嵐が過ぎるまで…

とりあえず、部屋に着いた

アイン「大丈夫か?」

セラ『うん…』

アイン「離れた方がいいか?」

セラ『やだ!!』

アイン「!?」

いきなり大声になって少し驚く

セラ『!!』

そのままセラは抱きついてきた

セラ『襲いかかるのは嫌だけど。他のに取られるのはもっと嫌…』

セラはそのまま私の胸と肩の間に顔を当てている

アイン「…」

セラ『しばらく…このまま…お願い…』

アイン「ああ…」

セラは本能と理性の板挟みになり苦しんでいる…私に出来ることは…

アイン「…」

相変わらずセラの息は荒い

セラ『はあ…はあ…はあ…』

アイン「…」

確か鎮静効果のある薬草を持っていたはずだ…

アイン「少し待っていてくれ」

そのまま急いで湯を沸かし、薬草を煎じる

アイン「これでいい、飲んでみてくれ」

セラ『うん…』

そのまま煎じた茶を渡す

セラ『…』

セラはそれをゆっくり飲んでいる

アイン「効果出ると良いが…」

セラ『ふう…』

セラはまた抱きついてきた

アイン「どこにも行かないから」

セラ『うん…』

そのまま時が過ぎ、夕方になり、夜になった

アイン「大丈夫か?」

セラ『うん、落ち着いた…』

アイン「なら、飯行くか」

セラ『うん』

そのまま食事に向かう

女王『ほう…』

アイン「理性をなくしたくないと言うのが伝わってきたので…」

女王『少なくとも、そのときまで待つと言うことか』

アイン「ええ…」

それから食事を終え部屋に戻る

アイン「…」

セラ『…』

アイン「?」

セラ『アインさん…』

アイン「?」

セラ『アインさんは、私の事どう思ってる?』

アイン「今となっては私の最後の家族だな」

セラ『なるほど…』

アイン「セラは?」

セラ『私は…』

アイン「落ち着いてからでいい」

セラ『そう言えば…』

アイン「?」

セラ『最後の家族ってどういうこと?』

アイン「私の両親は、もういない」

セラ『??』

アイン「私があの施設に務め飼育長になったのを見届けたかのように逝ったよ…」

セラ『そっか…』

アイン「ああ」

セラ『あれだけの地位に居たなら…』

アイン「ああ、私があの怪我をして働けなくなった途端にどこかへ行った、思えば寂しかったのかもしれない」

セラ『一番辛いときに居ないなんて…ひどい…』

アイン「所詮人間はそんなものだ」

セラ『でも、そのお陰で私はアインさんに会えた』

アイン「確かに、な」

外が騒がしいな…と思い窓から外を見て私は色々な感情が交錯し固まっていた

セラ『あの人、誰?』

アイン「どの面下げてきたんだろうな…」

セラ『私が撃退してくるよ…』

セラの眼が冷たいものをまた宿す

アイン「??」

セラはあの女、ニーナの前に降りた

セラ『貴女が…』

ニーナ「貴女がアインのペットですのね」

セラ『…』

ニーナ「なに?その眼は」

セラ『…』

セラは笑っている

アイン「??」

セラ『どんな神経してるのかなって』

アイン「??」

そのまま私飛んでいきも降りる

ニーナ「さ、行きましょう」

アイン「どの面下げてきたんだ?」

ニーナ「…」

アイン「より良い金蔓を見つけたんじゃないのか?」

ニーナ「っ!」

セラは笑い始めた

セラ『本当に、どんな神経をしてたらアインさんに会いに来れるんですか?』

ニーナ「黙りなさい!!」

ニーナは拳をセラに叩きつけようとするが私が止めた

アイン「消えろ、尻軽売女」

セラ『!!』

ニーナ「!!」

セラ『…』

そのまま私が手を離すがセラがニーナの胸ぐらを掴み言う

セラ『二度と来ないで下さい、次に来たら…』

セラは胸ぐらを掴んでいないほうの片腕を振り下ろすとその先にあった岩はまるでゼリーに包丁を入れるかのように真っ二つになっていた

セラ『殺意を抑えきれる自信がないので…♪』

獰猛かつ冷たく口角を上げセラはいつもの声の調子で言う

ニーナ「…」

アイン「失神してるし」

セラ『これ、どうする?』

アイン「そう言えば、こいつは…」

セラ『?』

アイン「いや、こいつの親ってもう死んでたなと」

セラ『??』

アイン「逃げ出した貴族たちのなかにやつの親が居た」

セラ『なら、女王様に報告しないと』

アイン「そうだな」

そのまま縛り付け運んでいく

アイン「というわけです」

女王『なるほど…私が魔物でないなら即死刑だが、そうだな…』

アイン「ひとつ案があります」

女王『なんだ?』

アイン「かつて我々が住んでいた森に放置しましょう」

女王『!涼しい顔でなかなか…』

セラ『魔物になる前なら息の根即止めてたかも』

アイン「そうだ…」

多分私は今悪い
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