朝食前に、俺はオスカーからもらったある箱を机の上に置いておいた。
瑠璃『これ、行く前にはなかったよね』
和也「そうだな、サービスかなにかじゃないか?」
雫『開けてみましょうか』
楓『そうね。』
彼女達は箱を開ける…
雫『これって…』
瑠璃『え…』
楓『…』
和也「…」
楓『一つだけ聞かせてください』
和也「…なに?」
楓『これをおいたのは、和也、貴方ですね?』
和也「…」
俺は重い首を縦に動かし頷く
瑠璃『…』
雫『…』
和也「…」
楓『…』
俺は、覚悟を決めて言うことにした
和也「随分遅くなってしまったが…」
雫『…』
瑠璃『…』
楓『…』
和也「俺の、俺の妻になってくれ…!」
飾り立てる言葉、そんなものを用意できるほど俺の心には余裕はなかった
雫『…』
瑠璃『…』
楓『…』
三人はそのまま何も言わずに近づいてくる
和也「…」
雫『言われるまでもありませんよ…
#9829;
#65039;』
瑠璃『やっと…やっと…
#10084;
#65039;』
楓『貴方の手綱を握るのは、三人掛かりでないといけませんしね…
#128149;』
和也「なら、三人まとめてなんてやりたくはないから順番を決めてほしい…」
楓『貴方からは決めないと』
和也「ああ、それはできない」
雫『なら、どうします?』
瑠璃『とりあえず、カタログ見て決めない?』
楓『そうしましょうか』
彼女達はドレスカタログを見ている…
和也「…」
一気に脱力感が俺の全身に広がる、これからなのに
和也「…」
しばらくして身体に血からを入れ直し、立ち上がろうとすると彼女達は順番と服も決めたらしい
和也「なら、先に行って着替えてくる」
俺は先に着替えに行く
雫『えぇ、またあとで。』
和也「喜びより緊張が強いな…」
一人ボソッと呟く
スタッフ「古代種の旦那さんとは思えないほど弱気ですね…」
和也「適合していたとはいえ、偶然だからな、出会いは。」
スタッフ「それでも、貴方は偶然か必然かに選ばれた存在です。自信をもって。」
和也「今まで、そうしてきたな…ありがとう。」
不思議と心は落ち着いた、後は式を手を抜かずに済ませるだけだ
雫『やっと言ってくれましたね』
瑠璃『うん、待ってた。』
楓『私達も落ち着かないといけませんね』
スタッフ『大丈夫、今までいろいろな人間と魔物の夫婦を見届けて来ましたけどみんなうまくいっています』
雫『?』
瑠璃『どういうこと?』
スタッフ『私は他の式場から引き抜かれて来たんですよ』
楓『なるほど…』
スタッフ『きっと緊張は彼の方が強いはずですし』
瑠璃『そうだよね…』
スタッフ『大丈夫です、貴女達ならきっと…』
雫『はい。』
楓『不思議と落ち着いてきたわ』
そして俺は着替えを終えて、控え室から出た。
彼らの休日・二日目 前編 おわり
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