act 1 Burned down

克己side

克己「で、手伝いって何をやってくれるんだ?」

ローズ『そうですね…』

克己「そういや、リハビリの時間だな。行くか。」

ローズ『いけません!』

克己「?」

ローズ『まだ火傷も治って居ないのに無理をしてはいけません、切ってしまった傷口が開きますよ!?』

克己「一応、人間の医者はそろそろリハビリ始めてもいいって言ってたんだがな」

ローズ『でも…』

克己「なにもすぐに歩こうとする訳じゃない、まずはこれだ。」

俺は部屋にある鉄アレイを出す

ローズ『?』

克己「っ、と。」

残った右手で鉄アレイを持ち、持ち上げては下ろす

ローズ『…』

克己「ふう、動いてないとやっぱり筋力落ちるな…」

ローズ『…』

克己「次は…」

右足に重りを着けて足を上げたり下げたりする

ローズ『危ないです!』

ローズはものすごい剣幕で俺の足から重りを取り上げてしまった

克己「…」

ローズ『バランスを崩したらさらに怪我をしますよ!?』

克己「…」

ローズ『どうしてリハビリをするんですか?』

克己「当然だろ、生活に復帰しないといけない」

ローズ『…』

その日は、そのあとに食事をしてシャワーをして終わった。










克己「…」

最近の食事は、普通の療養所なら変化しないはずなのに俺好みの味付けやメニューになっている

克己「ここは随分患者を分析するんだな」

ローズ『?』

克己「普通の療養所なら飯の内容が個人の好みに会わせて変わることなんて無いぞ?」

ローズ『口に合いませんでしたか?』

克己「いや、逆。元々旨かったがより旨い。」

ローズ『実はそれ、私が作ったんです…』

克己「お手伝いさんみたいな見た目してるが、見た目に違わず家事もできるわけか。なるほど…」

ローズ『はい、一通りのことはできます…』

克己「退院するまで、飯は頼んでいいか?」

ローズ『!はい…!』

さらに数日が経ち、彼女の様子が少しづつおかしくなったような気がするが俺の勘違いかもしれないと思っていたその日の昼…

克己「なるほど…繋がった…」

ローズ『なにか調べものですか?』

克己「いや、友人からのメールを整理していた」

ローズ『メール?』

克己「そう言えば、俺が何故家事に巻き込まれたのか話してなかったな」

ローズ『…知ってます』

克己「なら確認のために言うが、俺の地元は魔物が来てから反魔物寄りの中立勢力だった。」

ローズ『らしいですね…』

克己「俺は魔物を、他の親魔物や親魔物寄りの中立的な勢力の場所に逃がしていたんだ」

ローズ『そこを強硬派の放火で貴方は残りの娘たちを逃がしたは良いものの、自分は左腕と左足を炎に奪われた…』

克己「ローズ、君のことも…」

ローズ『知られたならもう遠慮はしません…』

克己「キキーモラって魔物らしいな、お手伝いさんや従者にたいしての適性が魔物のなかでもトップクラスな」

ローズ『はい、私はキキーモラです。』

克己「そして、君の服にある紋章、それも調べた」

ローズ『…』

克己「君たち過激派の一派が居なければ今頃俺は灰になっていただろう、本当にありがとう。」

ローズ『…』

克己「だが、キキーモラで過激派って珍しいよな、普通ならデーモンやデビルみたいな魔物が多いらしいが」

ローズ『私が過激派に所属したのは、母に勧められたからです』

克己「というと?」

ローズ『私もメイドとしての仕事を覚える学校に行っていたのですがその時そこの先生にも『主を甘やかして心をとろけさせるのはメイドとして満点とは言えない答えですよ?』とよく言われていました』

克己「なら俺がしてたことは相当やり方に反していた訳だよな…」

ローズ『はい、でも貴方の考えを尊重していました』

克己「…」

ローズ『本当のところを、教えてください』

克己「?」

ローズ『無理に痛くて苦しいリハビリをやるわけを』

克己「お見通しか、なら何故だと思う?」

ローズ『候補は二つあります、できれば前者であってほしいですが…』

克己「というと?」

ローズ『まだ完全に親魔物勢力になっていない以上、他の娘を逃がすため…』

克己「俺がそこまで聖人に見えるか?」

ローズ『まさか…』

克己「放火した奴らを法なり私刑なりで裁きたい、これだけやられて何も負の感情持ってないと思うか?」

ローズ『…』

彼女の眼が据わっていると言えばいいのか?強い意思を宿し始める

ローズ『貴方を、間違った方向に行かせはしません…』

言葉とは裏腹に俺は頭を抱き抱えられた

克己「?」

ローズ『今でさえ深く傷ついているのに、それ以上傷つかせに行かせはしません…!』

克己「…でも」

ローズ『?』

克己「よく考えれば俺が手
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