」
ミリア『えぇ…』
彼女は意味深な顔をして蝶を籠に入れて去っていった
剛「…」
今まで逃がしていたのは自然で暮らす方が良いのかもしれない。そう思っていたが間違いだったのか?
剛「…」
ふと今まで育ててきた虫のことを思い出す
剛「…」
それから二週間ほどたったある日の夜中、他に誰もいるはずのない気配がして目を覚ます
剛「蝶の、魔物か…?」
???『はい…♪やっとまた会えました…♪♪』
明るくなった部屋にいたのは金色の髪と目をした美女だった
剛「お前は…」
???『私は、貴方に命を助けられた者です』
顔以外を見ると、人間ならないはずの蝶の羽、そして…
剛「確かミリアに引き取られた蝶にその傷跡が…」
蝶の腹部のような器官に傷跡が付いている、だとしたら…
???『はい…♪♪』
彼女の表情がぱぁっ!と明るくなる
剛「俺はあくまでも身体に巣食っていたものを取り除いただけだ、あの後生きられたのは君が頑張ったからだ。」
???『でも貴方が居なければ私はあの寄生虫に身体中を食い荒らされて死んでいました…』
剛「…」
???『私は貴方に命を助けられたんです、今度はわたしが貴方を幸せにするために頑張る番です…♪♪』
そのままゆっくり抱きついてきた
剛「!!」
彼女の羽の色がアゲハチョウの黄色と黒のベースから艶かしく鮮やかな紫と黒のベースに変化していく…
???『ふふ…♪ミリアさんのいう通りですね…
#128156;』
剛「??」
???『これが愛するという気持ち、虫だった頃にはなかった感情…
#128156;』
剛「…」
彼女が抱きしめてくる感覚、それは俺に安らぎを与えてくる…
???『大好きです…
#128156;
#128156;人間じゃないと、ダメですか?』
號「いや、そもそも最近魔物はどんどんこの世界に進出してきているからな」
???『…
#128156;
#128156;』
剛「…」
???『あの…』
剛「??」
???『私の想い、受けてくれたということで良いんですよね…?』
剛「ああ…」
???『なら…
#128156;』
彼女が羽ばたくと、鱗粉が辺りに舞う
剛「これは…」
まるで粉にしても美しさがそのままなアメジストのようにも見える
???『ふふ…
#128156;』
身体に鱗粉が触れると、彼女の想いらしきものが流れてくる
剛「これは、君の考えていること?」
???『はい…
#128156;』
彼女の鱗粉からは、とても強い愛欲とそれ以上に強い想いが流れ込むように入ってきている
剛「…」
???『貴方がその気じゃないなら…
#128156;』
そのまま彼女は服を脱いでいく
剛「!!」
どうやら蝶の腹部以外には傷は無いらしい、良
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