衝撃の事実を知らされて数日、俺はよくも悪くも遠慮のない紅葉の干渉を受けていた
晶「…」
紅葉『…♪』
なんと言うか、美味しそうなものを見る目で見られている
晶「一応、抑え込まれてはいるのか…」
紅葉『そうじゃなかったら今頃襲いかかってるよ♪』
晶「なんと言うか、良く言えば自分に正直で悪く言うなら我慢と言う言葉を知らんと言うべきか」
紅葉『我慢、身体に毒じゃないの?』
晶「するもしないも限度があると言うことだよ…」
紅葉『我慢しようとすると、身体が痒くなるんだよね…』
晶「そもそも我慢って機能が外付け式か」
紅葉『というよりは性欲を押さえつけてるだけ』
晶「なるほど…」
彼女の未来は前途多難だと言うことだけはわかった
晶「はぁ…」
一人にやっとなれたので少し考えるもため息が出てきた
碧『どうしたんですか?』
晶「いや、魔物にもいろんな性格のやつがいるんだなと」
碧『紅葉ですか?』
晶「…」
静かに頷く
碧『まあ、元々彼女は我慢と言う概念がほとんどない種族ですしね…食う、寝る、犯すまたは犯されるが頭のなかに満たされてますから』
晶「良く言えば自分に正直とも言えるがそれも考えものだなと思う」
碧『まあ、あの腕輪があるかぎりは襲いかかることはないと思うので』
晶「一体どんな素材なのやら…」
碧『あと、距離が近いのに少し疲れた感じですね…』
晶「まさにそれだ、なんと言うか…」
碧『?』
晶「警戒心ないのかってな」
碧『警戒心ないというよりは』
晶「???」
碧『私達が選んだ男です、その気ならいつでもいいんですよ?』
晶「お、おう」
結局どうするか答えはでなかった
晶「ふぃー…」
風呂から上がると彼女はもう寝ていた、というよりは部屋から頭がはみ出している
晶「寝相悪っ…」
かけていたものは明後日の方向に飛ばされたあとで腹をだして眠っている
晶「やれやれ…」
そのまま彼女を押しながら転がして敷き布団の上にまで持っていき布団をかけてやる
晶「体つき以外は子供かおっさんだよ全く…」
あまりの寝相の悪さに思ったことが口に出る
晶「さて…」
それから少しして俺も寝る
晶「…朝か」
そのまま起き上がる
晶「ってまたかよ」
紅葉の部屋を通るとまた頭が部屋の戸のある場所から出ている
晶「俺が子供の時でもこんなに寝相の悪さはひどくなかったぞ…」
彼女の部屋に戸がないのはこの寝相の悪さに理由がありそうだ…と思う
紅葉『んぁ…?』
晶「こんなときに起きるんかい!」
突っ込みをいれてしまう
紅葉『また布団から出てるや』
晶「良くあることかい…」
紅葉『早めに自分の部屋もらったけどその理由が寝相の悪さだったし』
晶「納得」
紅葉『旦那のいるカク猿は寝相悪くないらしいけどね』
晶「つまりいろいろと有り余ってると」
紅葉『正解』
彼女の内包されているものに俺は戦慄しながらも朝食に向かうのだった
おわり
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