その頃、俺も襲来に備えて待っていた。
ジュン「さて、誰が来るか…」
数分後、ドアがノックされた。
ジュン「さて、どんな奴が来るか…」
ドアの覗き窓から見ると、白いラミアが居た。
ジュン「…」
碧『今度こそ、見つけました。』
ジュン「君が強い意思を感じた方か。」
碧『はい、私は碧と言います。』
ジュン「そうか、で?」
碧『?』
ジュン「目的は?」
碧『まずは、貴方が何をそこまで強く願っているのかを教えてくれませんか?』
ジュン「魔物には言えない、どんな奴であろうと殺すなって言う綺麗事を言うような奴には言えない。」
碧『まあ、普通の魔物はそう言うでしょうね…』
ジュン「普通?」
碧『私には、殺したい程憎い男が居ます。』
ジュン「おいおい、魔物らしからぬ考えだな…」
碧『あの男は、私が人間だった頃に私の妹を傷つけ、心を壊した上で、のうのうと生きてます、それが原因で彼女は自殺しました…』
ジュン「なるほど。」
碧『だから貴方が人を殺していようと私は否定しません…』
ジュン「なら、少なくとも俺の偏見だったのは謝罪しないとな…」
碧『謝罪するなら貴方の名前と普通の魔物には言えないと言った事を教えてくれませんか?』
ジュン「わかった。」
それから、俺は自己紹介をして俺が報復者達の組織、リベリオンの長である事を話した。
碧『まさか、こんな近くに居るなんて…』
ジュン「俺達に、依頼するか?」
碧『…はい。』
ジュン「名前は?」
碧『はい…』
俺はその名前を調べ、結果を碧に言った。
ジュン「…この依頼を受ける事は出来ない。」
碧『何故!?』
ジュン「奴は既に捕獲済みだった。」
碧『良かった…、ならいいんです。』
ジュン「今から処刑するが、一緒に来るか?」
碧『…はい。』
俺達は早速アジトに向かった。
ジュン「着いた。」
碧『…』
それから俺達は処刑場に行った。
ジュン「碧さん、貴方に処刑方法を選ばせてあげよう。」
碧『なら、産まれたことを後悔してもしきれない痛みと苦痛、絶望をお願いします…。』
ジュン「了解だ。」
俺は処刑パターンのパターンDを選んだ。
碧『さっきのパターンDって何ですか?』
ジュン「処刑には基本的にパターンA〜Cまでがある」
碧『はい。』
ジュン「子悪党はA、そこそこ恨まれてる奴はB、悪質な奴はCだ。」
碧『Dは?』
ジュン「直接依頼されていて特に悪質なら使う。」
碧『一体何を…?』
ジュン「肉体、精神、尊厳、その他もろもろを破壊する拷問の幻影、ただし痛みは受けるタイプの薬を注射する。」
碧『おぉ…』
ジュン「その後に本当に拷問して殺すだけだ」
碧『聞かない方が良さそうね…』
ジュン「その方がいい。」
それから、俺達は部屋に戻って来た。
碧『やっぱり、私の考えに間違いはありませんでした。』
ジュン「?」
碧『私は貴方を見て、報復者としても、一人の人間としても仲間達に慕われているということが分かりました。』
ジュン「…」
碧『それに、強い優しさと愛情を持っていることも分かりました…。』
ジュン「俺も、被害者だったからな…」
碧『なるほど…』
ジュン「まあ強い愛情を持つ奴は反転したら強い憎悪になるからな、あながち間違ってない。」
碧『もし良かったら、聞かせてもらえますか?』
ジュン「俺は学校に行った時から、罵声、暴力を受けていて教師陣にも捨てられた、それだけだ。かなりはしょったが。」
碧『そんな…』
碧は自分が受けた訳でもないのに泣き出した。
ジュン「環境が人を作る、俺という人間はこうやってできた」
碧『だから仲間に強い優しさを…』
ジュン「優しさの定義がわからんから何とも言えないがな」
碧『…』
ジュン「?」
碧『もしよかったら、妹の、墓参りに来てくれませんか?』
ジュン「まあ、いいよ。」
それから彼女の墓参りに同行した。
碧『さくら、敵は取ったからね…』
さくら『お姉ちゃん、お兄さん、ありがとう。』
声が聞こえたかと思うと空から女の子が降りてきた。
碧『さくら!?』
さくら『神様にお願いして、少しだけ話せるようにしてもらったの』
碧『さくら…』
さくら『お兄さん、お姉ちゃんをよろしくお願いします。』
ジュン「え!?」
さくら『お姉ちゃん、これからは、自分の幸せのために、生きて。』
碧『さくら!!』
さくら『じゃあ、またね…』
さくらの姿が薄れて、消えて行った。
ジュン「…」
碧『あの…』
ジュン「?」
碧『私は…』
ジュン「?」
それから部屋に戻って碧は切り出した。
碧『弱い人たちのために戦うジュンが、好きです…!』
ジュン「そうか…」
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