俺があの館に来て、二週間弱になる
ウォレス「…」
和也「?」
ウォレスは薪割りを手伝ってくれたがものすごい力だ…それこそ体格が筋骨隆々なら自然だが割りと細目の身体でやってのけるのは規格外としか言えない
和也「見た目とは裏腹にすごい力だな…」
ウォレス「俺を、やつらの元に突き返さなかった。なら少しでも役に立ちたい。」
和也「なるほど…お前さんは誰と一緒に?」
クリム『ここだよ♪』
少ししてクリムが来た
和也「なるほど…」
そのまま和也は立ち去る、薪割りは貯まったからと言っていたから
ウォレス「…」
クリム『?』
ウォレス「俺は、怪物だ」
クリム『え?』
ウォレス「このデカい身体と怪力のせいで俺は怪物か兵器としてしか見られていない、親でさえ俺が10にるかならないかのうちに捨てた」
クリム『嘘でしょ…!?』
ウォレス「それから、俺は国の軍に拾われた。その力と体格が魔物を倒すのに使えそうだからとな。」
クリム『…』
ウォレス「そこで必要な読み書きは教わった、そして魔物との関係に疑問を持っていた俺はアンドリューの話に乗り、魔物のことを調べた」
そして兵器として戦いかたを昼も夜もなく叩き込まれたことも話した
クリム『そこから今に繋がるんだね…』
ウォレス「そうだ。」
クリム『…』
彼女は自分のことでもないのに涙を流している…どうすればいいんだ?これは…
クリム『!』
そのまま彼女は走り出した
ウォレス「??」
そのまま彼女を追う
ウォレス「ここか?」
彼女は和也達の部屋に入っていったらしい
ウォレス「…?」
話が聞こえる…
クリム『ってことらしいの…』
和也「なるほど…下手をしたら…」
クリム『そんな…なんとか助けられない!?』
断片的に聞こえてくる…
和也「可能性は無くはないが…」
どうやはなにか大変なことを話しているらしい
クリム『…うん』
何かをきめたようだ、戻らなくては
ウォレス「…」
クリム『お兄ちゃん…』
ウォレス「ん?」
クリム『…』
そのまま彼女は座っている俺に倒れ込む
ウォレス「???」
ここまで穏やかな時間は産まれて初めてかもしれない…
クリム『お兄ちゃん、きっと今まで愛を実感したこと、無かったんじゃない?』
ウォレス「そうだな…無くても普通に生きては居るが」
クリム『何て言えばわからないけど、歪んでる感じ…』
魔物の洞察力はある方向ではとても鋭い…
クリム『私が、何とかしないと…』
ウォレス「本当に君は…」
クリム『一応ちっちゃいけど大人だから…』
ウォレス「なるほど…」
そして、その日の夕食後…
和也「ったく、随分突貫工事で作ったらしいぞ…?」
和也はクリムに何かを渡した
ウォレス「それは…?」
和也「彼女を一時的に完全体にするための装具だ」
ウォレス「…」
そのままクリムと部屋へ向かう
ウォレス「…」
クリム『シャワー、浴びてくるね…』
ウォレス「…」
彼女も魔物である以上、そう言うことなのだろう…
クリム『お兄ちゃん、上がったよ。』
ウォレス「あ、ああ。」
そのままシャワールームに向かい、シャワーを浴びる
ウォレス「本当に、大丈夫なのか…?」
そんなことを考えているとクリムが入ってきた
クリム『背中、流すね…♪』
ウォレス「あ、ああ。」
クリム『本当に、おっきいね…♪』
ウォレス「ああ、確か2m5cmだったかな」
クリム『私の1,5倍弱だよ』
ウォレス「そうか。」
クリム『お兄ちゃんは、私のこと、嫌い?』
ウォレス「わからない、でも妹が居たならこんな感じなのかなとも思う」
クリム『そっか。』
体を流してシャワーから上がる
クリム『私、えっと…』
ウォレス「まとまってからで、いい」
クリム『お兄ちゃん、怪物って言われてきたこと気にしてるよね…』
ウォレス「まあ、な。だが実際怪物らしいからな。図体といい力といい」
クリム『お兄ちゃんは怪物じゃない!!!!』
彼女はその小ささとは思えないほどの剣幕で言う
クリム『本当に心まで怪物なら苦しんだりしないはず!私をはね除けたり叩き潰したりするはず!!!!』
ウォレス「…」
クリム『お兄ちゃんには、その力で出来ることがたくさんあるんだよ?』
ウォレス「?」
クリム『怪物っていってた人たちが出来ないことが出来るんだよ?』
ウォレス「そういう見方も、あるか…」
クリム『お兄ちゃんに今必要なのは、心に自信を取り戻すこと…』
そのままクリムは首に何かをつけた。透明な結晶のなかで桃色のなにかが動いている…
クリム『!!!!』
彼女の目に何か違うものが宿る
クリム『お兄ちゃん、楽しい思い出が無い
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