あれからさらに数週間、鉱山での採掘や山での採取をしていくと、セラの姿が変化した
アイン「これは…」
セラ「からだの奥から…何か…」
眩い光の後に彼女の姿が変わった
アイン「おお…」
彼女の鱗は暗がりでも淡く白い光を放ち、たてがみや角、爪もさらに成長していた
セラ「姿がかわった!?」
彼女は鏡を見て驚いている
アイン「よくあることだ、竜は成長の節目に来ると姿が一気にかわることも多い」
セラ「そうなんだ…」
姿が変わったということは多少なりとも消耗していそうなので今日は出掛けないことにした
セラ「アインさん、それなに?」
アイン「これか?義手に取り付ける装備だ」
セラ「…思ってたんだけど」
アイン「なんだ?」
セラ「どうして武器とかばっかり作るの?」
アイン「あるものに警戒をしているからだ」
セラ「あるもの?」
アイン「ひとつだけ、言っておく」
真意は伝えなくとも、何に警戒しているかだけは伝えておくべきだろう…
セラ「?」
アイン「人間は、利のためなら平気で約束を破り裏切る」
セラ「うん、知ってる…」
アイン「なら、いい。」
その日はそのまま食事と風呂を済ませて寝てしまった
アイン「なら、そろそろ少し遠出をしてみるか?」
翌朝、朝食を済ませて彼女を見るが体調は良さそうなので彼女に聞いてみる
セラ「うん」
彼女も行く気なので、今日は近くの鉱山ではなくそこから東に進んだところにある森を抜けた先にある荒野と泉へ行くことにした
アイン「いい天気だ」
セラ「ピクニックみたい♪」
彼女は浮かれている、確かにあのままではこんな体験はできなかっただろうからな…
アイン「確かに、な」
そんなことを言いながら森の中央辺りにきた
アイン「お、これは…」
この季節では珍しい透明なキノコ、水晶茸が生えていた
セラ「それは?」
アイン「水晶茸だな、本来は冬場とかにしか生えないが珍しいな…」
採取して成分分析もするが普通の水晶茸だ
アイン「異常はないな」
さらに進んでいくと、泉についた
アイン「そろそろ、昼か…」
セラ「お昼ごはん〜♪」
泉での事は後回しにして昼食にする
アイン「さて、食休みも済んだし」
セラ「うん」
まずは泉の水を小型のボトルに入れる
アイン「これでよし。」
特殊な容器なので真空を作り出し菌の繁殖もこれで防げる
アイン「…?」
何か音にしては意味がありそうな、それは声に近い…なんだこれは…?
セラ「聞こえる…何か…」
確かに、何か声らしきものが聞こえる…
アイン「ここか?」
泉の近くにある大岩の裏に、大穴が空いていて通れるらしい
セラ「行ってみようか」
アイン「そうだな、声の主も気になる」
俺たちは、その大穴に入り、奥へと進んでいく…
おわり
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