帰宅しました…。
「…。」
『まあ、だいたい予想通りだったな。』
「予測可能だったのか。」
『ジュンらしいといえばらしいからな、仲間の為に命を張るのは。』
「そうか。」
『だが、自分本位過ぎて私達のことを考えてない。』
「生まれながらの強者と弱者の考え方の違いだ、こればかりは解らなくても仕方ないけど。」
『かつて弱者を束ね、報復者達の長であったジュンならではの意見だな。』
「少なくとも空虚にはなってないはず。」
『だけどこんな置き手紙を置いてって、もし万一のことがあったらどうするつもりだったの?』
「いや、万一を自分で起こしかけたからな…。」
『え?』
「後の話はブランから聞いてくれ、少し疲れた。」
『一体何があったというんだ…?』
俺は自分の部屋に戻り、これからのことを考えた。
「…(まあ聞いたら大目玉は確実だろうな、それよりもあいつらとの連絡が取れない、何があったんだ?まさか逃げ切れなかったか…?)」
『ジュン、入っていいか?』
セレナの声がドアの外から聞こえて来たので、ドアを開けた。
「いいよ。」
『なら。』
セレナは部屋に入って来た。
「なに?」
『相変わらず無茶をする男だな、ジュンは。』
「みんなの信頼と期待と思いをリーダーは背負ってる、だから命を投げ捨てる覚悟をしてでも捕まる訳には行かなかった。」
『?』
「先代のリベリオンのリーダーは、警察に射殺された。」
『…!?』
「俺達リベリオンは、リーダーが一人で出てくるのを条件に逃げる為の足を手に入れられる約束をしていた。」
『出てきた瞬間、射殺されたのか。』
「そういう事、その後は師匠が来てくれてミサイルを警察達に撃ち込んで壊滅させたけど。」
『師弟揃って世紀末だな…。』
「だから俺達は警察を許さない、例え種族が魔物でも警察には変わりないんだ。」
『なるほど、だから警察に捕まるくらいなら栄誉の戦死を選んだのか。』
「そう、生き恥を晒すくらいなら死を侍なら選ぶだろうからな。」
『侍、か。』
「警察どもは俺達リベリオンのことをただのテロ組織や反社会組織であると思ってるらしいが、俺達は弱者を虐げる奴らを裁いてるだけだ。」
『法で裁けない奴らを裁くのがリベリオンか。』
「そう、報復者には権力も正義もいらない、純粋に力と意思があればそれでいいから。」
『お前達なりの正義を持っていたのか。』
「俺達は正しいとは言えない、だが俺達が裁く奴らが正しいのか?って話だ。」
『毒を持って毒を制すか、相変わらず肉を切らせて骨を断つやり方だな。』
「報復者はたいていそんなもんだ。」
『もう少し自分を大切にして欲しい、ジュンが居なくなったら私達はどうしたらいいんだ…?』
「…。」
セレナは半泣きになりながら両肩を掴んできた。
「まあ、最後の一暴れだよ、もうしない。」
『嘘じゃないな?』
「サツがあいつらを卑劣な方法で捕まえたら行くけど。」
『大丈夫だ、今や警察のトップは魔物娘の夫だ。』
「トップが大丈夫でも、全部に目が届くとは思えない。」
『また正論だな。』
「まああいつらはもう報復者にはならないだろうけど。」
『?』
「あいつらが恨んでいる相手を再起不能にしたんだ、心にあるドロドロしたものを全部吐き出してスッキリしたと思う。」
『相変わらず荒行法だな。』
「俺は過程はどうでもいいんだ、よりよい結果をできるだけ早く出すだけだ。」
『善悪や道徳の概念は、お前なら多分「そんなもので人を救えるなら争いは起こらない」と思うんだろう?』
「道徳で人は救えない。」
『それは否定しないな。』
『まだ話してるの〜?』
「ミーア、なんか用?」
『まあセレナと同じね、大体は。』
「そうか。」
『貴方は事故犠牲の精神を持っているのかもしれないわね〜。』
「かもな。」
『残された相手のこと、考えたことある?』
「…思えば俺は師匠と同じことをしようとしていたんだな。」
『そうね。』
「つっ走り過ぎてた。」
『そうね。』
「多少考えるべきか。」
『合格。』
「あいつら、どうしたんだろう…。」
『警察に殺されないようにお持ち帰りしたわ♪』
「お前が元凶か…。」
『素直だったって報告を受けたわ♪』
「まあなら安心だ、安心したら腹減った…。」
『食事は出来ている、明日に備えてしっかり食べて眠って身体を万全な状態にしておくといい。』
「え、あ、はい。」
何か裏がありそうだったが、こうなった以上少しくらいは言う事を聞いておいた方がいいと思った。
「なら食べようか。」
『えぇ。』
『明日は予定ないだろうな?』
「少し前にみんなから連絡が来た、4日後まで予定はない。」
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