とりあえず部屋に戻ってきました…。
「本当にどうしようかな…。」
『迷ってるの?』
「当たり前だ。」
『もう直感かいつも通りカラーボールでいいんじゃないかしら?』
「3人はそれでいいのか?」
『最初の1人と添い遂げるの?』
「さすがに3人とも傷物にしてさよならだったら俺はクズじゃないか」
『もうみんな選んでしまえばいいのよ♪』
「おいおい、そんなのが通ると思うのか?」
『この世界には、私達が来る前から一夫多妻制があるらしいじゃない♪』
「いや、3人はいいのかって。」
『私は平等にしてくれるならそれでいいわよ♪』
『私も似たような感じね〜。』
『ジュンがそういう男だと私も分かっている、それが最良の答えかもしれないと私も思う。』
結局、俺はカラーボールを引くことにした。
「みんな疲れてるだろうからするのは明日な、代わりに明日の朝からでもいい。」
『分かったわ♪』
「で、明日の朝引くか今引くか。」
『もう引いて、結果を早く知りたいから。』
「分かった。」
俺は気を静めてカラーボールを引いた。
『何色…?』
「…青だ。」
『そう、良かったわねセレナ。』
『初物を思う存分楽しめばいいわ〜。』
『あ、あぁ…。』
セレナは赤面しながらも頷いた。
「そろそろ寝た方がいい。」
『そうね、なら休ませてもらうわね。』
「んじゃ。」
3人は部屋に戻って行った。
「俺はこれからだ。」
俺は強化スーツ支援パーツタイプ周辺機器の図面作りの続きを始めた。
「ここをこうして、この線はこっちで…」
『ずいぶん難しい図面だな。』
「ん、セレナか。」
俺はしばらく経ってセレナに話しかけられた。
「あと少しで図面が出来る。」
『なら終わったらすぐ休め、明日に差し支える。』
「そのつもり、後は立体化して…。」
『今度は何を作ったんだ?』
「飛行ユニットとフォーム変更用デバイス。」
『本当に特撮の世界だな。』
「師匠も特撮好きだったからなぁ…。」
と話しているうちに、特に修正箇所もなかったので保存した上で休むことにした。
「んじゃおやすみ。」
『あ、あぁ…。』
「?」
その時のセレナの表情はいつもとは違って少し蕩けていたように見えた。
翌朝…。
「…?(なにか、居る?)」
俺は違和感を感じて目を覚ました。
「!?」
『やっとお目覚めか。』
「どういうことなの…。」
『ブランとミーアはもう出ていった、ゲームセンターに行ったようだ。』
「そうか、じゃなくて!」
状況を整理すると、俺の左腕に半裸のセレナがしがみついていた。
「訳がわからないよ…。」
『私に結局2日我慢させておいて、訳がわからないだと?』
「2日前…。」
俺はセレナの右腕にある絆創膏を見た。
『?』
「…済まない。」
『?』
「俺がもっと早く着いていればこんなことにはならなかった…。」
『そんなことか。』
「そんなことって!」
『…。』
俺はセレナに頭を抱き抱えられた。
『ジュンが来てくれたからこのくらいで済んだ、それに貴族でも守られて嬉しくない訳がないだろう?』
セレナの右手を傷の場所に当てた。
『それに消そうと思えばこの程度の傷は消せるんだ。』
「それでも記憶からは消えない。」
『相変わらず1人で背負い込むなジュンは。』
「…。」
『ジュン、君は1人じゃない。』
「…。」
『大丈夫、大丈夫…。』
俺は結構な時間セレナに抱き抱えられていた。
「…腹減った。」
『問題ない、食事はルームサービスを呼んである。』
「なら食べてシャワーしてからだな。」
『そうだな。』
その時のセレナの瞳に獲物を狩る狩人の光が宿っていたのを俺は見逃さなかった。
食事を終え、俺はシャワーを浴びた。
「…。」
『ジュン、バスローブとタオルを置いて置くからな。』
「ありがとう。」
それから少し経って俺はシャワーから上がった。
「上がった。」
『なら私もシャワーにしよう。』
「分かった。」
セレナはシャワーに行った。
「あ、マズいな。朝食にガーリックトースト食べたのを忘れてた…」
セレナが上がって来るまでにブレスケアをまとめて飲み、なんとか匂いを消すことが出来た。
『逃げてないな?』
「あ、セレナ。」
『どうした?』
「大丈夫?」
『何がだ?』
「朝食にガーリックトースト食べたのを忘れてたから。」
『!そういう事か。』
「まとめてブレスケアを1箱分飲んだから大丈夫だとは思うけど。」
『匂いは、しないな。』
「良かった。」
『私の事を考えての事か。』
「半分はな。」
『半分?』
「もう半分は俺のためだ。」
『?』
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