祖父が遺してくれたもの

俺は火野優一、今年で24になる魔物がより進出し、人間とうまくやっていくために必要な道具をつくる研究所の職員だ。

優一「ん?電話か…」

ある日の昼休み、スマホに着信があった。

優一「はい、母さん?どうした?」

電話の相手は母親で、内容は俺にとって衝撃的なことだった。

優一「嘘だろ!?」

祖父が死んだ。話によると朝食を食べたあと横になり昼前になっても起きてこないことを不思議に思った介護施設の職員が見に行くと、そのときには既に冷たくなっていたとのことだった。

優一「あの地方はまだ魔物が少ないからかよ、糞が…」

すぐに上司に知らせて俺は祖父の家に向かう。

優一「!」

急いでバイクに乗り実家へ行き、そこから祖父の家に向かう。

優一「いきなり過ぎるだろ…」

俺は父と母が共に乗る車のなかで呟く














葬儀は滞りなく終わった、だが俺の心はまだ祖父の死を認識しきれていない、祖父の家に行けば祖父がいるような気がしてならない。

優一「…」

それから祖父の家で泊まりがけの遺品整理になった。

優一「爺ちゃん…」

祖父の使っていた倉の中身を持っていく、するとひとつ長方形の木箱が目に入った。

優一「何だこれ…?」

その箱を持ってみるとそれほど重くはない、祖父はいろいろなものをコレクションしていて祖母や母は辟易していたが、俺は小さい頃から祖父が集めていたいろいろなものを見るのが好きだった。

優一「開けていいのかね…?」

木箱の蓋に挟まっていた紙が落ちた、それは封筒で中身を空けてみると手紙があり俺宛だった。

優一「…」

優一へ

この手紙を見ていると言うことはもう私はこの家に住めないほど弱っているか死んだと言うことになるだろう。この箱の中身は特別なランプだ、優一の役に立ててほしい。
私のコレクションの最大の理解者への最後のプレゼントだ。

爺ちゃんより。

優一「爺ちゃん…」

その箱を俺は自分に充てられた部屋に運び、残ったコレクションを今に持っていった。

優一「…」

祖父のコレクションは本当にいろいろなものがある。見たこともないような模様の刻まれた壺や本、ファンタジーに出てくるような鎧や剣と幅広い。

優一「…」

俺はその中から遺言状によってコレクションすべてを譲り受けた。父と母は納得したようなしていないような顔をしていたが、とりあえず何かあるかもしれないので全部引っ越し業者に頼み研究所におくった。

優一「…」

そして、夕食から話もそこそこに俺は部屋に戻る、スマホのゲームをする気にもならずふと気になった例の木箱を開けてみることにした。

優一「こりゃまた…」

箱の中にあったのは、本当にお伽噺やファンタジーに出てくるような魔法のランプそのものな見た目だった。

優一「もしこれが魔法のランプなら、こうしたら…」

持ってきていたハンカチでランプを擦ると、なかに何が入っているのかはわからないが凄まじい勢いで煙が出てきた。

優一「まさか本当に…」

???『ご名答〜』

そこにはアラビアの踊り子のような格好をした女の子がいた。

優一「まさか、魔物か…?」

???『ご名答〜君がお爺様の言っていたお孫さんだね?』

優一「爺ちゃんのこと知ってたのか」

???『もちろん、お爺様に買われて、そのあとに「自分の孫がお前さんを呼び出すことがあれば仲良くしてやってほしい」と頼まれたからね。』

優一「なるほど…」

???『ところでお爺様は?』

優一「死んだよ、数日前にな…」

???『嘘…』

優一「手紙が君のランプの入ったた箱に挟んであった。」

俺は手紙を渡す

???『お爺様…』

優一「…」

???『自己紹介がまだだったね、私はリリー、君の言う通り魔物でジーニーだよ。』

優一「そうか…」

リリー『…』

優一「遺骨でいいなら、来るか?」

リリー『うん…』

そのまま祖父の遺骨のある部屋に向かう…

優一「ここだ、何か光ってないか…?」

リリー『光ってるね…』

遺骨の辺りが光りだし、その光が治まると半透明になった男女がいた。

優一「婆ちゃん、魔物になって爺ちゃん迎えに来たのか…」

祖母『「人間として死にたい」って言ってたからね、これでやっと再会できたよ』

優一「爺ちゃんたち、死者の国に行くの?」

祖父「そうなるな、人間としてやることは終わった。リリーにも会えたんだろ?その流れなら」

リリー『甦ったお爺様ですか?』

祖父「魂だけになるとどうやら若返るようだ」

優一「なら、また。」

祖父「たまには顔を見せにに来てくれよ?あとひ孫もな…?」

優一「!」

祖父たちはそのまま首のない馬が引く馬車に野って去っていった…

優一「余波で母さんも魔物になってるし…」


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