俺は楠 真二、この林に移住した氷野蓮の着替えを持ってきた
真二「お、あれだな」
蓮「真二、持ってきてくれたか」
真二「となりの彼女が奥さんか」
フラマ『えぇ、お疲れ様。』
真二「ならまた」
フラマ『良かったらこれを待っていって』
彼女は小さめの篭に木の実をいれてくれた
真二「お、ありがとう」
そして俺は林を抜けて帰ろうとするが…
???『お前、ここで何をして居る?』
真二「??」
前後左右を見回すが誰も居ない
???『上だ』
真二「ん?」
上を見ると金髪で紅い目の女性がいた、場所が場所だし飛んでいるので魔物だろう…
真二「あ、どうも。俺は楠真二。」
???『先に名乗るか、多少は弁えているらしいな』
真二「貴方は?ヴァンパイア?」
???『その通りだ』
真二「何をしてたかというと、この林に友人が住んでてその着替えを持ってきた帰りなんだ」
???『なるほど…』
先ほどから俺の持っている篭に入った果物を見ている
真二「良かったら一つ食べる?」
???『ほう、なら頂こう。』
彼女は果物を一つとると大きな木の枝に腰かける
真二「この辺りには魔物が居ないと思ってたらヴァンパイアの統轄下だったんだな」
???『ああ、人間が入ったから何事かと来てみたら近道のためだったとは』
その時日差しが強くなり、彼女は体勢を崩して落ちてきた
真二「危ない!」
何とか彼女を頭から地面にめり込ませずに済んだ
真二「大丈夫?」
???『少し、ふらつくが…』
真二「よっ、と」
彼女を担ぐ
???『何のつもりだ!』
真二「うちどこ?運んでくから」
???『降りる!』
真二「ふらつくんなら危ないって…」
そのまま彼女の案内通りに屋敷の近くまで運んだ
真二「なら、お大事に」
彼女を降ろして屋敷の人に出てきてもらった
???『待て』
真二「??」
???『よく見れば美味そうな血をしているな、近くにいてわかった』
真二「わかるものなのか…」
少し驚く
???『ちょうどいい、私の食料兼召し使いの一人として住まわせてやる』
真二「あ、え、はあ」
???『どうした?』
真二「やるにしても荷物とか取ってこないとなって」
???『そっちか…』
彼女はなんとも言えない顔をして居る
???『あの果物は美味だった、おかわりをもらいたい』
真二「あ、ならそれ食べて待っててよ」
???『良いだろう。』
そのまま俺は彼女の侍女らしき女性と自宅に荷物を取りに行った
真二「よし」
着替えと携帯の充電器とその他もろもろを鞄に積めて転送される
真二「取ってきたよ」
???『思ったより早かったな』
彼女の表情が最初に比べてかなり柔らかくなっている
真二「部屋はどこ?」
???『こっちだ』
案内された部屋は彼女の部屋のとなりだった
真二「おぉ…」
赤基調の部屋だがどきつくない、そして素材もいいものを使っているのがよくわかる
真二「こんなにいい部屋に?」
???『いい血はいい生活からだ』
真二「なるほど」
それから日がくれてきたので俺は部屋でスマホをいじっていた
???『入るぞ』
真二「はいはい、どうぞ」
どうやら彼女は風呂上がりらしい、髪が少し濡れているようだ
???『早速だが、食事にさせてもらうぞ?』
真二「血を吸われたことは蚊荷しかないからな…どうなるんだろ」
???『あんなものと一緒にするな…』
真二「ですよね…まあ死なない程度に…」
???『当たり前だ、お前は私の味覚にあった貴重な人材なのだ。吸い殺すなどもっての他だろう』
そのまま彼女は俺の首筋に口を当てて吸い付いてきた
真二「お!?牙刺さってる」
???『動くなよ?』
本格的に血を吸われるのは始めてだがやりにくくても困るので動かないように耐える
真二「んぁ…ほぁ…」
脱力感と不思議な快楽が同時に襲いかかる
真二「…」
夢見心地に意識が薄れかける
???『もう少しだ…』
真二「…」
それからさらにもう少しして解放されたが…
真二「!!!」
???『よし…』
体が熱い、何かが俺の体を駆け巡っている…
???『私はかつてただのオオコウモリだった』
真二「?」
何とか聞いている
???『だが私はあの林の変異の時に魔力をより多く浴びたことでヴァンパイアになったようだ』
真二「なるほど…」
多少駆け巡っているものが落ち着き始めた
???『だから私は本家からは見下されるかと思っていた』
真二「ですよね…ヴァンパイアはものすごいプライドとそれに見合うもの持ってるし…」
???『だが私は特異個体かつ強力なヴァンパイアになっていたらしく本家からは新しい可能性と高く
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